国立がん研究センター研究所、中央病院、理化学研究所革新知能統合研究センター、米国国立がん研究所の共同研究の論文が2024年6月11日付「Molecular Cancer」に掲載されました。以下研究の簡単な要約です。
引用:国立がん研究センター「肺腺がんに新たな治療標的となる遺伝子を発見統合的な全ゲノムシークエンスにより、肺腺がんの個別化医療の発展に寄与」
- 肺がんの多くを占める肺腺がんではEGFR、ALKなどの遺伝子の活性化変異に対する分子標的治療の登場により治療成績が向上しましたが、約30%の患者さんでは有効な治療薬の標的となる遺伝子変異が見つかっておらず、新たな治療標的を検出する革新的な解析方法が求められています。
- 分子標的治療の対象となる遺伝子変異が見つからない174例の肺腺がんについて、先駆的な全ゲノムシークエンス技術の統合解析を行いました。特に、今回行われたロボティクス技術を用いた大規模なクロマチン免疫沈降シークエンス解析は世界的にも先例のないものです。
- その結果、肺腺がんには、HER2(ERBB2)など治療標的として有望な遺伝子が存在することやこれまで判明していなかった新たな遺伝子が多く存在することを確認しました。
- 本研究方法は、新たな治療標的を見つけるための基盤となるもので、今後のがん個別化医療の発展をもたらすと期待されます。
今日までに肺がんの7割に対する有効な分子標的治療が見つかっていて治療成績が向上していました。残りの3割の患者さん向けには有効な分子標的治療が見つかっていませんでした。
生物の全DNA配列を解読する技術である全ゲノムシークエンス技術を用いて研究を進めた結果、肺線がんにはHER2(ERBB2)などの治療標的として有望な遺伝子が存在することがわかりました。
これにより、今後の肺線がんの治療成績向上のための基盤づくりが促進されたことが期待されています。本研究ではゲノム解析の新しい解析手法が確立されました。
またロボティクス技術を活用した自動化プロセスにより大規模かつ高精度なデータ取得が可能になり今後の個別化医療の進展がさらに期待されるようになりました。
詳細のプレスリリースは、「国立がん研究センタープレスリリース:肺腺がんに新たな治療標的となる遺伝子を発見統合的な全ゲノムシークエンスにより、肺腺がんの個別化医療の発展に寄与」



