【衝撃】がん保険がいらないと言われる本当の理由

がん保険 いらない 理由

「がん保険はいらない」という意見の背景には、公的医療保険や貯蓄への期待があります。

しかし、FP(ファイナンシャルプランナー)は「それでも必要」と指摘します。

この記事では、がん保険不要論の理由と、それに対するFPの見解、がん治療の経済的実態を徹底解説。

あなた自身ががん保険の必要性を判断し、後悔しない選択をするための知識が得られます。

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目次

なぜ「がん保険はいらない」と言われるのか

「がん保険は不要だ」という声を聞くことがあります。

実際に、がん保険に加入しないという選択をする人もいます。

では、なぜそのように言われるのでしょうか。

この章では、がん保険がいらないとされる主な理由について、具体的な背景とともに詳しく解説します。

公的医療保険で十分という考えと「がん保険はいらない」説

日本には国民皆保険制度があり、医療費の自己負担が原則3割(年齢や所得により異なる)に抑えられています。

この公的医療保険制度が充実しているため、がん治療にかかる費用の大部分はカバーされるという考え方が、「がん保険はいらない」と言われる大きな理由の一つです。

高額療養費制度があるからがん保険はいらない?

公的医療保険の中でも特に重要なのが「高額療養費制度」です。

これは、1ヶ月(月の初めから終わりまで)にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合に、一定の限度額を超えた分が払い戻される制度です。

この自己負担限度額は、年齢や所得によって異なります。

例えば、70歳未満で標準的な所得の方(年収約370万円~約770万円)の場合、1ヶ月の自己負担上限額は「80,100円+(総医療費-267,000円)×1%」となります。

仮に医療費が100万円かかったとしても、自己負担額は約87,430円に抑えられます(※)。

(※同じ医療機関で、同じ月に支払った自己負担額が対象。差額ベッド代や食事代などは対象外)

以下は、70歳未満の方の所得区分に応じた自己負担限度額の例です。

スクロールできます
所得区分(70歳未満)自己負担上限額(月額)
年収約1,160万円~
(健保:標準報酬月額83万円以上/国保:旧ただし書き所得901万円超)
252,600円+(総医療費-842,000円)×1%
【多数回該当:140,100円】
年収約770万~約1,160万円
(健保:標準報酬月額53万~79万円/国保:旧ただし書き所得600万~901万円)
167,400円+(総医療費-558,000円)×1%
【多数回該当:93,000円】
年収約370万~約770万円
(健保:標準報酬月額28万~50万円/国保:旧ただし書き所得210万~600万円)
80,100円+(総医療費-267,000円)×1%
【多数回該当:44,400円】
~年収約370万円
(健保:標準報酬月額26万円以下/国保:旧ただし書き所得210万円以下)
57,600円
【多数回該当:44,400円】
住民税非課税者35,400円
【多数回該当:24,600円】

※上記は一般的な区分であり、詳細はご加入の公的医療保険の窓口や、厚生労働省のウェブサイトでご確認ください。
参考:厚生労働省 高額療養費制度を利用される皆さまへ

この制度があるため、「万が一がんになっても、医療費の自己負担はそれほど大きくならないので、がん保険は必要ない」と考える方がいるのです。

日本の標準治療は公的保険の対象

がん治療には様々な方法がありますが、日本国内で広く行われている「標準治療」は、基本的に公的医療保険の対象となります。

標準治療とは、科学的根拠に基づき、現時点で最も効果が期待できるとされる治療法で、手術療法、放射線治療、薬物療法(抗がん剤治療など)がこれにあたります。

国立がん研究センターがん情報サービスによると、標準治療は「科学的根拠に基づいた観点で、現在利用できる最良の治療」とされています。(国立がん研究センターがん情報サービス 標準治療とは

これらの治療は保険適用となるため、高額療養費制度と合わせれば、経済的な負担は限定的であるという見方から、がん保険の必要性を感じないという意見があります。

十分な貯蓄があればがん保険はいらないという意見

がん治療にかかる費用は、治療内容や期間によって異なりますが、ある程度のまとまった金額になる可能性があります。

しかし、もし十分な貯蓄があり、万が一の際の医療費や当面の生活費を自己資金で賄えるのであれば、わざわざ保険料を支払ってがん保険に加入する必要はないという考え方です。

例えば、数百万円単位の貯蓄があり、それをがん治療費に充てても生活に困窮しない、あるいは資産運用などでカバーできる見込みがあるという方は、がん保険の優先度が低いと判断することがあります。

この考え方は、保険をリスクへの備えと捉えた場合、そのリスクを自分でカバーできるかどうかという合理的な判断に基づいています。

がん保険の保険料がもったいないと感じる理由

がん保険の多くは掛け捨て型であり、支払った保険料は基本的に戻ってきません。

健康な状態が続けば、保険金を受け取る機会がないため、「毎月支払う保険料が無駄になっている」「もったいない」と感じる方は少なくありません。

特に、若い世代や健康に自信がある方にとっては、がんになる実感が湧きにくく、保険料の負担だけが重くのしかかるように感じられることがあります。

住宅ローンや教育費など、他にも優先したい支出がある場合、固定費となる保険料を削減したいと考えるのは自然なことです。

この「保険料がもったいない」という感覚が、がん保険不要論の一因となっています。

がん保険の保障内容が複雑で分かりにくいという不満

がん保険は、診断一時金、入院給付金、通院給付金、手術給付金、放射線治療給付金、抗がん剤治療給付金など、様々な保障が組み合わさっています。

さらに、先進医療特約や女性特有のがんに対する特約など、オプションも多岐にわたります。

保険会社や商品によって、給付金の支払い条件や保障範囲、対象となるがんの種類などが細かく異なり、その内容が非常に複雑で分かりにくいという不満の声も聞かれます。

例えば、「上皮内新生物は診断一時金の対象になるのか、減額されるのか」「通院給付金の支払い日数に上限はあるのか」など、細かい規定を理解するのは容易ではありません。

このように保障内容が難解であるため、自分にとって本当に必要な保障が何なのか判断できず、結果として「よく分からないものには加入したくない」と考える人が出てくるのです。

若年層はがんリスクが低いからがん保険はいらないという誤解

一般的に、がんの罹患率は年齢とともに上昇する傾向にあります。

国立がん研究センターの最新がん統計によると、高齢になるほどがんの罹患リスクは高まります。(国立がん研究センターがん情報サービス 最新がん統計

このため、「自分はまだ若いからがんになる可能性は低い」「がん保険は高齢になってから考えればよい」という考えから、特に20代や30代の若年層でがん保険の必要性を感じない方がいます。

しかし、これは必ずしも正確ではありません。

確かに全体的な罹患率は高齢者に比べて低いものの、白血病や悪性リンパ腫、また女性では乳がんや子宮頸がんなど、若い世代でも発症リスクのあるがんは存在します。

この「若年層はがんリスクが低い」という認識が、がん保険は不要であるという結論に結びついているケースも見受けられますが、実態とは異なる可能性がある点に注意が必要です。

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「がん保険はいらない」論の盲点

「がん保険は不要」という意見には、一見もっともらしい理由がいくつか挙げられます。

しかし、ファイナンシャルプランナー(FP)の視点から見ると、そこには見過ごせない盲点が存在します。

がん治療の現実は、私たちが想像する以上に複雑で、経済的な備えの重要性を浮き彫りにします。

公的医療保険だけではカバーしきれないがん治療費用の実態

日本の公的医療保険制度は非常に手厚く、多くの方が「高額療養費制度があるから大丈夫」と考えています。

しかし、全てのがん治療費が公的医療保険でカバーされるわけではないという現実を知っておく必要があります。

先進医療や自由診療で高額になるがん治療費

がん治療には、公的医療保険が適用される「標準治療」の他に、「先進医療」や「自由診療」といった選択肢があります。

これらは、治療効果が期待できる一方で、費用が高額になるケースが少なくありません。

先進医療とは、厚生労働大臣が定める高度な医療技術を用いた治療法で、技術料部分は全額自己負担となります。

ただし、先進医療以外の診察・検査・投薬・入院料などは公的医療保険の対象となります。代表的な先進医療とその技術料の目安は以下の通りです。

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先進医療の例技術料の目安(自己負担額)
陽子線治療約270万円~300万円程度
重粒子線治療約310万円~330万円程度

※上記費用はあくまで目安であり、医療機関や症状によって異なります。最新の情報は医療機関や厚生労働省の先進医療の概要についてをご確認ください。

また、自由診療は、公的医療保険の適用外となる治療法や未承認薬などを使用する治療で、費用は全額自己負担となります。

海外では承認されていても国内では未承認の抗がん剤を使用する場合などがこれにあたり、治療費が数百万円から数千万円に及ぶこともあります。

高額療養費制度は、あくまで保険診療の範囲内での自己負担額に上限を設ける制度であり、先進医療の技術料や自由診療の費用は対象外となる点を理解しておくことが重要です。

差額ベッド代や入院諸費用も自己負担

入院した場合、治療費以外にも様々な費用が発生します。

その代表的なものが「差額ベッド代」です。

差額ベッド代とは、希望して個室や少人数の部屋に入院した場合に発生する室料の差額で、公的医療保険の対象外となり全額自己負担です。

1日あたり数千円から数万円かかることもあり、入院が長期化すると大きな負担となります。厚生労働省中央社会保険医療協議会の調査(令和5年7月1日現在)によると、1日あたりの平均徴収額は約6,612円(1床あたり)となっています。

その他にも、以下のような費用が自己負担となる可能性があります。

  • 入院中の食事代の一部(1食460円、住民税非課税世帯などは減額あり)
  • パジャマやタオルなどの日用品費
  • 家族のお見舞いのための交通費や宿泊費
  • テレビカードやインターネット利用料
  • 退院後の通院交通費

これらの費用は、高額療養費制度の対象外となるため、積み重なると家計を圧迫する要因となります。

がん治療による収入減少リスクという見過ごせない理由

がん治療は、身体的な負担だけでなく、仕事への影響による収入減少という経済的なリスクも伴います。

治療のために休職や退職を余儀なくされるケースは少なくありません。

会社員や公務員の場合、傷病手当金制度を利用すれば、休業4日目から最長1年6ヶ月間、給与のおおよそ3分の2が支給されます。

しかし、自営業者やフリーランスの方には傷病手当金のような公的保障がないため、収入が途絶えてしまうリスクに直面します。

また、傷病手当金を受給できたとしても、以前と同水準の収入を維持することは難しく、治療費の支払いや生活費の確保が課題となることがあります。

特に、住宅ローンや教育費など、固定的な支出が大きい家庭にとっては深刻な問題です。

貯蓄だけでは不十分? がん治療の長期化と再発という理由

「十分な貯蓄があれば、がん保険は必要ない」という考え方もあります。確かに、ある程度の貯蓄は万が一の際に役立ちます。

しかし、がん治療の特性を考えると、貯蓄だけでは対応しきれないケースも想定しておく必要があります。

がん治療は、手術や放射線治療、薬物療法など多岐にわたり、治療期間が数ヶ月から数年に及ぶことも珍しくありません。

また、一度治療が終了しても、再発や転移のリスクが常につきまとうのががんという病気の怖いところです。

再発・転移した場合、再び高額な治療費や長期の療養が必要になる可能性があります。

治療が長期化したり、再発を繰り返したりすると、当初想定していた以上の費用がかさみ、貯蓄が底をついてしまうリスクも否定できません。「いつまで続くかわからない治療費の支払い」という不安は、精神的にも大きな負担となります。

貯蓄は、あくまで不測の事態に備えるための一つの手段であり、がんのような特定の大きなリスクに対しては、保険という仕組みで計画的に備えることの合理性があります。

がん保険は経済的備え以上の価値 安心という理由

がん保険の役割は、単に経済的な負担を軽減するだけではありません。

「もしもの時に経済的な心配をせずに治療に専念できる」という精神的な安心感をもたらす点も、非常に大きな価値と言えるでしょう。

がんと診断された時のショックや不安は計り知れません。そのような状況で、さらに治療費の心配までしなければならないとしたら、精神的な負担は増大し、治療への向き合い方にも影響が出かねません。

がん保険に加入していれば、経済的な基盤があるという安心感が、前向きに治療に取り組む力を支えてくれます。

また、家族に経済的な負担をかけたくないという思いも、がん保険を検討する大きな理由の一つです。

自分が倒れた後も家族が安心して生活できるよう、備えをしておくことは、家族への愛情表現とも言えるでしょう。

がん保険は、患者本人だけでなく、支える家族にとっても心の支えとなり得るのです。

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FPから見た必要な理由

「がん保険はいらない」という意見がある一方で、ファイナンシャルプランナー(FP)の視点から見ると、がん保険の必要性を強く感じる場面が多々あります。

ここでは、がん保険が「本当は必要」と言える具体的な理由を、専門家の立場から詳しく解説します。

がん治療の経済的負担を大幅に軽減するがん保険

がん治療には、公的医療保険だけではカバーしきれない様々な費用が発生します。

がん保険は、これらの経済的負担を軽減し、安心して治療に専念できる環境を整えるために非常に重要な役割を果たします。

診断一時金で治療初期のまとまった出費に備える

がんと診断された直後は、検査費用、治療準備、場合によっては仕事を休むことによる収入減など、まとまったお金が必要になるケースが少なくありません。

診断一時金は、がんと診断確定された際に一時金として受け取れる給付金で、その使い道は自由です。

治療費の支払いはもちろん、当面の生活費、代替医療の費用、あるいは気分転換のための費用など、患者さんやご家族の状況に合わせて柔軟に活用できます。

この一時金があることで、治療開始時の経済的な不安を大きく和らげることができます。

入院や通院の長期化にも対応する給付金

がん治療は、入院だけでなく通院治療が長期にわたることも珍しくありません。

最近では、入院日数が短期化し、通院での化学療法や放射線治療が増加しています。がん保険には、入院日数に応じた入院給付金や、通院日数に応じた通院給付金があり、これらが治療の長期化に伴う継続的な支出をサポートします。

特に、仕事を続けながら通院治療を行う場合、交通費や治療中の細かな出費も積み重なります。

こうした継続的な経済的サポートは、治療と生活の両立において心強い味方となります。

先進医療特約で高額な治療も選択肢に

がん治療の中には、公的医療保険の対象外となる「先進医療」があります。

先進医療は、効果が期待される一方で技術料が全額自己負担となり、数百万円単位の高額な費用がかかることもあります。代表的なものには、陽子線治療や重粒子線治療などがあります。

例えば、以下は先進医療にかかる技術料の一例です(あくまで目安であり、医療機関や症状によって異なります)。

先進医療の種類技術料の目安
陽子線治療約250万円~300万円
重粒子線治療約300万円~350万円

がん保険の先進医療特約を付帯していれば、これらの高額な先進医療を受けた際に、技術料相当額の給付金を受け取ることができます。

これにより、経済的な理由で最適な治療法を諦めることなく、治療の選択肢を広げることが可能になります。

先進医療に関する最新の情報は、厚生労働省のウェブサイトなどで確認できます。

最新のがん治療法など治療の選択肢を広げる理由

がん治療は日々進歩しており、新しい治療法や薬剤が登場しています。

しかし、最新の治療法の中には、公的医療保険の適用までに時間がかかったり、適用外(自由診療)であったりするケースも少なくありません。

また、標準治療以外に効果が期待できる治療法を試したい場合や、より副作用の少ない治療法を選びたい場合、あるいはセカンドオピニオンを求める際にも費用が発生します。

がん保険からの給付金があれば、こうした経済的な制約を気にすることなく、自分にとって最善と思われる治療法を検討し、選択する自由が生まれます。

これは、治療の満足度やQOL(生活の質)の向上にも繋がる重要なポイントです。

がんと向き合うための精神的な支えとなるがん保険

がんと診断されると、身体的な苦痛だけでなく、「治療費はいくらかかるのだろうか」「仕事はどうなるのか」「家族に迷惑をかけるのではないか」といった経済的な不安が大きな精神的ストレスとなります。

がん保険に加入していることで、「いざという時には経済的なサポートがある」という安心感が得られます。

この精神的な安定は、がんと向き合い、治療に前向きに取り組むための大きな力となります。

お金の心配を軽減し、治療に専念できる環境を整えることは、がん保険の非常に大きな価値の一つと言えるでしょう。

家族の生活を守るためのがん保険という理由

特に一家の生計を支えている方ががんに罹患した場合、治療による収入減少や、最悪の場合には働けなくなるリスクも考慮しなければなりません。

がん保険からの給付金は、治療費だけでなく、減少した収入を補填し、家族の生活費や子どもの教育費などを守るためにも役立ちます。

また、万が一、がんで亡くなられた場合に死亡保険金が支払われるタイプのがん保険であれば、遺された家族のその後の生活を支える資金にもなり得ます。

自分だけでなく、大切な家族の将来を守るという意味でも、がん保険は重要な備えと言えます。

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FPと考える必要性判断のポイント

がん保険の必要性は、一概に「いる」「いらない」と断言できるものではありません。

大切なのは、ご自身の状況や価値観を照らし合わせ、がんという病気にどう備えたいのかを具体的に考えることです。

ここでは、ファイナンシャルプランナー(FP)の視点から、がん保険の必要性を判断するためのポイントを解説します。

がん保険の必要性が特に高い方の特徴

以下のような特徴に当てはまる方は、がん保険の必要性が比較的高いと考えられます。

ご自身の状況と照らし合わせて確認してみましょう。

貯蓄が少ない方や自営業の方ががん保険を検討すべき理由

がん治療には、公的医療保険が適用される治療であっても、高額療養費制度を利用した後の自己負担額や、食事代、差額ベッド代など、一定のまとまった費用が必要になります。

さらに、先進医療や自由診療を選択した場合は、数百万円単位の費用がかかることもあります。

十分な貯蓄がない場合、これらの費用を捻出することが難しく、治療の選択肢が狭まったり、治療に専念できなかったりする可能性があります。また、治療期間中の収入減少も大きな問題です。

特に自営業やフリーランスの方は、会社員と比べて傷病手当金などの公的保障が手薄な場合が多く、休業が直接収入の途絶に繋がりかねません。

がん保険の診断一時金や入院・通院給付金は、こうした治療費や当座の生活費、事業継続のための資金として大きな助けとなります。

  • 治療費や生活費の不足で、希望する治療を諦めざるを得ない状況を避けたい
  • 療養中の収入減少により、家計が破綻するリスクを軽減したい自営業の方

家計を支える方ががん保険で備えるべき理由

一家の生計を主に支えている方ががんに罹患した場合、その影響はご自身だけでなく、家族全員に及びます。

治療費の負担はもちろんのこと、治療による休職や退職で収入が大幅に減少すれば、住宅ローンや子どもの教育費、日々の生活費の支払いが困難になる可能性があります。

がん保険は、このような経済的なリスクから家族の生活を守るための一つの手段です。

診断一時金や継続的な給付金があれば、当面の生活費の補填や、住宅ローンの繰り上げ返済、子どもの教育資金の確保などに充てることができ、精神的な安心にも繋がります。

残された家族が経済的に困窮することなく生活を維持していくための備えとして、がん保険の役割は大きいと言えるでしょう。

  • ご自身に万が一のことがあった場合、家族の生活水準を維持したいと考えている方
  • 住宅ローンや教育費など、固定的な支出が大きい

がん家系で将来のがんリスクが心配な方

血縁関係のあるご家族にがんの既往歴がある方が複数いる場合、いわゆる「がん家系」と言われることがあります。

遺伝的な要因が全てではありませんが、特定のがんにおいて家族集積性が指摘されているものもあります。

また、生活習慣も家族間で似通うことが多いため、がんのリスクに対する意識が高い方もいらっしゃるでしょう。

こうした方ががん保険を検討する理由は、将来的ながん罹患への経済的な備えだけでなく、精神的な安心感を得るという側面も大きいかもしれません。

万が一がんに罹患した場合でも、経済的な心配をせずに治療に専念できる環境を整えておくことは、早期発見・早期治療にも繋がる可能性があります。

ただし、がん保険の加入には健康状態の告知が必要であり、がんの既往歴や現在の健康状態によっては加入が難しい場合もあるため、早めの検討が重要です。

参考として、国立がん研究センターのウェブサイトでは、がんの予防や検診に関する情報が提供されています。 国立がん研究センター がん情報サービス「予防・検診」

  • 家族歴から、将来のがん罹患に対する不安が大きい
  • 経済的な備えをすることで、安心して定期的な検診を受けたい

がん保険の優先度が低いかもしれない方の特徴

一方で、以下のような特徴に当てはまる方は、がん保険の優先度が比較的低い、あるいは他の備えで十分な可能性があります。

十分な貯蓄があり医療費を自己資金で賄える方

がん治療にかかる費用は高額になる可能性がありますが、数百万から一千万円単位の十分な金融資産があり、万が一の際にそれを取り崩して医療費や当座の生活費に充てられるという方は、がん保険の優先度は低いかもしれません。

高額療養費制度を活用すれば、一般的な所得の方であれば月々の医療費の自己負担額には上限があります(ただし、差額ベッド代や先進医療などは対象外)。

ただし、治療が長期化した場合や、再発・転移を繰り返した場合、あるいは先進医療などの高額な治療を選択した場合には、当初の想定以上の費用が必要になる可能性も考慮しておく必要があります。

また、ご自身の資産を治療費で大きく減らしてしまうことに対する精神的な抵抗感なども考慮に入れると良いでしょう。

  • 不測の事態に対応できる流動性の高い資産を十分に保有している方
  • 資産運用などで、医療費の増加分をカバーできる見込みがある方

他の保険でがん保障が手厚い方

すでに加入している医療保険にがん特約が付帯しており、その保障内容が充実している場合や、三大疾病保障(がん、急性心筋梗塞、脳卒中)に手厚い生命保険に加入している場合は、新たながん保険の必要性は低いかもしれません。

例えば、がん診断一時金が数百万円単位で支払われる、がんによる入院・通院が無制限で保障される、先進医療特約が付いているなど、単独のがん保険と同等以上の保障が確保できているかを確認しましょう。

保障が重複すると保険料が無駄になる可能性もあるため、既存の保険内容をしっかりと把握することが重要です。

不明な点があれば、保険証券を確認したり、加入している保険会社の担当者やFPに相談してみましょう。

  • 医療保険のがん特約で、十分な診断一時金や入院・通院給付金が確保できている方
  • 三大疾病保険などで、がんに対する手厚い保障がすでに準備されている方

ライフステージ別 がん保険の考え方と見直しの理由

がん保険の必要性や適切な保障内容は、ライフステージによって変化します。

ご自身の現在の状況と照らし合わせ、将来のライフプランも考慮しながら、定期的な見直しを行うことが大切です。

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ライフステージ主なライフイベント・状況がん保険の考え方・見直しの理由
20代(独身・社会人)就職、一人暮らし開始比較的保険料が安く加入しやすい時期です。貯蓄がまだ少ない場合が多く、万が一の大きな病気に備える意識は高めておきたいところ。
親からの経済的自立を目指す上で、医療費負担への備えとして検討する価値はあります。
ただし、保障内容をシンプルにし、保険料負担を抑えることも重要です。
理由:若年でもがんリスクはゼロではなく、経済的基盤が不安定な時期の大きな出費は避けたいため。
30代(結婚・夫婦のみ)結婚、住宅購入検討共働きの場合でも、一方ががん治療で働けなくなると家計への影響が出始めます。夫婦それぞれの保障を考える時期です。
住宅ローンを組む場合は、団体信用生命保険でがん保障が付帯しているか確認し、不足分をがん保険で補うという考え方もあります。
理由:世帯収入の減少リスクや、将来の家族計画(出産など)も視野に入れた備えが必要になるため。
30代~40代(子どもがいる)出産、子どもの進学最も責任が重くなる時期の一つです。ご自身に万が一のことがあった場合、子どもの教育費や養育費、残された家族の生活費など、経済的な負担が大きくなります。
収入保障の観点からも、がん保険の必要性は非常に高いと言えます。保障額や保障期間を、家族構成や子どもの年齢に合わせて見直しましょう。
理由:家計を支える責任が大きく、子どもの将来を守るための経済的準備が不可欠なため。
50代以降(子どもが独立前~独立後)子どもの独立、定年退職準備がんの罹患率が上昇し始める年代です。子どもの独立で教育費の負担が減る一方、老後資金の準備と医療費のバランスを考える必要があります。
退職後の収入減少も見据え、公的年金だけでは賄えない治療費や生活費への備えとして、がん保険の役割は依然として重要です。
保障期間が終身であるか、更新時の保険料がどうなるかなどを確認しましょう。
理由:がん罹患リスクが高まり、退職後の収入減に備える必要があるため。健康状態によっては新規加入や見直しが難しくなることも考慮。
60代以降(退職後)定年退職、セカンドライフがん罹患リスクがさらに高まります。年金生活の中で高額な医療費に対応できるかがポイントです。
すでに加入しているがん保険があれば、保障内容が現在の医療事情に合っているか、給付条件などを再確認しましょう。
新規加入は保険料が高額になったり、加入が難しかったりする場合もありますが、貯蓄とのバランスを見ながら、必要な保障を検討します。
理由:医療費の自己負担が増える可能性と、限られた収入(年金など)での生活を考慮した備えが求められるため。

このように、がん保険の必要性は個々人の状況や考え方によって大きく異なります。

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後悔しないがん保険選び

がん保険の必要性を感じたとしても、数多くの商品の中から自分に最適なものを選ぶのは簡単ではありません。

ここでは、ファイナンシャルプランナー(FP)の視点から、後悔しないがん保険選びのための具体的なアドバイスをお伝えします。

自分にとって本当に必要な保障を見極め、納得のいく保険選びをしましょう。

保障内容を徹底比較 自分に必要な保障を見極める

がん保険を選ぶ上で最も重要なのは、自分自身や家族の状況、そして将来のリスクを考慮して、本当に必要な保障内容を見極めることです。

各社のがん保険は、主契約となる基本保障に加えて、様々な特約(オプション)を付加することで保障内容をカスタマイズできます。

どのような保障があるのか、そしてそれが自分にとって必要かを見極めることが大切です。

診断一時金:治療初期の大きな支え

がん診断一時金は、がんと診断された際にまとまった金額(例:100万円、200万円など)を一時金として受け取れる保障です。

この一時金は、治療費だけでなく、当面の生活費、代替医療の費用、あるいは収入減少への補填など、使い道を自由に決められるため、治療初期の大きな支えとなります。

特に、高額療養費制度を利用しても、窓口での一時的な自己負担や、制度対象外の費用が発生することを考えると、診断一時金の重要性は非常に高いと言えます。

入院給付金・通院給付金:長期化する治療への備え

がん治療は入院だけでなく、通院治療が中心となるケースも増えています。

入院日数や通院日数に応じて給付金が支払われるため、治療が長引いた場合の経済的負担を軽減できます。

入院給付金は日額(例:1日1万円)、通院給付金も同様に日額で設定されるのが一般的です。

支払限度日数や、どのような通院が対象となるか(放射線治療、抗がん剤治療など)といった条件をしっかり確認しましょう。

手術給付金:手術費用の補填

がんの種類や進行度によっては手術が必要になります。

手術給付金は、がん治療を目的とした所定の手術を受けた際に、手術の種類や内容に応じて給付金が支払われる保障です。

給付額は、入院給付金日額の10倍、20倍、40倍といった形で設定されることが多く、手術の規模によって変動します。

放射線治療給付金・抗がん剤治療給付金:三大治療への対応

がんの三大治療と呼ばれる手術、放射線治療、抗がん剤治療(ホルモン療法含む)に対応する給付金も重要です。

これらの治療は、長期間にわたることがあり、それに伴う経済的負担も大きくなる可能性があるため、給付金でカバーできると安心です。

給付条件(月に1回を限度とするなど)や給付額を確認しましょう。

先進医療特約:高額な先進医療への備え

先進医療とは、公的医療保険制度の対象にならない高度な医療技術を用いた治療法で、その費用は全額自己負担となります。

先進医療特約を付加することで、高額になりがちな先進医療(例:陽子線治療、重粒子線治療など)を受ける際の経済的負担を大幅に軽減できます。

保障される技術や上限金額、通算支払限度額などを確認することが重要です。

先進医療の技術や費用については、厚生労働省の先進医療の概要についてのページで最新情報を確認できます。

その他特約:女性特有のがん、緩和ケア、がんゲノム医療など

上記以外にも、乳がんや子宮がんといった女性特有のがんに対する保障を手厚くする女性特有がん特約、がんによる痛みや苦痛を和らげる緩和ケアを受けた場合に給付金が支払われる緩和療養特約、がんゲノム医療(遺伝子パネル検査など)に関連する費用を保障する特約など、個々のニーズや心配事に合わせて特約を選択することで、よりパーソナルな備えが可能になります。

ただし、特約を多く付加すればするほど保険料は高くなるため、本当に必要か慎重に検討しましょう。

診断一時金の重要性 なぜ手厚く備えるべきかの理由

前述の通り、診断一時金はがん保険の中でも特に重要な保障の一つです。

なぜなら、がんと診断された直後は、精密検査費用、治療方針決定までの諸費用、場合によっては仕事の調整や休職・離職に伴う当面の収入減など、予期せぬ多額の費用が必要となるケースが少なくないからです。

この初期段階でまとまった一時金があることは、経済的な安心感だけでなく、治療に専念するための精神的な支えにもなります。

使い道の自由度が高い

診断一時金の最大のメリットは、入院給付金や手術給付金と異なり、その使い道が治療費に限定されない点です。

例えば、治療費の自己負担分はもちろん、通院のための交通費、ウィッグの購入費用、健康食品やサプリメントの費用、あるいは家族の生活費の補填など、患者さんやご家族が必要と判断する様々な用途に充当できます。

精神的な余裕を生む

経済的な不安は、治療への専念を妨げる大きな要因となり得ます。

「お金の心配をせずに、最善の治療法を選択したい」という思いを支えるのが診断一時金です。

診断時にまとまった資金が手元にあることで、当面の経済的な心配を軽減し、精神的な余裕を持って治療に臨むことができます。

複数回支払われるタイプも検討

がんの再発や転移に備え、診断一時金が1回だけでなく、2回目以降も支払われるタイプのがん保険も検討する価値があります

ただし、2回目以降の支払いには、「前回の診断確定日から2年以上経過していること」「異なる部位のがんであること」などの条件が付されている場合が一般的です。

これらの条件をしっかりと確認し、自分のリスク許容度と照らし合わせて選択しましょう。

保険料と保障のバランス 家計を圧迫しない選択

いくら手厚い保障内容のがん保険であっても、毎月の保険料の支払いが家計を圧迫してしまい、継続できなくなっては意味がありません

必要な保障を確保しつつ、無理なく長期的に継続できる保険料のバランスを見極めることが肝心です。

そのためには、現在の家計状況や将来のライフプランを考慮し、慎重に検討する必要があります。

ライフプランと照らし合わせる

現在の収入や支出、貯蓄額、家族構成、そして将来のライフプラン(住宅ローンの返済、子供の教育資金、老後資金の準備など)を総合的に考慮し、がん保険に毎月いくらまでなら無理なく支払えるのか、その保険料でどの程度の保障が得られるのかを具体的にシミュレーションしましょう。

保障内容が充実していても、保険料が高すぎて他の重要な支出を削らなければならないようでは本末転倒です。

保険料払込期間の選択

がん保険の保険料の払込期間には、主に「有期払い」と「終身払い」の2つのタイプがあります。

それぞれの特徴を理解し、自身のライフプランや退職後の収入なども考慮して、最適な払込期間を選択しましょう。

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払込方法メリットデメリット
有期払い
(例:60歳払済、10年払済など)
一定の年齢や期間で保険料の支払いが完了するため、現役で収入があるうちに支払いを終えることができ、老後の保険料負担がなくなる。月々の保険料は終身払いに比べて高くなる傾向がある。払込期間中に解約した場合の解約返戻金は少ないか、ない場合が多い。
終身払い月々の保険料が有期払いに比べて安く抑えられるため、家計への負担を軽減しやすい。保障が続く限り保険料を支払い続ける必要があるため、長生きすると総払込保険料が有期払いよりも高くなる場合がある。

免責期間や支払削減期間の確認

がん保険には、契約してから保障が開始されるまでの「免責期間」(通常、契約日からその日を含めて90日間)が設定されているのが一般的です。

この期間中にがんと診断されても給付金は支払われません。

また、商品によっては、契約から1年以内など一定期間内にがんと診断された場合に給付金が半額になるなどの「支払削減期間」が設けられていることもあります。

これらの期間や条件は契約前に必ず確認しましょう。

複数のがん保険商品を比較検討する

がん保険は、生命保険会社や損害保険会社から多種多様な商品が販売されています。

一つの商品や一つの保険会社だけで安易に決定せず、複数の商品を比較検討することが、自分にとって本当に最適な保険を見つけるための重要なステップです。

インターネットや保険比較サイト、保険代理店などを活用して、幅広く情報を集めましょう。

保障内容の違いを比較

各社のがん保険では、診断一時金の金額設定(初回のみか複数回か、上皮内新生物の場合の給付割合など)、入院・通院給付金の日額や支払限度日数、手術給付金の倍率、先進医療特約の保障範囲や上限額、その他特約の種類など、保障内容に細かな違いがあります。これらの違いを一覧表にするなどして比較し、自分のニーズや優先順位に最も合致するものを選びましょう

保険料の違いを比較

同じような保障内容に見えても、保険会社や商品、契約者の年齢や性別、健康状態、選択する特約によって保険料は大きく異なります。

複数の保険会社から見積もりを取り寄せ、保障内容と保険料のバランスを慎重に比較検討しましょう。

単に保険料が安いという理由だけで選ぶのではなく、その保険料でどのような保障が得られるのかをしっかり確認することが重要です。

また、更新型の保険の場合は、更新時の保険料が大幅に上がる可能性も考慮に入れる必要があります。

付帯サービスや顧客対応もチェック

保険金や給付金の請求手続きの分かりやすさや迅速さ、健康相談サービス(24時間対応の電話相談など)、セカンドオピニオンサービスの手配、がん専門医の紹介サービスなど、保険商品に付帯するサービスや、保険会社の顧客対応の質も比較検討のポイントです。

いざという時にスムーズにサポートを受けられるか、信頼できる会社かどうかも見極めましょう。口コミや評判も参考にしつつ、総合的に判断することが大切です。

保険のプロに相談する

自分一人で多数の保険商品を比較検討し、最適なものを選ぶのは時間も手間もかかり、難しいと感じる方も少なくありません。

そのような場合は、独立系のファイナンシャルプランナー(FP)や、複数の保険会社の商品を取り扱う保険代理店の担当者など、保険の専門家に相談するのも有効な手段です。

専門家は、あなたの状況や希望をヒアリングした上で、客観的な視点から適切なアドバイスや商品の提案をしてくれます。

相談する際には、特定の保険会社に偏らない中立的な立場の人を選ぶとより安心です。

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まとめ

「がん保険はいらない」という意見には、公的医療保険の高額療養費制度や貯蓄で十分という理由があります。

しかし、FPの視点では、先進医療の費用や治療中の収入減少など、公的保険だけではカバーしきれない現実的な理由から、がん保険の必要性を指摘します。

がん保険は経済的負担を軽減し、治療の選択肢を広げ、精神的な安心を得るためにも重要です。

ご自身のライフプランや貯蓄状況を踏まえ、最適な備えを検討することが賢明と言えるでしょう。

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