知らないと損!タグリッソの治療費を安くする高額療養費制度の賢い使い方

タグリッソ 治療費

肺がんの治療で「タグリッソ」を勧められたものの、高額な治療費に大きな不安を感じていませんか?

実は、多くの方が利用できる公的な制度を正しく知って使うだけで、その経済的な負担は劇的に軽くなります。

この記事を読めば、タグリッソの具体的な自己負担額から、支払いを月々数万円程度に抑えられる「高額療養費制度」の賢い使い方、さらに負担を減らすための応用テクニックまで、網羅的に理解できます。

知らないまま治療を始めて損をしてしまう前に、まずはご自身のケースで自己負担がいくらになるのか、そしてどうすれば負担を最小限にできるのかを一緒に確認していきましょう。

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目次

まず知っておきたいタグリッソの治療費

タグリッソ(一般名:オシメルチニブメシル酸塩)は、EGFR遺伝子変異という特定のタイプのがん細胞の増殖に関わるタンパク質の働きを阻害する分子標的薬です。

EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺がんの治療に用いられ、高い効果が期待されています。

しかし、治療を始めるにあたり、多くの方が気にされるのがその治療費でしょう。

タグリッソは薬価が高額なため、医療保険が適用されても自己負担額が大きくなる可能性があります。

この章では、まずタグリッソの基本的な治療費について解説します。

タグリッソの薬価と保険適用後の自己負担額

タグリッソの薬価は、国によって定められています。

2023年6月1日に改定された薬価は以下の通りです。

規格薬価(1錠あたり)
タグリッソ錠40mg9,670.00円
タグリッソ錠80mg18,540.20円

日本の公的医療保険制度では、これらの薬価に対して年齢や所得に応じた自己負担割合(1割〜3割)を乗じた金額が、患者さんが実際に窓口で支払う金額となります。

例えば、自己負担割合が3割の方の場合、80mgの錠剤1つあたりの自己負担額は約5,562円となります。

1ヶ月そして1年間でかかる治療費の目安

タグリッソは、通常、成人には1日1回80mgを経口投与します。

これを基に、薬剤費が1ヶ月(30日として計算)、そして1年間でどのくらいになるのか、自己負担割合別に試算してみましょう。

期間薬剤費総額(10割)自己負担額の目安(3割)自己負担額の目安(2割)自己負担額の目安(1割)
1ヶ月(30日分)約556,206円約166,862円約111,241円約55,621円
1年間(365日分)約6,767,173円約2,030,152円約1,353,435円約676,717円

このように、タグリッソの薬剤費だけでも年間でかなりの高額になることがわかります。

ただし、この金額はあくまで薬剤費のみの計算であり、実際には診察料や検査料などが別途必要です。

しかし、ご安心ください。

日本の医療制度には、高額な医療費による家計への負担を軽減するための「高額療養費制度」があります。

次の章では、この制度について詳しく解説していきます。

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タグリッソの治療費を劇的に安くする高額療養費制度とは

タグリッソのように高額な薬剤を使用する治療では、医療費の自己負担が大きくなる可能性があります。

しかし、日本には公的医療保険制度の一つとして「高額療養費制度」があり、これを利用することで自己負担額を大幅に抑えることができます。

この制度は、1ヶ月(月の初めから末日まで)の医療費の自己負担額が上限額を超えた場合に、その超えた金額が払い戻される仕組みです。

あらかじめ手続きをすることで、病院の窓口での支払いを自己負担限度額までに抑えることも可能です。

タグリッソでの治療を始める前に、この制度について正しく理解し、賢く活用しましょう。

高額療養費制度の基本的な仕組み

高額療養費制度は、医療機関や薬局の窓口で支払った自己負担額が、年齢や所得に応じて定められた「自己負担限度額」を超えた場合に、超過分が後から支給される制度です。

例えば、医療費が100万円かかり、自己負担額が30万円(3割負担)であったとしても、所得に応じた自己負担限度額が約8万7千円であれば、その差額分が払い戻されます。

ただし、払い戻しには診療月から3ヶ月以上かかる場合があるため、一時的に高額な費用を立て替える必要があります。

この一時的な負担を避けるために、次に紹介する「限度額適用認定証」の利用が推奨されます。

あなたの所得区分でわかる自己負担限度額

自己負担限度額は、年齢(70歳未満か70歳以上か)と、被保険者の所得(標準報酬月額など)によって複数の区分に分けられています。

ここでは、主にタグリッソ治療の対象となることが多い70歳未満の方のケースを紹介します。

ご自身の所得区分がどこに該当するかは、お持ちの健康保険証に記載されている保険者(全国健康保険協会けんぽ、健康保険組合、市区町村など)にご確認ください。

70歳未満の方の自己負担限度額(1ヶ月あたり)

以下は、一般的な所得区分の自己負担限度額の目安です。

詳細な金額や計算方法については、厚生労働省のウェブサイトやご加入の医療保険者にご確認ください。

所得区分対象者(標準報酬月額の目安)自己負担限度額
区分ア83万円以上252,600円 + (総医療費 – 842,000円) × 1%
区分イ53万円~79万円167,400円 + (総医療費 – 558,000円) × 1%
区分ウ28万円~50万円80,100円 + (総医療費 – 267,000円) × 1%
区分エ26万円以下57,600円
区分オ住民税非課税者35,400円

※この表は2026年1月時点の情報に基づいています。制度が変更される場合があるため、最新の情報をご確認ください。
※総医療費とは、保険適用される医療費の10割の金額です。
※過去12ヶ月以内に3回以上上限額に達した場合は、4回目から「多数回該当」となり、上限額がさらに引き下げられます。

支払いを抑える「限度額適用認定証」の賢い使い方

「限度額適用認定証」は、事前に申請し交付を受けておくことで、医療機関の窓口での支払いを自己負担限度額までに抑えることができる証明書です。

これを保険証と一緒に提示すれば、高額な医療費を一時的に立て替える必要がなくなります。

最近では、マイナンバーカードを健康保険証として利用(マイナ保険証)登録し、医療機関の窓口で情報提供に同意すれば、「限度額適用認定証」がなくても同様の取り扱いが受けられます。

ただし、オンライン資格確認システムが導入されている医療機関に限られるため、事前に病院や薬局にご確認ください。

限度額適用認定証の申請は、ご加入の公的医療保険の窓口(健康保険組合、協会けんぽの各支部、市役所・区役所の国民健康保険担当課など)で行います。

治療開始が決まったら、速やかに申請手続きを進めましょう。

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高額療養費制度をさらに活用する2つのポイント

高額療養費制度には、毎月の自己負担を限度額までに抑えるだけでなく、さらに負担を軽くするための特例が用意されています。

特にタグリッソのように治療が長期間にわたる場合にメリットが大きい「多数回該当」と、家族の医療費もまとめられる「世帯合算」という2つのポイントを知っておきましょう。

長期治療で負担が減る「多数回該当」

多数回該当とは、直近12ヶ月以内に高額療養費の支給が3回以上あった場合に、4回目以降の自己負担限度額がさらに引き下げられる制度です。

タグリッソによる治療など、毎月のように高額な医療費がかかる方にとっては、医療費負担を大きく軽減できる可能性があります。

適用されれば、下表のように自己負担限度額が下がります。

【69歳以下の方の自己負担限度額(多数回該当)】

所得区分年収の目安4回目以降の自己負担限度額
区分ア約1,160万円~140,100円
区分イ約770万~約1,160万円93,000円
区分ウ約370万~約770万円44,400円
区分エ~約370万円44,400円
区分オ(住民税非課税者)24,600円

(出典:厚生労働省 高額療養費制度を利用される皆さまへを参考に作成)

この回数カウントは、加入している健康保険が変わるとリセットされてしまう点に注意が必要です。

例えば、会社の健康保険組合から国民健康保険に切り替わった場合などは、支給回数が通算されません。

家族の医療費と合算できる「世帯合算」

世帯合算は、同じ医療保険に加入している家族(同一世帯)の自己負担額を1ヶ月単位で合算できる仕組みです。

合算した金額が自己負担限度額を超えた場合、その超えた分が高額療養費として払い戻されます。

例えば、ご自身がタグリッソの治療を受け、同じ月にご家族が別の病気で入院や通院をした場合に、それぞれの医療費を合算して高額療養費を申請できます。

ただし、世帯合算には以下のルールがあります。

  • 同じ医療保険に加入している家族であること(健康保険組合、協会けんぽ、国民健康保険など)。
  • 70歳未満の方の場合、合算できるのは医療機関ごと・診療科ごと(入院・通院は別)に支払った21,000円以上の自己負担額のみです。
  • 70歳以上の方の場合は、金額に関わらず全ての自己負担額を合算できます。

お一人の支払額だけでは限度額に届かなくても、家族の分を合わせることで高額療養費の対象になるケースがありますので、家族の医療費の領収書も大切に保管しておきましょう。

高額療養費制度以外で治療費の負担を軽減する方法

タグリッソの治療では、高額療養費制度が大きな支えとなりますが、それ以外にも利用できる制度があります。

組み合わせて活用することで、経済的な負担をさらに軽くすることが可能です。

確定申告で申請する「医療費控除」

医療費控除は、1年間(1月1日から12月31日まで)に支払った医療費が一定額を超えた場合に、所得控除を受けられる制度です。

会社員などで年末調整が済んでいる方でも、ご自身で確定申告を行うことで、納めた税金の一部が還付される可能性があります。

対象となるのは、治療費や薬代だけでなく、通院にかかった公共交通機関の交通費なども含まれます。

申請には領収書が必要になるため、必ず保管しておきましょう。

詳しくは国税庁のウェブサイトをご確認ください。

民間のがん保険は使えるのか

ご自身で加入している民間の生命保険やがん保険も、タグリッソ治療の助けになる可能性があります。

契約内容によりますが、「抗がん剤治療給付金」や「通院給付金」などが支払われる場合があります。

タグリッソのような分子標的薬での治療が給付対象に含まれているか、ご自身の保険証券や約款を確認したり、保険会社の担当者に問い合わせてみましょう。

健康保険組合の「付加給付制度」も確認

会社員の方が加入している健康保険組合によっては、「付加給付」という独自の制度が設けられている場合があります。

これは、高額療養費制度で定められた自己負担限度額よりもさらに低い上限額(例えば25,000円など)を設定し、それを超えた分を払い戻す制度です。

ご自身が加入している健康保険組合にこの制度があるかどうかは、保険証に記載されている組合名を確認し、直接問い合わせるのが最も確実です。

対象となる場合は、高額療養費制度とあわせて利用することで、自己負担を大幅に抑えることができます。

制度概要ポイント
医療費控除1年間の医療費が10万円(または所得の5%)を超えた場合に受けられる所得控除確定申告が必要。交通費も対象になる場合がある。
民間のがん保険保険契約に基づき、治療内容に応じて給付金が支払われる「抗がん剤治療給付金」などが対象になるか契約内容の確認が必要。
付加給付制度健康保険組合が独自に設ける、自己負担をさらに軽減する制度加入している健保組合によって制度の有無や内容が異なるため要確認。
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タグリッソの治療費に困ったときの相談先一覧

タグリッソによる治療は、高額療養費制度などを活用しても、長期にわたると経済的な負担が大きくなることがあります。

治療費や今後の生活について不安を感じたときは、一人で抱え込まずに専門の相談員がいる窓口に相談することが重要です。

ここでは、無料で相談できる主な窓口をご紹介します。

病院の医療ソーシャルワーカー

多くの病院には、「医療相談室」や「患者サポートセンター」といった名称の部署に、医療ソーシャルワーカー(MSW)が在籍しています。

医療ソーシャルワーカーは、病気に伴って生じるさまざまな問題について相談に乗ってくれる社会福祉の専門職です。

タグリッソの治療費に関する経済的な問題はもちろん、療養生活での不安、仕事との両立、家族とのことなど、幅広い内容を相談できます。

高額療養費制度やその他の医療費助成制度の利用方法についても、一緒に考え、手続きのサポートをしてくれます。

まずは、主治医や看護師、または院内の総合受付で相談したい旨を伝えてみましょう。

がん診療連携拠点病院のがん相談支援センター

「がん相談支援センター」は、国が指定する「がん診療連携拠点病院」などに設置されている、がんに関する専門の相談窓口です。

このセンターの大きな特徴は、その病院にかかっていなくても、患者さん本人やご家族、地域の方など、誰でも無料で利用できる点です。

専門の相談員(看護師や医療ソーシャルワーカーなど)が、治療費や生活の不安に関する相談に応じてくれます。

また、病気に関する医学的な情報やセカンドオピニオンについても情報提供を受けることができます。

匿名での電話相談も可能です。

お近くのセンターは、国立がん研究センターのがん情報サービスのウェブサイトから探すことができます。

項目内容
相談できる人患者さん本人、ご家族、友人など、どなたでも利用可能
費用無料
相談方法対面、電話(匿名での相談も可能)
相談内容の例治療費や生活費など経済的なこと
利用できる社会保障制度について
療養生活上の不安
仕事や就労に関すること
セカンドオピニオンについて
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まとめ

タグリッソの治療費は高額ですが、この記事で解説した高額療養費制度を正しく利用すれば、自己負担を大幅に軽減できます。

特に、事前に「限度額適用認定証」を入手しておくことで、窓口での支払いを所得に応じた上限額に抑えられるため、必ず申請しましょう。

さらに、多数回該当や世帯合算、医療費控除などを組み合わせることで、長期的な負担も軽減可能です。

経済的な不安は一人で抱えず、病院のソーシャルワーカーなどの専門の相談窓口を活用し、安心して治療に専念してください。

  • 本コンテンツは情報の提供を目的としており、保険加入その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。
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