がん保険、入ってない選択肢はアリ?メリット・デメリットと万が一の時に使える公的制度

がん保険 入ってない

「がん保険に入っていないけど、本当に大丈夫?」と不安に思っていませんか。

この記事では、がん治療のリアルな費用から、保険がなくても使える高額療養費制度などの公的制度、未加入の場合に必要な貯蓄額まで具体的に解説します。

結論、公的制度を正しく理解し計画的に備えれば、保険に入らない選択も可能です。

ご自身にとって最適な選択は何か、判断するための知識がすべて手に入ります。

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目次

がん保険に入ってないけど大丈夫?

「がん保険に入っていないけれど、本当に大丈夫だろうか?」「もし、がんになったらどうしよう…」と、漠然とした不安を感じていませんか?

周りの人が加入していると聞くと、ますます焦ってしまうかもしれません。

結論から言うと、がん保険に加入していなくても、日本の充実した公的医療保険制度や十分な貯蓄があれば、必ずしも生活が破綻するわけではありません。

しかし、それはあくまで「万全の備え」があってこそ。

何も準備をしていない状態では、経済的にも精神的にも大きな負担を強いられる可能性があります。

まずはご自身の状況を客観的に把握することが、不安解消への第一歩です。

この章では、がん保険の加入率という世の中の動向と、多くの人が抱える不安の正体について詳しく見ていきましょう。

がん保険の加入率はどのくらい?

そもそも、がん保険にはどのくらいの人が加入しているのでしょうか。

公益財団法人 生命保険文化センターが実施した「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、病気やケガに備える医療保険・医療特約のうち、がん保険やがん特約への加入率は45.6%となっています。

これは、およそ2人に1人が何らかのがんへの備えをしていることを示しています。

さらに、年代別の加入率を見ると、ライフステージによる意識の違いがうかがえます。

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年代加入率
29歳以下27.8%
30代47.5%
40代56.1%
50代52.1%
60代45.4%

出典: 公益財団法人 生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」/ 2021(令和3)年度

このデータから、社会的な責任が増す30代から加入率が大きく上昇し、がんの罹患率が高まり始める40代でピークを迎えることがわかります。

一方で、どの年代においても半数前後の人は加入していない、というのもまた事実です。

ご自身の状況と照らし合わせ、まずは客観的な立ち位置を確認してみましょう。

多くの人が抱える「がん保険に入ってない」ことへの不安

がん保険に入っていない方が抱える不安は、決してあなただけのものではありません。

その不安の正体を突き詰めると、主に「経済的な不安」と「精神的な不安」の2つに分けられます。

【経済的な不安】

  • 高額になりがちながんの治療費を、貯蓄だけでまかなえるだろうかという不安。
  • 治療のために仕事を休んだり、辞めたりした場合の収入減少に対する不安
  • 先進医療など、公的保険が適用されない治療を受ける場合の費用負担への不安。

【精神的な不安】

  • お金の心配をせず、最善の治療を選択できるだろうかという不安。
  • 自分にもしものことがあった時、家族に経済的な負担や迷惑をかけてしまうことへの不安。
  • 周りの人が備えている中で、自分だけ準備ができていないことへの焦りや孤独感。

これらの不安は、がんという病気そのものだけでなく、それに伴う経済的な問題が大きく影響しています。

しかし、こうした不安は、具体的な情報を知ることで軽減できる場合も少なくありません。

次の章では、不安の根源である「もし、がんになったらいくらかかるのか?」という治療費のリアルな実態について、詳しく解説していきます。

もし、ご自身の状況に合わせた具体的な備えについて今すぐ相談したいという方は、専門家による無料相談をご活用いただくのも一つの方法です。

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もし、がんになったら?知っておきたい治療費のリアル

「がん保険に入っていないけれど、もしもの時に治療費は一体いくらかかるのだろう?」多くの方が、漠然とした不安を抱えているのではないでしょうか。

がんの治療費は高額なイメージがありますが、その実態を正しく知ることが、冷静な判断と適切な備えへの第一歩です。

この章では、がん治療にかかる具体的な費用の目安から、公的医療保険が適用されない自己負担費用まで、お金にまつわるリアルな情報を詳しく解説します。

まずは敵を知ることから始めましょう。

がんの治療にかかる費用の目安

がん治療にかかる費用は、がんの種類(部位)、進行度(ステージ)、治療法(手術、放射線治療、薬物療法など)によって大きく異なります。

ここでは、あくまで一般的な目安として、主な部位別のがん治療における入院時の自己負担費用(※)を見てみましょう。

※高額療養費制度を利用した場合の、窓口での支払額の平均です。後述する保険適用外の費用は含まれていません。

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がんの種類自己負担費用(平均額)入院日数(平均)
胃がん21.8万円16.2日
肺がん21.5万円16.1日
肝がん21.1万円12.8日
大腸がん(結腸・直腸)22.5万円13.8日
乳がん20.3万円10.6日

出典:公益財団法人生命保険文化センター「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査

この表を見ると、「意外と高くないかも?」と感じるかもしれません。これは、日本の優れた公的医療保険制度のおかげです。

しかし、注意したいのは、この金額はあくまで「保険適用の治療費」に限った自己負担額であるという点です。

実際には、これ以外にも様々な費用が発生します。

保険適用外で自己負担となる費用一覧

がん治療において家計への負担が重くなる大きな要因が、公的医療保険の適用対象外となる費用です。

これらは全額自己負担となるため、事前にどのような費用があるのかを把握しておくことが非常に重要です。

代表的なものを以下で詳しく見ていきましょう。

先進医療の技術料

先進医療とは、厚生労働大臣が定める高度な医療技術を用いた治療法で、公的医療保険の対象にするかを評価している段階のものを指します。

この先進医療を受ける場合、技術料そのものは全額自己負担となりますが、診察・検査・投薬・入院料といった通常の治療と共通する部分は保険適用となります。

がん治療で用いられる先進医療には、数百万円単位の高額な費用がかかるものも少なくありません。

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先進医療の名称適応症(例)技術料(平均額)
陽子線治療小児がん、前立腺がん、肝細胞がん など約266万円
重粒子線治療骨軟部腫瘍、頭頸部がん、前立腺がん など約318万円

出典:厚生労働省「先進医療の概要について」をもとに作成

すべての患者が先進医療を受けるわけではありませんが、治療の選択肢として検討する可能性はゼロではありません。

こうした高額な費用に備える手段として、がん保険の「先進医療特約」があります。

差額ベッド代や通院交通費

治療そのもの以外にも、入院生活や通院に付随して様々な費用が発生します。

これらは見落とされがちですが、積み重なると大きな負担になり得ます。

  • 差額ベッド代
    患者が希望して個室や2人~4人部屋などの「特別療養環境室」に入院した場合にかかる費用です。

    厚生労働省の調査によると、1日あたりの平均徴収額は6,613円となっており、入院が長引けばその分負担も増大します。
  • 入院中の食事代(一部)
    入院中の食事代は、1食あたり460円(標準負担額)が自己負担となります。

    1日3食で1,380円、30日間の入院であれば約4万円の負担です。
  • 通院のための交通費・宿泊費
    放射線治療や抗がん剤治療などで、長期間の通院が必要になるケースは少なくありません。

    特に、専門的な治療を受けるために遠方の病院に通う場合は、交通費や付き添いの家族の宿泊費なども考慮する必要があります。
  • その他(日用品・雑費など)
    入院生活に必要なパジャマやタオル、洗面用具などの日用品費も自己負担です。

    また、抗がん剤の副作用による脱毛に備えるためのウィッグ(かつら)代や、QOL(生活の質)を維持するためのサプリメント代、書籍代なども必要になる場合があります。

このように、がん治療には保険適用内の費用だけでなく、保険適用外のさまざまな費用が発生することを理解しておく必要があります。

がん保険に入らないと決める場合、これらの費用をすべて貯蓄などの自己資金でまかなう覚悟が求められます。

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がん保険に入ってない場合のメリットとデメリットを徹底比較

がん保険に加入しないという選択は、一概に「良い」「悪い」と判断できるものではありません。

月々の固定費を削減できる大きなメリットがある一方で、万が一の際に経済的な困難に直面するリスクも伴います。

ここでは、その両側面を具体的に掘り下げ、ご自身にとってどちらの選択が合っているかを判断するための材料を提供します。

まずはメリット・デメリットを一覧で確認してみましょう。

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メリットデメリット
経済面月々の保険料負担がなくなり、その分を貯蓄や投資に回せる。高額な治療費や保険適用外費用をすべて自己資金で賄う必要がある。
生活面保険の管理や見直しの手間がかからない。治療による休業・離職で収入が減少し、生活水準の維持が困難になる可能性がある。
精神面「必要ないかもしれないもの」にお金を払うストレスがない。「もしがんになったらどうしよう」という経済的な不安を常に抱えることになる。

このように、がん保険に入らない選択は、現在の家計に余裕をもたらす可能性がある一方で、将来の大きなリスクを自力で乗り越える覚悟が求められます。

以下で、それぞれの項目をさらに詳しく解説します。

メリット 月々の保険料負担がなくなる

がん保険に加入しない最大のメリットは、なんといっても毎月の保険料の支払いがなくなることです。

これは家計にとって直接的かつ継続的なプラス効果をもたらします。

例えば、30歳男性が一般的ながん保険に加入した場合、月々の保険料は2,000円~4,000円程度が目安です。

仮に月々3,000円の保険料を30歳から60歳までの30年間支払い続けると、その総額は以下のようになります。

計算例:月額3,000円 × 12ヶ月 × 30年 = 108万円

この108万円という金額を、がんにならなかった場合に「安心料」として納得できるか、あるいは「別のことに使いたかった」と感じるかは人それぞれです。

がん保険に加入しなければ、この分の資金を自由に使うことができます。

例えば、貯蓄を増やして万が一の医療費に備えたり、資産運用に回して将来の資金を育てたり、あるいは自己投資や趣味に使って現在の生活を豊かにすることも可能です。

保険料という固定費がなくなることで、家計の柔軟性が高まり、より主体的な資産計画を立てられる点が、この選択の大きな魅力と言えるでしょう。

デメリット 治療費や収入減に自力で備える必要がある

一方で、がん保険に加入しない場合のデメリットは深刻です。

がんの治療にかかる費用や、治療中の収入減少といった経済的打撃に、すべて自力で立ち向かう必要があるという、非常に大きなリスクを背負うことになります。

「高額療養費制度があるから大丈夫」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、この制度でカバーできるのはあくまで「保険適用の医療費」の一部です。

実際のがん治療では、それ以外にも多くの費用が発生します。

自力で備える必要がある費用の具体例

  • 先進医療の技術料
    全額自己負担となり、中には数百万円にのぼる治療法もあります。高額療養費制度の対象外です。
  • 差額ベッド代
    個室や少人数の病室を希望した場合にかかる費用で、1日あたり数千円~数万円が自己負担となります。
  • 食事療養費・生活療養費
    入院中の食費や光熱費の一部は自己負担です。
  • 通院交通費・宿泊費
    遠方の病院に通う場合、本人や家族の交通費・宿泊費は高額になることがあります。
  • その他
    ウィッグの購入費、サプリメント代、療養中の日用品費など、細かな出費も積み重なります。

これらの費用に加え、さらに大きな問題となるのが「収入の減少」です。

治療のために休職や退職を余儀なくされるケースは少なくありません。

会社員であれば「傷病手当金」を利用できますが、支給額は給与のおよそ3分の2で、支給期間も最長1年6ヶ月という上限があります。

自営業やフリーランスの方には、この傷病手当金のような公的保障がありません。

治療費の支出と収入の減少が同時に発生する「ダブルパンチ」の状態に陥ると、十分な貯蓄があったとしても、あっという間に底をついてしまう可能性があります。

お金の心配がストレスとなり、治療に専念できなくなるという精神的な負担も、決して無視できないデメリットです。

ご自身の貯蓄額でこれらのリスクにどこまで対応できるか、冷静に判断する必要があります。

もし少しでも不安を感じるようでしたら、専門家であるファイナンシャルプランナーに相談し、客観的な視点で家計状況を診断してもらうのも一つの方法です。

ご自身の状況に合わせた備え方について、専門家の意見を聞いてみたい方は、以下の無料相談をご活用ください。
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がん保険に入ってなくても利用できる公的制度を解説

「がん保険に入っていないと、高額な治療費をすべて自己負担しなければならないのでは…」と不安に感じていませんか?ご安心ください。

日本には、がん保険に未加入でも、医療費の負担を大幅に軽減できる手厚い公的制度が整備されています。

これらの制度を知っているかどうかで、万が一の時の経済的・精神的な負担は大きく変わります。

この章では、がん保険がなくても頼りになる3つの柱、「高額療養費制度」「傷病手当金」、そして「その他の支援制度」について、誰でも理解できるよう具体的に解説します。これらの制度を正しく理解し、賢く活用する準備を始めましょう。

【高額療養費制度】医療費の自己負担には上限がある

高額療養費制度は、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が、ひと月(1日から末日まで)で上限額を超えた場合に、その超えた金額が支給される制度です。

つまり、所得に応じて医療費の自己負担額に上限が設けられているため、どれだけ医療費がかかっても青天井に支払いが増えるわけではありません。

がん治療のように治療が長期化し、医療費が高額になりがちなケースでは、まず知っておくべき最も重要な制度です。

制度の仕組みと自己負担額の計算方法

自己負担の上限額は、年齢(70歳未満か70歳以上か)と所得によって区分されています。

ここでは、多くの方が該当する70歳未満のケースを見てみましょう。

例えば、年収約370万~約770万円の方(区分ウ)が、1ヶ月の医療費総額(10割)が100万円かかったとします。

窓口での自己負担は3割の30万円ですが、高額療養費制度を適用すると、自己負担額は以下の計算で求められます。

計算式:80,100円 + (1,000,000円 – 267,000円) × 1% = 87,430円

この場合、実際の自己負担額は87,430円となり、差額の212,570円(300,000円 – 87,430円)が払い戻されます。

事前に「限度額適用認定証」を健康保険組合や市町村の窓口で申請し、医療機関に提示すれば、窓口での支払いをこの上限額までに抑えることも可能です。

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所得区分対象者(年収の目安)自己負担限度額
年収 約1,160万円~252,600円 + (総医療費 – 842,000円) × 1%
年収 約770万~約1,160万円167,400円 + (総医療費 – 558,000円) × 1%
年収 約370万~約770万円80,100円 + (総医療費 – 267,000円) × 1%
~年収 約370万円57,600円
住民税非課税者35,400円

※出典:厚生労働省保険局「高額療養費制度を利用される皆さまへ」を基に作成。

多数回該当や世帯合算でさらに負担を軽減

高額療養費制度には、さらに負担を軽くする仕組みがあります。

  • 多数回該当
    直近12ヶ月以内に3回以上、上限額に達した場合は、4回目から「多数回該当」となり、上限額がさらに引き下げられます

    例えば、区分ウ(年収約370万~約770万円)の場合、4回目以降の上限額は44,400円となります。
  • 世帯合算
    同一の医療保険に加入している家族(同一世帯)で、同じ月にそれぞれ21,000円以上の自己負担額を支払った場合、それらを合算できます。

    合算した金額が自己負担限度額を超えれば、その超えた分が支給されます

これらの仕組みにより、長期的な治療や家族が同時期に病気になった場合でも、家計への負担を抑えることができます。

【傷病手当金】会社員が休業した際の所得を保障

がん治療のために仕事を休まなければならなくなった場合、心配なのが収入の減少です。会社員や公務員の方が加入する健康保険には、「傷病手当金」という制度があります。

これは、病気やケガで働けなくなった場合に、給与の約3分の2が保障される非常に心強い制度です。

傷病手当金を受け取るには、以下の4つの条件をすべて満たす必要があります。

  1. 業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
  2. 仕事に就くことができない状態であること
  3. 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと(待期期間)
  4. 休業した期間について給与の支払いがないこと(給与が支払われても、傷病手当金の額より少ない場合は差額が支給されます)

支給される期間は、支給が開始された日から通算して1年6ヶ月です。

途中で復職し、再度同じ病気で休業した場合でも、期間内であれば再び受給できます。

ただし、国民健康保険には原則としてこの制度がないため、自営業やフリーランスの方は注意が必要です。

申請には、医師や勤務先の証明が必要となります。

手続きがわからない場合は、勤務先の人事・総務担当者や、加入している健康保険組合に問い合わせてみましょう。

※参考:全国健康保険協会 協会けんぽ「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」

その他に活用できる制度(医療費控除・障害年金など)

上記の2つの制度以外にも、状況に応じて活用できる公的制度があります。

  • 医療費控除
    1年間(1月1日~12月31日)に支払った医療費が一定額(原則10万円)を超えた場合に、確定申告を行うことで所得税や住民税が還付・軽減される制度です。

    治療費だけでなく、通院にかかった交通費(公共交通機関)や市販の医薬品購入費なども対象になる場合があります。領収書は必ず保管しておきましょう。
    ※参考:国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」
  • 障害年金
    がんの治療後も、後遺症などによって日常生活や仕事に著しい支障が出た場合に受給できる可能性があります。

    初診日に加入していた年金制度(国民年金か厚生年金か)によって受給できる年金の種類や額が異なります。

    認定基準は複雑なため、まずは年金事務所やがん相談支援センター、社会保険労務士などの専門家に相談することをおすすめします。
    ※参考:日本年金機構「障害年金」
  • がん相談支援センター
    全国のがん診療連携拠点病院などに設置されており、誰でも無料で利用できます。

    治療や療養生活全般の不安、今回ご紹介したような公的制度の利用方法など、様々な相談に専門の相談員が対応してくれます。

    どこに相談していいか分からない時の最初の窓口として非常に頼りになる存在です。

このように、がん保険に入っていなくても、日本の公的制度を組み合わせることで経済的な負担を大きく減らすことが可能です。

しかし、これらの制度はご自身の状況によって利用条件や給付額が異なり、手続きも複雑に感じられるかもしれません。

ご自身のケースでどの制度が使え、いくらくらいの備えが必要なのか、専門家の視点でシミュレーションしてみませんか?

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入らないと決めた人がやるべき備え

がん保険に加入しないという選択は、月々の保険料負担をなくし、その分を貯蓄や投資に回せるという合理的な判断の一つです。

しかし、その選択をするのであれば、万が一がんに罹患した際に経済的に困窮しないための「計画的な備え」が不可欠となります。

保険という後ろ盾がない分、自分自身でリスクを管理する必要があるのです。

この章では、がん保険に入らないと決めた方が具体的に何をすべきか、2つの重要な備えについて詳しく解説します。

貯蓄はいくら必要?がん治療費に備える目標額

がん保険に入らない場合、治療にかかる費用はすべて自己資金で賄うことになります。

では、具体的にいくら貯蓄があれば安心できるのでしょうか。

もちろん、がんの種類や進行度、治療法によって費用は大きく異なりますが、一つの目安として目標額を設定することが重要です。

前の章で解説した通り、公的医療保険の「高額療養費制度」を活用すれば、医療費の自己負担額には上限が設けられています。

しかし、保険適用外の費用や、治療による収入減少分は別途備えが必要です。

これらを踏まえると、まず目指すべき貯蓄額として「300万円」が一つの目安となります。

なぜ300万円なのか、その内訳を見てみましょう。

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費用の種類内容費用の目安
治療費(自己負担分)高額療養費制度を適用した後の、窓口で支払う医療費。
入院が長期化したり、通院治療が続いたりすることを想定。
約50万円~120万円
保険適用外の費用先進医療の技術料、差額ベッド代、未承認薬の使用、陽子線治療などの費用。数十万円~数百万円
(先進医療を受けるかで大きく変動)
治療に付随する費用通院のための交通費・宿泊費、ウィッグやケア用品の購入費、サプリメント代など。約20万円~50万円
収入減少への備え治療による休業で収入が減少する分を補う資金。
傷病手当金(給与の約2/3)だけでは不足する生活費や、自営業者・フリーランスの所得補償。
約100万円~
(休業期間や元の収入による)

もちろん、これはあくまで一般的なモデルケースです。

ご自身の年収やライフスタイル、価値観(個室に入りたい、最新の治療を受けたいなど)によって必要な金額は変わります。

大切なのは、ご自身の状況に合わせて「自分にとっての必要額」をシミュレーションし、目標を立てることです。

貯蓄方法としては、すぐに引き出せる預貯金と、つみたてNISAなどを活用した長期的な資産形成を組み合わせ、計画的に準備を進めましょう。

定期的ながん検診で早期発見を目指す

がんへの備えは、お金だけではありません。

むしろ、最も効果的で重要な備えは「定期的ながん検診による早期発見」です。

がんが早期の段階で発見されれば、治療の選択肢が広がり、身体的な負担が少ない治療で済む可能性が高まります。

結果として、治療期間が短くなり、治療費や休業による収入減を最小限に抑えることにも繋がるのです。

「自分はまだ若いから大丈夫」「自覚症状がないから平気」といった油断は禁物です。

がん保険に入らないと決めたからこそ、自分自身の健康状態を積極的に把握しにいく姿勢が求められます。

まずは、国や自治体が推奨する公的な「がん検診」を必ず受けるようにしましょう。

多くの場合、無料または少ない自己負担で受診できます。

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がんの種類対象者受診間隔
胃がん検診50歳以上(当面の間、胃部X線検査は40歳以上も可)2年に1回
子宮頸がん検診20歳以上2年に1回
肺がん検診40歳以上年に1回
乳がん検診40歳以上2年に1回
大腸がん検診40歳以上年に1回

出典:国立がん研究センター がん情報サービス「がん検診について」

これらの公的検診に加えて、ご自身の家族歴や生活習慣などのリスクに応じて、人間ドックでより詳細な検査(腹部超音波検査や腫瘍マーカー、PET検査など)を任意で受けることも有効な選択肢です。

かかりつけ医に相談し、ご自身に合った検診プランを立て、定期的に実行することを強くお勧めします。

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やっぱりがん保険が必要かもと感じた方へ

ここまで読み進め、公的制度だけでは少し心もとない、あるいはご自身の状況を考えるとやはり保険での備えも検討したい、と感じた方もいらっしゃるかもしれません。

がん保険と一言でいっても、その種類は多岐にわたります。

大切なのは、ご自身の価値観や経済状況に合った保障を、過不足なく、納得できる保険料で準備することです

ここでは、後悔しないがん保険選びのための具体的なポイントを解説します。

がん保険の必要性が高い人の特徴

すべての人に同じがん保険が必要なわけではありません。

特に、以下のような特徴に当てはまる方は、がん保険による備えの必要性が高いと言えるでしょう。

ご自身が当てはまるか、チェックしてみてください。

  • 十分な貯蓄がない、または貯蓄を治療費で取り崩したくない方
    がんの治療には、公的保険を使っても高額な自己負担が発生する可能性があります。

    また、治療が長期化すれば、その分負担も増えていきます。

    数百万円単位の急な出費に耐えられる貯蓄がない場合や、教育資金や老後資金など、別の目的のために貯めているお金には手を付けたくないという方は、保険で備えるメリットが大きいでしょう。
  • 自営業・フリーランスの方
    会社員であれば、病気で休んだ際に「傷病手当金」という公的な所得保障制度を利用できます。

    しかし、国民健康保険に加入している自営業やフリーランスの方には、この制度がありません。

    治療で働けなくなった場合の収入減少(逸失利益)を直接カバーするためにも、がん保険、特に診断一時金や収入保障系の特約は重要な選択肢となります。
  • 扶養している家族がいる、住宅ローンなど固定費の負担が大きい方
    ご自身が家計の主たる担い手である場合、万が一のことがあれば、ご自身の治療費だけでなく、家族の生活費や子どもの教育費、住宅ローンの返済などが大きな負担となってのしかかります。

    家族の生活を守るという観点からも、がんへの備えは非常に重要です。
  • がんの家族歴があり、リスクを強く感じている方
    ご家族や近親者にがんを経験した方がいる場合、遺伝的な要因や生活習慣の類似から、ご自身のがんリスクを心配される方も少なくありません。

    もちろん家族歴がなくとも誰にでもがんのリスクはありますが、不安を解消し、安心して日々を過ごすための一つの手段として、がん保険は有効です。

保障内容と保険料のバランスを考える

がん保険を選ぶ上で最も重要なのが、保障内容と保険料のバランスです。

手厚い保障を求めれば保険料は高くなり、保険料を安く抑えれば保障は限定的になります。

自分にとっての「最適解」を見つけるために、まずは基本となる保障内容を理解し、必要な特約(オプション)を吟味していきましょう。

まずは基本保障をチェック!診断・入院・手術・通院

がん保険の根幹をなすのが、以下の4つの基本保障です。

これらの保障がご自身のニーズに合っているかを確認することが、保険選びの第一歩です。

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保障の種類保障内容チェックポイント
診断給付金(一時金)がんと「診断確定」された時点で、まとまった一時金(例:100万円、200万円など)が受け取れる保障。最も重要視したい保障です。使い道が自由なため、治療費はもちろん、
当面の生活費や収入減の補填にも充てられます。
複数回支払われるタイプか、2回目以降の支払条件(入院が必要かなど)も確認しましょう。
入院給付金がん治療のために入院した場合に、「入院1日あたり〇円」という形で給付金が支払われます。近年、がん治療は入院日数が短期化し、通院治療が主流になっています。
そのため、支払日数が無制限である必要性は以前より低下しています。
通院保障とのバランスを考えて検討しましょう。
手術給付金がん治療を目的とした手術を受けた際に、まとまった給付金が支払われます。手術の種類によって給付額が変わるタイプ(例:入院給付金の10倍、20倍など)と、
一律の金額が支払われるタイプがあります。
放射線治療も給付対象に含まれるかなど、対象範囲を確認することが大切です。
通院給付金がん治療のための通院に対して、「通院1日あたり〇円」という形で給付金が支払われます。治療の主流が通院へとシフトしている現代において、重要性が増している保障です。
「退院後の通院のみ対象」「入院の有無にかかわらず対象」など、
支払条件は保険商品によって大きく異なるため、必ず確認しましょう。

特約で保障をカスタマイズ!自分に必要なものだけを選ぶ

基本保障に加えて、特約(オプション)を付加することで、より自分に合った保障内容にカスタマイズできます。

ただし、特約を付ければその分保険料は上がります。本当に自分に必要か、慎重に検討しましょう。

  • 先進医療特約
    公的医療保険の対象外となる先進医療の技術料実額(上限2,000万円など)を保障します。がん治療で用いられる陽子線治療や重粒子線治療などが対象です。

    比較的安い保険料で高額な費用に備えられるため、付加を検討する価値は高い特約です。

    先進医療の現状については、厚生労働省のウェブサイトも参考にしてください。
    厚生労働省:先進医療の概要について
  • 抗がん剤・ホルモン剤・放射線治療特約(薬剤治療特約)
    通院での抗がん剤治療など、長期化しやすい特定の治療を受けた月に、定額(例:10万円)が受け取れる特約です。

    診断給付金だけでは長期の治療費が不安な方や、通院保障を手厚くしたい方におすすめです。
  • 女性特有がん特約
    乳がん、子宮がん、卵巣がんなど、女性特有のがんと診断された場合に、通常の給付金に上乗せして給付金が支払われます。

    乳房再建費用を保障するタイプもあります。

    女性の方は検討の価値があるでしょう。
  • がん収入保障特約
    がんと診断され、所定の状態(働けない状態など)が続いた場合に、月々定額(例:10万円)が給与のように受け取れる特約です。

    特に、公的な所得保障がない自営業・フリーランスの方にとって、収入減少に直接備えられる心強い保障です。

これらの保障内容について、一人で判断するのが難しいと感じるかもしれません。そんな時は、保険のプロに相談するのも一つの手です。

専門のファイナンシャルプランナーが、あなたの家計状況や将来の希望をヒアリングした上で、最適な保障プランを無料でご提案します。

無理な勧誘は一切ありませんので、まずはお気軽にご自身の状況をお聞かせください。

保険料を左右する3つのポイント:保険期間・払込期間・免責期間

保障内容が決まったら、次に保険料に大きく関わる3つの期間について理解を深めましょう。

ご自身のライフプランに合わせて選択することが重要です。

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ポイント終身タイプ定期タイプ
保険期間(保障がいつまで続くか)保障が一生涯続きます。10年、15年、あるいは60歳までなど、
保障期間が限定されています。
メリット一度加入すれば、将来保険料が上がる心配がなく、
一生涯の安心を得られます。
加入時の保険料が割安です。子どもが独立するまでなど、
特定の期間だけ手厚い保障が欲しい場合に適しています。
デメリット定期タイプに比べて、加入時の保険料は割高になります。更新時に保険料が上がり、最終的に保障がなくなります。
高齢になってから加入し直すのは困難な場合があります。
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ポイント終身払短期払(有期払)
保険料払込期間
(いつまで支払うか)
保障が続く限り、一生涯保険料を支払います。60歳、65歳までなど、現役で働いているうちに
保険料の支払いを終えます。
メリット月々の保険料負担を安く抑えることができます。収入がなくなる老後の保険料負担がなくなります。
払込総額は終身払より安くなることが一般的です。
デメリット長生きした場合、払込総額が短期払より高くなる可能性があります。月々の保険料負担は終身払に比べて高くなります。

最後に、がん保険特有のルールとして「免責期間」の存在を必ず覚えておいてください。

これは、契約が成立してから保障が開始されるまでの待機期間のことで、一般的に「90日間(または3ヶ月間)」と定められています。

この免責期間中にがんと診断されても、給付金は一切支払われません。

いざという時に備えるためにも、がん保険の検討は先延ばしにせず、健康なうちに行うことが何よりも大切です。

まとめ

がん保険に入らないという選択は、必ずしも間違いではありません。

なぜなら、日本には高額療養費制度や傷病手当金といった手厚い公的制度があり、治療費の自己負担や休業中の収入減をある程度カバーできるためです。

しかし、先進医療費や差額ベッド代など公的保険適用外の費用は全額自己負担となります。

十分な貯蓄で備えられるか、ご自身の経済状況や価値観と照らし合わせ、定期的な検診を心掛けた上で、保険の必要性を判断することが重要です。

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