こんにちは。日本対がんファイナンシャル・プランナーズ協会(JCFP)の広報担当兼、Cancer FP®(がんファイナンシャル・プランナー)です。
「がんの治療費」と聞くと、多くの人は手術代や薬代を思い浮かべるかもしれません。でも、実は意外と家計にひびくのが、脱毛した時の「ウィッグ」や、手術の跡をカバーする「補整具」などの費用です。
これらは病院の窓口で払う「医療費」ではないため、健康保険が効かず、全額自己負担になるのが一般的。そんな「自分らしく過ごすためのお金」をサポートしてくれる心強い味方が増えています。「お金の知識」を味方につけて、少しでも不安を安心に変えていきましょう。
1. ニュースを解説:そもそも「アピアランスケア」って何?
最近、ニュースでもよく耳にするようになった「アピアランスケア」。これは、治療による外見の変化(脱毛や肌の変化、手術の跡など)を整えて、その人らしく社会生活を送れるようにするケアのことです。
今月、いくつかの自治体でこの費用を助成(プレゼント)する制度がパワーアップしました。
何が変わったの? これまで「ウィッグ(かつら)」だけが対象だった自治体で、「エピテーゼ(人工乳房など)」や、抗がん剤の脱毛を抑えるための「頭皮冷却用キャップ」など、対象となるアイテムがグンと広がりました。
どこで起きたの? 例えば、東京都目黒区(2026年4月〜)や千葉県白井市(2026年3月〜)などです。特に白井市では、18歳以下のお子さんの場合、これまで一度きりだった助成が「毎年」受けられるようになるなど、より手厚くなっています。
2. Cancer FPの深掘り:お金のプロが教える「損をしない」ポイント
がん専門のFPとして、このニュースがどれだけ家計に大きな影響を与えるか、3つのポイントで解説します。
① 「高額療養費」の対象外という落とし穴
医療費には、1ヶ月の支払いに上限を設ける「高額療養費制度」がありますが、ウィッグや補整具はこの制度の対象外です。つまり、どれだけ高価なものを買っても、医療費控除以外の公的サポートがほとんどありませんでした。 今回の自治体による助成(例:目黒区なら上限10万円)は、家計から直接出ていく「実費」を穴埋めしてくれる、非常に価値の高いものです。
② 「領収書」の取り扱いに注意!
相談現場でよくあるのが、「制度を知らずに領収書を捨ててしまった」というケースです。
1年以内のルール:多くの自治体では、「購入した翌日から1年以内」に申請する必要があります。
内訳が大事:領収書には「ウィッグ代」など、何を買ったか具体的に書かれている必要があります。購入前に、自治体のサイトで必要な項目をチェックしておきましょう。
③ 「住んでいる場所」でルールが違う
残念ながら、この助成制度は日本全国どこでも同じではありません。「隣の市なら10万円もらえるのに、自分の市には制度すらない」という、いわゆる「自治体格差」があるのが現状です。 まずは自分のお住まいの自治体に制度があるか、最新の予算状況(4月から新年度で内容が変わることが多いです)を確認することが大切です。
3. 詳細はこちらから(参照URL)
以下のページは、目黒区が公開している最新の助成案内です。
【活用のアドバイス】 このページをスマホに保存しておき、ウィッグ店や補整具の相談窓口でスタッフに見せてください。「この助成金を使いたいので、申請に必要な内容で領収書を切ってください」と伝えることで、二度手間を防ぐことができます。
結びに
「ウィッグにお金をかけるなんて贅沢かな……」と、治療費を優先して自分のケアを後回しにしてしまう方は少なくありません。でも、鏡を見て「いつもの自分」でいられることは、治療を続ける大きな力になります。
私たち日本対がんファイナンシャル・プランナーズ協会(JCFP)は、あなたが自分らしくあるためのお金も大切に考えています。制度の使い方がわからない、家計が苦しくて購入を迷っている……そんな時は、いつでも私たちにご相談ください。



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