「お腹の赤ちゃんの健康が気になるけど、スクリーニング検査は受けるべき?」そんな不安や疑問を抱える妊婦さんとご家族へ。
検査を受けるかどうかの判断基準や、後悔しないためにパートナーと話し合うべきポイントも具体的に紹介。
この記事を読めば、ご自身とご家族にとって最適な選択をするための知識が身につき、漠然とした不安が解消され、納得して次の一歩を踏み出せるようになります。

妊婦のスクリーニング検査とは 最初に知っておきたい基本
妊婦のスクリーニング検査とは、お腹の赤ちゃんが特定の染色体疾患などを持っている「可能性」を調べるための検査です。
この検査だけで病気の有無を断定することはできませんが、より詳しい検査(確定診断)に進むべきかを判断するための大切な情報の一つとなります。
出生前診断との違い
「スクリーニング検査」は、「出生前診断」という大きな枠組みの中に含まれる検査の一つです。
出生前診断は、目的やリスクの違いから「スクリーニング検査(非確定的検査)」と「確定診断(確定的検査)」の2種類に大きく分けられます。
両者の違いを正しく理解しておくことが重要です。
| 項目 | スクリーニング検査(非確定的検査) | 確定診断(確定的検査) |
|---|---|---|
| 目的 | 疾患の「可能性」をふるい分ける | 疾患の有無を「確定」させる |
| 主な検査方法 | 母体からの採血、超音波検査 | 羊水検査、絨毛検査 |
| 胎児へのリスク | ほとんどない | 流産・死産のリスクがわずかにある |
| 結果の解釈 | あくまで確率を示すもので、診断は確定しない | ほぼ100%診断が確定する |
スクリーニング検査で可能性が高いと判断された場合に、診断を確定させるために確定診断を受けるかどうかを検討するのが一般的な流れです。
スクリーニング検査でわかること わからないこと
スクリーニング検査は、赤ちゃんのすべての病気や異常がわかる万能な検査ではありません。
わかること:特定の染色体疾患の可能性
多くのスクリーニング検査では、主に以下の3つの染色体疾患の可能性を調べます。
- ダウン症候群(21トリソミー)
- エドワーズ症候群(18トリソミー)
- パタウ症候群(13トリソミー)
これらの疾患は、染色体の数が通常と異なることで起こります。
検査によって、赤ちゃんがこれらの疾患を持つ確率が数値として示されます。
わからないこと:疾患の確定や全ての異常
反対に、「陰性(可能性が低い)」であっても、疾患の可能性が完全にゼロになるわけではありません(偽陰性)。
また、検査対象となっていない染色体疾患や遺伝子の病気、心臓の疾患などの体の形の異常(形態異常)のすべてを発見できるわけではないことも理解しておく必要があります。
検査を受けるかどうか、またどの検査を選ぶかについてご不安な点があれば、専門家による遺伝カウンセリングで相談することもできます。
ご自身の状況や気持ちを整理するために、一度話を聞いてみるのも良いでしょう。
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妊婦さんが受けられるスクリーニング検査の種類と特徴
お腹の赤ちゃんの健康状態について知ることができるスクリーニング検査には、いくつかの種類があります。
それぞれ検査を受けられる時期や、わかること、費用などが異なります。
ここでは、代表的な非確定的検査のそれぞれの特徴について解説します。
NIPT(新型出生前診断)
NIPT(非侵襲的出生前遺伝学的検査)は、お母さんから採血した血液に含まれる胎児由来のDNA断片を分析する検査です。
採血のみで検査が完了するため、流産などのリスクがない点も大きなメリットと言えます。
コンバインド検査
コンバインド検査は、妊娠11週から13週頃に行われる検査です。
この検査は、詳細な超音波検査(胎児の首の後ろのむくみ(NT)の計測など)と、お母さんの血液検査(特定のたんぱく質の値などを測定)の2つを組み合わせて行われます。
母体血清マーカー検査(クアトロテストなど)
母体血清マーカー検査は、妊娠15週以降に受けられる血液検査です。
NIPTやコンバインド検査と比較すると費用が安価な傾向にありますが、結果はあくまで確率で示されます。
遺伝子検査
ここでの遺伝子検査は、主に特定の遺伝性疾患のリスクを調べるための検査を指します。
NIPTが染色体の「数」の異常を調べるのに対し、こちらは遺伝子そのものの変異を対象とすることがあります。
より詳しい内容については、専門の遺伝カウンセリングで相談することをおすすめします。
【比較表】各検査の費用 時期 精度の違い
これまで紹介した各スクリーニング検査の特徴を一覧表にまとめました。
どの検査を受けるか検討する際の参考にしてください。
ただし、費用や検査内容は医療機関によって異なるため、必ず事前に確認しましょう。
| 検査の種類 | 検査時期の目安 | 検査方法 | わかること(主な対象疾患) | 費用(目安) | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| NIPT | 妊娠10週~ | 採血 | 21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーなど | 約9万~20万円 | 採血のみで精度が非常に高い。 |
| コンバインド検査 | 妊娠11週~13週 | 超音波検査 + 採血 | 21トリソミー、18トリソミーなど | 約3万~5万円 | 超音波で胎児の形態もあわせて確認できる。 |
| 母体血清マーカー検査 | 妊娠15週~17週 | 採血 | 21トリソミー、18トリソミー、開放性神経管奇形など | 約2万~3万円 | 比較的安価に受けられる。 |
これらの検査は、赤ちゃんの状態を確定させる「確定的検査」ではありません。
どの検査が自分たちにとって最適か、もし判断に迷われる場合は、専門家による遺伝カウンセリングで相談することも一つの方法です。
ご自身の状況や考えに合わせて、より詳しい情報を知りたい方、専門家の意見を聞いてみたい方は、お気軽に無料面談をご予約ください。
スクリーニング検査を受けるかどうかの判断基準
妊婦のスクリーニング検査を受けるかどうかは、ご夫婦にとって非常にデリケートで重要な決断です。
検査にはメリットとデメリットがあり、ご自身の価値観や状況によって「正解」は異なります。
この章では、後悔のない選択をするために、どのような視点で考え、話し合えばよいのか、具体的な判断基準を解説します。
検査を受けるメリットとデメリットを整理する
まず、検査を受けることで得られることと、それに伴う負担やリスクを客観的に整理してみましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メリット | お腹の赤ちゃんの健康状態について一部知ることで、出産までの心の準備ができる。 もし疾患の可能性がわかった場合、出生後すぐに専門的な治療が受けられるよう、NICU(新生児集中治療室)のある病院を選ぶなど、分娩に向けた準備ができる。 検査結果が陰性であった場合に、妊娠期間中の不安を軽減できる。 |
| デメリット | 検査結果によっては、精神的な負担が大きくなったり、生命の選択という倫理的な問題に直面し、難しい決断を迫られたりすることがある。 スクリーニング検査はあくまで「可能性」を示す非確定的検査のため、陽性の場合には羊水検査などの確定的検査が必要になることがある。 確定的検査には、わずかながら流産のリスクが伴う。 検査でわかる疾患は一部であり、すべての先天性疾患が明らかになるわけではない。 検査費用は基本的に自費診療となり、経済的な負担がかかる。 |
年齢や家族歴など考慮すべきポイント
検査を受けるかどうかを判断する際には、ご自身の状況も重要な要素となります。
年齢
一般的に、母体年齢が高くなるにつれて、胎児の染色体異数性(ダウン症候群など)のリスクが高まることが知られています。
そのため、35歳以上での妊娠は、検査を検討する一つのきっかけとなる場合があります。
しかし、若い年齢でもリスクがゼロになるわけではなく、年齢だけで判断するものではありません。
家族歴・これまでの妊娠歴
ご自身やパートナー、または近親者に遺伝性疾患を持つ方がいる場合や、過去の妊娠で赤ちゃんに染色体疾患があった既往歴がある場合も、検査を考えるきっかけの一つになります。
不安な点があれば、かかりつけの医師に相談してみましょう。
これまでの検査結果
妊婦健診の超音波検査(エコー検査)で、医師から胎児のむくみ(NT)など気になる所見を指摘された場合、より詳しい検査を検討する方もいます。
パートナーとどう話し合うか
スクリーニング検査について考えるとき、最も大切なのはパートナーとの対話です。
妊娠・出産・育児は夫婦二人の問題であり、検査を受けるかどうかも、結果をどう受け止めるかも、共に考えていく必要があります。
感情的にならず、お互いの気持ちを尊重しながら話し合うためのポイントを以下に示します。
- なぜ検査について考えるのか、お互いの気持ちを伝える
「不安だから」「準備したいから」など、検査を検討する背景にある正直な気持ちを共有しましょう。 - 検査結果によってどうしたいかを話し合う
もし陽性の結果が出た場合、どのような選択肢が考えられるか、事前に話し合っておくことは非常に重要です。意見がすぐに一致しないかもしれませんが、お互いの価値観を理解し合う機会になります。 - 情報収集を一緒に行う
インターネットの情報だけでなく、医療機関が提供する情報や、遺伝カウンセリングなどを活用し、正確な情報に基づいて二人で判断することが大切です。
もし、お二人だけでの話し合いが難しい、あるいは専門的な知識をもとに判断したいと感じた場合は、遺伝カウンセリングを利用することも有効な選択肢です。
FPや認定遺伝カウンセラーが、中立的な立場で情報提供を行い、ご夫婦の意思決定をサポートしてくれます。
ご興味があれば、まずはお近くの相談窓口を探してみてはいかがでしょうか。
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妊婦のスクリーニング検査に関するよくある質問
ここでは、妊婦のスクリーニング検査に関して多く寄せられる質問とその回答をまとめました。
検査を検討する際の参考にしてください。
検査結果の精度はどのくらいですか
スクリーニング検査は、お腹の赤ちゃんが特定の染色体疾患を持つ「可能性」を評価するもので、診断を確定するものではありません。
検査の精度は、主に「感度」と「特異度」という指標で示されます。
- 感度
疾患がある場合に、検査結果が正しく「陽性」と出る確率。 - 特異度
疾患がない場合に、検査結果が正しく「陰性」と出る確率。
また、実際に陽性という結果が出た場合に、本当に疾患がある確率を示す「陽性的中率」は、妊婦さんの年齢などによって変動します。
NIPT(新型出生前診断)の精度
NIPTは他のスクリーニング検査と比較して精度が非常に高いとされています。
しかし、陽性的中率は100%ではないため、陽性の結果が出た場合は診断を確定するために羊水検査などの確定的検査が必要です。
コンバインド検査や母体血清マーカー検査の精度
これらの検査は、NIPTに比べると精度は下がります。
結果は「1/○○」という確率で示され、その数値をもとに確定的検査に進むかどうかを判断します。
認可施設と非認可施設の違いは何ですか
どちらの施設で検査を受けるかによって、受けられるサポートや検査内容に違いがあります。
主な違いは以下の通りです。
| 項目 | 認可施設(認証施設) | 非認可施設 |
|---|---|---|
| 遺伝カウンセリング | 検査前後に専門家によるカウンセリングが必須 | 施設によって体制が異なり、簡略化されている場合がある |
| 対象者 | 年齢などの条件がある場合が多い | 年齢制限がなく、希望すれば誰でも受けられることが多い |
| 検査項目 | 主に3つの染色体異数性(21, 18, 13トリソミー)が対象 | 性染色体や微小欠失など、より多くの項目を調べられる場合がある |
| 陽性時の対応 | 連携する基幹施設で羊水検査や専門的なフォローを受けられる体制が整っている | 施設によって異なり、自身で次の医療機関を探す必要がある場合も。羊水検査の費用補助がある施設もある |
どちらの施設を選ぶべきか一概には言えませんが、検査前後の手厚いサポートや専門家との相談を重視する場合は認可施設、年齢制限なく検査を受けたい、多様な項目を調べたいといった希望がある場合は非認可施設が選択肢になります。
それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、ご自身の考えに合った施設を選ぶことが大切です。
費用は保険適用になりますか
妊婦のスクリーニング検査は、病気の治療を目的とするものではないため、原則として健康保険の適用外となり、全額が自己負担となります。
費用は検査の種類や医療機関によって大きく異なります。
医療費控除の対象になるか
NIPTをはじめとする出生前診断の費用は、原則として医療費控除の対象外です。
ただし、検査の結果、陽性となり、その後の治療(羊水検査や人工妊娠中絶など)に進んだ場合には、一連の診療行為として医療費控除の対象となる可能性があります。
詳しくは、お住まいの地域の税務署にご確認ください。
検査について不安な点や、ご自身の状況に合わせた詳しい情報が必要な場合は、かかりつけの産婦人科医や遺伝カウンセリングの専門家に相談することをお勧めします。
個別の状況に応じたアドバイスを得ることで、より納得のいく判断ができるでしょう。
もし判断に迷ったら 専門家への相談も考えてみましょう
スクリーニング検査を受けるかどうかは、ご夫婦にとって非常にデリケートで重要な決断です。
インターネットの情報だけでは不安が解消されなかったり、パートナーとの意見がまとまらなかったりすることもあるでしょう。
そのような時は、一人で抱え込まずに専門家の力を借りることをお勧めします。
誰に相談できる?主な相談先
出生前診断に関する相談は、遺伝の専門家や身近な医療・行政機関で受け付けています。
それぞれの特徴を理解し、ご自身の状況に合った相談先を選びましょう。
| 相談先 | 特徴 |
|---|---|
| かかりつけの産婦人科医 | まずは妊婦健診でお世話になっている医師や助産師に相談してみましょう。 日頃から体の状態を把握しているため、基本的な疑問や不安について気軽に質問できます。 必要に応じて、より専門的な医療機関を紹介してもらうことも可能です。 |
| 臨床遺伝専門医・認定遺伝カウンセラー® | 遺伝医療の専門家です。 遺伝カウンセリングを通じて、各種検査の正確な情報提供、結果の医学的な解釈、そしてご夫婦の心理的・社会的な悩みに対するサポートを行います。 中立的な立場で、ご夫婦が納得して意思決定できるよう支援してくれます。 |
| 自治体の保健師(母子保健窓口) | お住まいの市区町村の母子保健窓口でも、出生前検査に関する基本的な相談が可能です。 地域の医療機関やサポート体制に関する情報提供を受けられるほか、保健師が親身に話を聞いてくれます。 一部の自治体では、専門の相談窓口を設けている場合もあります。 |
遺伝カウンセリングとは?
遺伝カウンセリングは、遺伝に関する病気や検査について、専門家と対話する場です。
検査を受ける・受けないといった結論を出すことを強制する場ではなく、ご夫婦が主体的に考え、納得のいく決断をするためのプロセスそのものを重視しています。
オンラインでのカウンセリングに対応している医療機関もあります。
相談前に準備しておくと良いこと
相談時間を有効に活用するために、事前にいくつか準備しておくとスムーズです。
- 夫婦それぞれが何に不安を感じているか、何を一番知りたいかを書き出しておく
- 検査について疑問に思っていることのリストアップ
- ご自身やご家族の病歴(遺伝性疾患など)の整理
- 検査を受ける場合、受けない場合、それぞれどのような気持ちになるか考えてみる
事前にパートナーとよく話し合い、お互いの考えを共有しておくことが何よりも大切です。
相談窓口を探すには
遺伝カウンセリングは、大学病院などの基幹病院や専門クリニックで受けることができます。
以下のウェブサイトでは、遺伝医療の専門家がいる施設を検索できます。
また、かかりつけの産婦人科医に相談し、適切な施設を紹介してもらう方法もあります。
当サイトでも、出生前診断に関するご相談や遺伝カウンセリングの予約を承っております。
ご不安な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
まとめ
本記事では、妊婦さんが受けられるスクリーニング検査の種類や特徴、後悔しないための判断基準を解説しました。
NIPTや母体血清マーカー検査など様々な種類がありますが、検査を受けるかどうかに唯一の正解はありません。
大切なのは、各検査でわかること・わからないことを正しく理解し、パートナーと十分に話し合うことです。
ご夫婦が納得できる結論を出すことが、後悔しない選択につながります。
判断に迷う場合は、遺伝カウンセリングなど専門家への相談も検討しましょう。




