用語集(がん治療・がん保険)

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悪性腫瘍(あくせいしゅよう)

体を構成する細胞に由来し、進行性にふえたものを腫瘍といいます。このうち、異常な細胞が周りに広がったり、別の臓器へ移ったりして、臓器や生命に重大な影響を与えるものが悪性腫瘍です。体や臓器の表面などを構成する細胞(上皮細胞)からできる「」と、骨や筋肉などを構成する細胞からできる「肉腫」に分類されます。合わせて一般的に「がん」と呼びます。

アピアランス

アピアランスは「外観や人の容貌」を意味する言葉です。脱毛(頭髪、まつ毛、まゆ毛等)、皮膚や爪の変色、爪の変形、手術の傷あとなど、治療によって起こる外見の変化に対して、患者の悩みに対処し、支援することを「アピアランスケア」と呼びます。

異形成(いけいせい)

細胞が「現状ではがんとは言えないががんに進行する確率が高い状態(前がん病変)」や「悪性・良性の境界にある状態(境界悪性)」であることを指します。病変の程度により、軽度異形成、中等度異形成、高度異形成に分類されます。

インフォームドコンセント

医療行為を受ける前に、医師および看護師から医療行為について、わかりやすく十分な説明を受け、それに対して患者さんは疑問があれば解消し、内容について十分納得した上で、その医療行為に同意することです。すべての医療行為について必要な手続きです。もともとは米国で生まれた言葉で、“十分な説明と同意”と訳される場合もあります。

異型度(いけいど)

ある細胞の形が正常な細胞とどのくらい異なっているかを示す度合いのことです。正常であれば同じような形の細胞が整然と並んでいますが、がん細胞やその前の段階の細胞は形がゆがんでいたり、細胞内の核が大きくなっていたりします。このような細胞の「顔つき」の違いを異型度と呼び、がん細胞の悪性度の目安としています。一般に腫瘍の悪性度(ふえやすさ、広がりやすさ)に関連しています。

EBウイルス(いーびーういるす)

ヘルペスウイルスのひとつです。大部分の日本人は、乳幼児期に感染し、多くは症状が出ないため感染に気付きません。思春期以降に初めて感染すると、伝染性単核球症と呼ばれる発熱やのどの痛み、リンパ節の腫れなどの症状が一時的にみられることがあります。また、EBウイルスは、バーキットリンパ腫など一部の悪性リンパ腫や、上咽頭がんの発生と関連があることが明らかになっています。
[エプスタイン・バール・ウイルス]英語名Epstein-Barr Virus。EBウイルスは英語名の略。

遺伝子検査(いでんしけんさ)

遺伝子の異常を調べる検査です。がんに特徴的な遺伝子異常が存在する場合、極めて微量な試料からでも、特定のDNA断片(数百から数千塩基対)だけを選択的に増幅させることができます(PCR法)。この方法を用いて、診断時に迅速に遺伝子異常の有無を調べることができます。また、診断だけでなく、治療効果の判定にも用いられます。

遺伝カウンセリング(いでんかうんせりんぐ)

遺伝カウンセリングとは、遺伝について疑問や悩みのある方に対して、遺伝や疾患についての正しい情報をわかりやすく提供し、自らの力で問題を解決していけるよう、支援をする場です。遺伝カウンセリングでは、遺伝医学に精通した臨床遺伝専門医の資格をもつ医師と認定遺伝カウンセラーが担当します。

EBM(いーびーえむ)

[EBM]英語名Evidence-Based Medicineの略で、科学的根拠に基づく医療と和訳される。

エストロゲン

主に卵巣でつくられる女性ホルモンで、卵胞ホルモンともいいます。乳がんの6割は女性ホルモン受容体を持ち、エストロゲンの影響を受けて増殖します。そのような種類のがんに対して、抗エストロゲン剤によるホルモン療法が行われます。

疫学研究

疫学研究とは、地域社会や特定の人間集団を対象として、健康に関する事象(病気の発生状況など)の頻度や分布を調査し、その要因を明らかにする医学研究のことです。疫学研究には、病気とその要因の関係を証明するために、治療や予防に関する要因を人為的に変化させる「介入研究」と、介入を行わず対象者の通常の生活を調査・観察する「観察研究」があります。

NCI(えぬしーあい)

NCI(米国国立がん研究所 National Cancer Institute)は、米国保健社会福祉省(HHS, United States Department of Health and Human Services)を構成する11の機関のうちの1つである米国国立衛生研究所(NIH, National Institutes of Health)の一部です。1937年の国立がん研究所法により設立された米国政府のがん研究のための主要機関です。(↔︎米国国立がん研究所)
→NCI日本語版情報サイト「がん情報サイト

NCCN(えぬしーしーえぬ)

NCCNについて
National Comprehensive Cancer Network(NCCN)は、患者ケア、研究、そして教育に専念する、 32の米国の主要ながんセンターによる非営利団体 です。NCCNは、患者がより良い生活を送ることができるように、質がよく、効果的で効率的な、そして利用可能ながん治療の改善および促進に尽力しています。NCCNは 加盟機関の臨床専門家のリーダーシップと専門知識を活用し、医療提供システムにおける多数のステークホルダーに貴重な情報を提示するリソースを開発しています。NCCNは、高品質のがん治療を定義および促進することにより、継続的な品質向上の重要性を推進し、世界中の患者、臨床医、および他の医療の意思決定者が使用するのに適切な臨床診療ガイドラインを作成することの重要性を認めています。

NCCN加盟機関の世界的に著名な専門家たちは、多種多様ながん患者の診断および治療を行っており、複雑な疾患、進行性のがん、あるいは希少がんへの取り組みが評価されています。NCCN加盟機関は、患者ケアに対する集学的なチームアプローチの概念を開拓し、がんの理解、診断、治療に大きく貢献する革新的な研究を実施しています。NCCNプログラムは、専門医師へのアクセス、優れた治療、そして、世界中のがん治療の有効性と効率を継続的に向上させる品質と安全性への取り組みを提供します。
引用:NCCNガイドライン「NCCNについて(和訳)」

NCCNガイドライン日本語版

OT(おーてぃー)

[OT]英語名Occupational Therapistの略、作業療法士と和訳される。

厚生労働大臣の免許を受けて、生活における身近な作業活動(手芸、工作など)を用いて、患者の食事や洗面、入浴、着替えなどの日常生活機能を回復・維持させたり、改善したりする役割を担う専門家のことです。

介護支援専門員(かいごしえんせんもんいん)→ケアマネージャー

ケアマネジャーは、ケアを必要とする人や家族のニーズに基づいて、介護保険で認定された給付費の範囲内で居宅サービス計画(ケアプラン)を組み立てる専門家です。また、介護サービス提供者や施設、サービスを受ける人やその家族との連絡調整を行います。介護支援専門員ともいいます。

科学的根拠に基づく医療

科学的根拠に基づく医療とは、人(あるいは患者)の集団を対象とした研究/検証結果からなる根拠(科学的根拠)に基づいて、「個々の患者の状態や医療が行われる場の特性」や「患者の希望や価値観」、「最善の科学的根拠」を把握し、「医療者の専門性」を考え合わせて治療方針を決定していく医療のことです。科学的根拠は、エビデンスとも呼ばれます。(↔︎EBM)

寛解(かんかい)

一時的あるいは永続的に、がん(腫瘍)が縮小または消失している状態のことです。寛解に至っても、がん細胞が再びふえ始めたり、残っていたがん細胞が別の部位に転移したりする可能性があるため、寛解の状態が続くようにさらに治療を継続することもあります。

患者申出療養(かんじゃもうしでりょうよう)

承認されていない治療法を、患者の申し出により臨床試験として実施する制度です。一定の安全性および有効性が確認された国内の未承認・適応外の治療法に限られます。実施するためには専門家からなる会議でその治療法の妥当性について評価等を受けるため、申し出をしても必ず実施できるとは限りません。

完全寛解(かんぜんかんかい)

治療の結果、がんによる症状や検査での異常が見られなくなり、正常な機能が回復した状態のことです。

緩和ケア(かんわけあ)

緩和ケアとは、がんの患者さんの体や心のつらさを和らげ、生活やその人らしさを大切にする考え方です。身体的・精神的・社会的・スピリチュアル(霊的)な苦痛について、つらさを和らげる医療やケアを積極的に行い、患者さんと家族の社会生活を含めて支える「緩和ケア」の考え方を早い時期から取り入れていくことで、がんの患者さんと家族の療養生活の質をよりよいものにしていくことができます。

緩和ケア病棟(かんわけあびょうとう)

がん患者さんを主な対象とし、体と心の苦痛緩和のための治療とケアを行う病棟です。「ホスピス」も同じような意味で用いられている言葉ですが、「緩和ケア病棟」のほうが、終末期に限らない症状のコントロールをより強く意識した言葉として捉えられる場合があります。医療費は健康保険が適用され、厚生労働省から「緩和ケア病棟」として承認を受けた施設の場合、医療費は定額制となります。在宅緩和ケアを受けている患者さんの家族の肉体的・精神的疲労を軽減することを目的とした短期(レスパイト)入院など、入院形態は多様化しています。

画像診断(がぞうしんだん)

画像による検査をもとに行われる診断のことをいいます。画像検査には、X線検査(レントゲン検査)、CT検査、MRI(磁気共鳴撮影)、PET検査、超音波(エコー)検査などの検査があります。画像診断は、治療前に原発巣の状況や広がりを調べたり、治療の効果を判定したり、治療後の再発がないかを確認したりするなど、さまざまな目的で行われます。

がんゲノム医療(がんげのむいりょう)

がんゲノム医療とは、主にがんの組織を用いて、多数の遺伝子を同時に調べ、遺伝子変異(※)を明らかにすることにより、一人一人の体質や病状に合わせて治療などを行う医療です。

(※)遺伝子変異:細胞の中の遺伝子がなんらかの原因で後天的に変化することや、生まれもった遺伝子の違い

がんゲノム医療拠点病院(がんげのむいりょうきょてんびょういん)

専門家が集まって遺伝子解析結果を検討する委員会(エキスパートパネル)を開催できるなどの基準を満たした病院です。がんゲノム情報に基づく診療や臨床研究・治験の実施、新薬等の研究開発、がんゲノム関連の人材育成等の分野において、がんゲノム医療中核拠点病院と協力してゲノム医療を行います。(がんゲノム医療拠点病院一覧:外部サイト

がんゲノム医療中核拠点病院(がんげのむいりょうちゅうかくきょてんびょういん)

専門家が集まって遺伝子解析結果を検討する委員会(エキスパートパネル)を開催できるなどの基準を満たした病院です。加えて、がんゲノム情報に基づく診療や臨床研究・治験の実施、新薬等の研究開発、がんゲノム関連の人材育成等の分野において貢献するなどの基準も満たしています。がんゲノム医療中核拠点病院一覧:外部サイト

がんゲノム医療連携病院(がんげのむいりょうれんけいびょういん)

がんゲノム医療中核拠点病院またはがんゲノム医療拠点病院と連携してがんゲノム医療を行う病院です。(がんゲノム医療連携病院一覧:外部サイト

がん診療連携拠点病院(がんしんりょうれんけいきょてんびょういん)

専門的ながん医療の提供、地域のがん診療の連携協力体制の整備、患者・住民への相談支援や情報提供などの役割を担う病院として、国が定める指定要件を踏まえて都道府県知事が推薦したものについて、厚生労働大臣が適当と認め、指定した病院です。がん診療連携拠点病院には、各都道府県で中心的役割を果たす「都道府県がん診療連携拠点病院」と、都道府県内の各地域(2次医療圏)で中心的役割を果たす「地域がん診療連携拠点病院」があります。(がん診療連携拠点病院一覧:外部サイト

がん専門相談員(がんせんもんそうだんいん)

がんについて知りたい、どこで相談していいかわからない、といったがんに関するさまざまな疑問や悩みごとの相談を受ける相談員のことです。がん診療連携拠点病院などにあるがん相談支援センターには必ずいる専門家で、がんの相談対応について国から指定された研修を受けています。科学的な根拠や実践に基づく信頼できる情報を提供することによって、相談者がその人らしい生活や治療選択ができるように支援します。

危険因子(きけんいんし)

病気の発生や進行の原因となる要素のこと。がんの危険因子として、喫煙、飲酒、食習慣(高塩分食品や熱い飲食物など)、太り過ぎ/痩せすぎ、特定のウイルスや細菌の感染などがあげられています。リスク要因、リスクファクターともいいます。

QOL(きゅーおーえる)

治療や療養生活を送る患者さんの肉体的、精神的、社会的、経済的、すべてを含めた生活の質を意味します。病気による症状や治療の副作用などによって、患者さんは治療前と同じようには生活できなくなることがあります。QOLは、このような変化の中で患者さんが自分らしく納得のいく生活の質の維持を目指すという考え方です。治療法を選ぶときには、治療効果だけでなくQOLを保てるかどうかを考慮していくことも大切です。(↔︎クオリティオブライフ)

クオリティ・オブ・ライフ

治療や療養生活を送る患者さんの肉体的、精神的、社会的、経済的、すべてを含めた生活の質を意味します。病気による症状や治療の副作用などによって、患者さんは治療前と同じようには生活できなくなることがあります。QOLは、このような変化の中で患者さんが自分らしく納得のいく生活の質の維持を目指すという考え方です。治療法を選ぶときには、治療効果だけでなくQOLを保てるかどうかを考慮していくことも大切です。
[QOL]英語名Quality of Lifeの略。(↔︎QOL)

ケアマネージャー

ケアマネジャーは、ケアを必要とする人や家族のニーズに基づいて、介護保険で認定された給付費の範囲内で居宅サービス計画(ケアプラン)を組み立てる専門家です。また、介護サービス提供者や施設、サービスを受ける人やその家族との連絡調整を行います。介護支援専門員ともいいます。

言語聴覚士(げんごちょうかくし)

難聴や発声・発語などの障害と、その影響でコミュニケーションに問題がある場合や、のみ込みがうまくできない患者に訓練、指導、助言を行い、日常生活の機能回復や改善のためのリハビリテーションを行う専門家のことです。
[ST]英語名Speech-language-hearing Therapistの略。(↔︎ST)

原発巣(げんぱつそう)

最初にがん(腫瘍)が発生した病変のことです。例えば、最初に胃にがんができて、そのがん細胞が血液やリンパの流れに乗って肺に転移すると原発巣は胃がんです。この場合、転移した部位にできたのは肺がんではなく、胃がんの細胞からできているため、胃がんの治療法を参考に治療が進められます。このように、原発巣が何かを知ることは治療方針を決める上で重要です。しかし、原発巣が小さい、あるいは発見しにくい場所にある場合には、特定できないこともあります。

公認心理士(こうにんしんりし)

心に不安や悩みを抱える患者やその家族などに対して、心の健康に関する専門的な知識や技術をもとに支援や助言を行う、国家資格をもつ専門家です。心理検査や面接などを通して、心の痛みやつらさを和らげ、安心してよりよい日常生活を送ることができるよう心理的支援を行います。 

骨シンチグラフィ(こつしんちぐらふぃ)

微量な放射線を出す物質を含んだ薬を静脈から注射し、骨への転移の有無を調べる検査です。骨にがんがあると、その部分に放射性物質が集まることを利用する検査です。

骨髄(こつずい)

骨の中心部にあり、血液細胞(白血球、赤血球、血小板)をつくる組織のことです。骨髄には、造血幹細胞と呼ばれる、すべての血液細胞に成長でき、かつ自分自身も複製することができる “血液の種”のような細胞が存在しています。骨髄内部には、いろいろな成熟(成長)段階の血液細胞が認められ、十分に成熟した血液細胞のみが骨髄から血液中に出ていきます。通常、未熟な細胞は、骨髄から血液中には出ていきません。

骨転移(こつてんい)

がん細胞が最初に発生した場所(原発巣)から、血管やリンパ管に入り込み、血液やリンパ液の流れに乗って別の臓器や器官に移動し、そこで増えることをいいます。転移したがん病変は、原発巣のがんと同じ性質を持つため、検査や治療は原発巣のがんに準じて進められます。
原発巣から転移したがん病変を、転移した部位によって、「肺転移」、「肝転移」、「脳転移」、「骨転移」、「腹膜転移(腹膜播種)」などと呼びます。(↔︎転移)

5年相対生存率(ごねんそうたいせいぞんりつ)

あるがんと診断された場合に、治療でどのくらい生命を救えるかを示す指標。あるがんと診断された人のうち5年後に生存している人の割合が、日本人全体(※)で5年後に生存している人の割合に比べてどのくらい低いかで表します。100%に近いほど治療で生命を救えるがん、0%に近いほど治療で生命を救い難いがんであることを意味します。
※正確には、性別、生まれた年、および年齢の分布を同じくする日本人集団。

サイバーナイフ

サイバーナイフ(米国アキュレイ社製 サイバーナイフVSI) は、X線を使った放射線治療装置の一種で、腫瘍にピンポイントで照射することに特化した装置です。


コンピュータ制御により、あたかもナイフで手術をしているかのような装置です。産業用ロボットを医療用に応用したもので、ロボットアームに取り付けられたX線発生装置が様々な方向から集中的に狙い撃ちします。治療精度は0.5 mm以下の精度で治療しています。 特に、脳腫瘍を含む頭頸部、肺、肝臓の治療で威力を発揮します。

再発(さいはつ)

手術療法や薬物療法、放射線治療などの治療により、検査でがんがなくなったことを確認した後、再びがんが現れることです。治療したがんと同じ場所、あるいは近くにがんが現れるだけでなく、別の場所に「転移」としてがんが見つかることも含めて再発といいます。

細胞診検査(さいぼうしんけんさ)

採取した細胞を、顕微鏡を使って診断します。口腔、気管、膀胱、子宮などの粘膜上からヘラやブラシのようなものでこすりとったり、皮膚から針を刺して吸引したり、また痰や尿などの液体中に浮遊している細胞を採取する方法などがあります。

作業療法士(さぎょうりょうほうし)

厚生労働大臣の免許を受けて、生活における身近な作業活動(手芸、工作など)を用いて、患者の食事や洗面、入浴、着替えなどの日常生活機能を回復・維持させたり、改善したりする役割を担う専門家のことです。
[OT]英語名Occupational Therapistの略。(↔︎OT)

在宅医療(ざいたくいりょう)

病院ではなく、住み慣れた自宅などで病気の療養をすることです。外来診察に通いながら治療を続けている場合も含みます。在宅医療は、患者さんやその家族による医療(セルフケア)と、地域の医師、がんの治療や緩和ケアを専門とする医師、看護師、作業療法士、理学療法士らが訪問して行う訪問診療、訪問看護、訪問リハビリテーションなどからなります。

在宅緩和ケア

在宅で療養している患者さんに対する緩和ケアのことです。
がんに伴うさまざまな問題(痛み、不快な症状、家族との関係、精神的不安、経済的不安など)に対して、在宅でも患者さんが療養しやすい環境を整えるという観点で、医療的な面だけではなくさまざまな視野から総合的に支えていきます。

支持療法(しじりょうほう)

がんそのものに伴う症状や、治療による副作用・合併症・後遺症による症状を軽くするための予防、治療、およびケアのことです。例えば、感染症に対する抗菌薬の投与や、薬物療法の副作用である貧血や血小板減少に対する適切な輸血療法、吐き気・嘔吐に対する制吐剤(吐き気止め)の使用があります。

社会福祉士(しゃかいふくしし)

病気や障害、環境上の理由から、日常生活に困難を抱えている人やその家族に対して、社会福祉の専門的な知識や技術をもとに支援や助言を行う、国家資格をもつ専門家です。利用できる制度やサービスの紹介、関係する支援機関や支援者との連絡・調整などを行い、安心して日常生活を送れるよう支援します。

自由診療(じゆうしんりょう)

がん治療における自由診療とは、健康保険を利用しないで自費で受ける診療のことで、「先進医療」にも当てはまらないような最新のがん治療もこれに該当します。 自由診療は、治療費が全額自己負担となるため、高額になってしまう場合があります。

腫瘍(しゅよう)

細胞が異常に増殖したものです。転移をしない良性腫瘍と悪性腫瘍(がん)があります。

腫瘤(しゅりゅう)

こぶ、固まりのこと。腫瘍性のものや炎症性のものがあります。

紹介状(しょうかいじょう)

患者がほかの医療機関を受診するとき、それまで担当していた医師が患者を紹介するために発行する書類です。書類にはこれまでの症状や診断・治療などといった診療のまとめや、紹介の目的などが書かれています。この書類による情報提供は医療の継続性を保ち、社会資源を有効利用することにもつながります。セカンドオピニオン、転院、介護サービスを利用する際に発行されます。(↔︎診療情報提供書)

小児がん拠点病院(しょうにがんきょてんびょういん)

地域において小児がん医療および支援を提供する中心施設として、厚生労働大臣が指定した病院です。質の高い医療および支援を提供するために、一定程度の医療資源の集約化が必要であり、地域ブロック単位で全国に15施設指定されています。小児がん連携病院等と連携し、地域全体の小児・AYA世代のがん医療や支援の質の向上を目指した体制整備に取り組んでいます。

小児がん連携病院(しょうにがんれんけいびょういん)

小児がん拠点病院と連携して小児がんの医療および支援を提供する病院で、小児がん拠点病院が指定します。
「地域の小児がん診療を行う連携病院」、「特定のがん種等についての診療を行う連携病院」、「小児がん患者等の長期の診療体制の強化のための連携病院」の3つの類型があります。

神経ブロック(しんけいぶろっく)

がんによる痛みを和らげるため、痛みのある部位に関連する神経を抑制または遮断する治療法のことです。神経のまわりに針を刺して、そこから注射やカテーテル(細い)を用いて局所麻酔薬や神経破壊薬を注入し、一時的または長期的に痛みを和らげます。

進行がん(しんこうがん)

がんの大きさが大きくなっていたり、できた場所から広がっていて、治りにくいがんです。厳密な定義は臓器やがんの種類によって異なりますが、一般的には最初にできたがんが大きくなっている、リンパ節に転移している、他の臓器への転移があるなどの特徴があります。

浸潤(しんじゅん)

がんが周囲に染み出るように広がっていくことです。

臨床進行度(りんしょうしんこうど)

進展度ともいい、地域がん登録では、がんと診断された時点における病巣の広がりを、上皮内がん(がんが表層にとどまり、他臓器へ浸潤・転移する可能性のないもの)、限局(がんが原発臓器に限局しているもの)、所属リンパ節転移(原発臓器の所属リンパ節への転移を伴うが、隣接臓器への浸潤がないもの)、隣接臓器浸潤(隣接する臓器に直接浸潤しているが、遠隔転移がないもの)、遠隔転移(遠隔臓器、遠隔リンパ節などに転移・浸潤があるもの)に分類。所属リンパ節転移と隣接臓器浸潤とをあわせて、限局、領域浸潤、遠隔転移の3群で比較する場合もあります。

診療ガイドライン(しんりょうがいどらいん)

診療ガイドラインは、エビデンス(科学的根拠)などに基づいて、最良と考えられる検査や治療法などを提示する文書のことです。患者と医療者を支援することを目的としており、意思決定の際に、判断材料の1つとして利用されることがあります。診療現場では、診療ガイドラインに示された標準的な診療方法に基づいて、個々の患者の状況に応じた診療が行われます。

診療情報提供書(しんりょうじょうほうていきょうしょ)

患者がほかの医療機関を受診するとき、それまで担当していた医師が患者を紹介するために発行する書類です。書類にはこれまでの症状や診断・治療などといった診療のまとめや、紹介の目的などが書かれています。この書類による情報提供は医療の継続性を保ち、社会資源を有効利用することにもつながります。セカンドオピニオン、転院、介護サービスを利用する際に発行されます。(↔︎紹介状)

上皮内がん(じょうひないがん)

がん細胞が臓器の表面や管状の臓器の内側をおおっている上皮までにとどまっているがんです。がんが上皮と間質を隔てる基底膜を破って広がっていない状態です。(↔︎上皮内新生物)

上皮内新生物(じょうひないしんせいぶつ)

がん細胞が臓器の表面や管状の臓器の内側をおおっている上皮までにとどまっているがんです。がんが上皮と間質を隔てる基底膜を破って広がっていない状態です。(↔︎上皮内がん)

ステージ

がんの大きさや周囲への広がり方で、がんの進行の程度を判定するための基準のことです。がんの治療方針を検討するときに使います。(↔︎病期)

ストーマ

自然の排泄経路以外に設けた排泄口のこと。人工肛門や人工尿路などがあります。

生検(せいけん)

病変の一部を採って、顕微鏡で詳しく調べる検査です。生検組織診断とも呼ばれます。手術や内視鏡検査などのときに組織を採ったり、体の外から超音波(エコー)検査やX線検査などを行いながら細い針を刺して組織を採ったりします。がんであるかどうか、悪性度はどうかなど、病理医が病変について詳しく調べて診断を行います。

先進医療(せんしんいりょう)

保険診療として認められていない医療技術の中で、保険診療とすべきかどうかの評価が必要であると厚生労働大臣が定めた治療法(評価療養)です。効果や安全性を科学的に確かめる段階の高度な医療技術で、実施できる医療機関が限定されています。

先進医療特約(せんしんいりょうとくやく)

保険契約期間に先進医療の治療を受けた場合に給付金を受け取れる特約です。通常限度額が1000万円〜2000万円で設定されています。(参照:先進医療)

奏効率(そうこうりつ)

治療効果があらわれた割合、または、あらわれる割合のことです。治療効果があらわれた例数を治療した例数で割ったもので、治療の効果を判定する際に用いられます。

組織診検査(そしきしんけんさ)

がんの診断でよく行われる病理検査のひとつで、病変の一部の組織片をとって顕微鏡で調べる検査です。生検と同様の意味で使われることが多いです。組織診は細胞異型に加え、構造異常の情報も調べられるので、細胞診に比べて診断率が高く、しばしば確定診断となります。

ソーシャルワーカー

患者が治療や療養と毎日の暮らしを安定して継続できるよう、療養生活に関わる幅広い相談に応じる専門家のことです。治療費や転院後の治療の継続、在宅療養や就労の支援、家族や仕事の悩み、療養生活での不安などさまざまな内容の相談を受け、助言や福祉サービスなどの提供、関係機関との連絡調整を行います。多くの場合、社会福祉士などの国家資格を持つ人が担当しています。MSWや医療ソーシャルワーカーと呼ばれることもあります。

多発がん(たはつがん)

同じ部位に、同じようながんが多発することで、腫瘍の数に関係なく、1つのがんとして集計します。

ダヴィンチ

ダヴィンチ(da Vinci(R) Surgical System)は手術支援ロボットの一種です。前立腺全摘の内視鏡下手術の際などに用いられることがあります。医師は患者さんの腹部に穴をあけ、内視鏡と手術用具を取り付けたロボットアームを体内に挿入し、内視鏡カメラから届けられる立体画像を見ながらロボットアームを遠隔操作して手術を行います。利点としては、従来より緻密な手術が可能となることや、患者さんの身体的負担が比較的軽いことなどがあげられます。

地域がん診療病院(ちいきがんしんりょうびょういん)

がん診療連携拠点病院(決められた要件を満たした厚生労働大臣指定の病院)が無い地域(2次医療圏)に、都道府県の推薦を基に厚生労働大臣が指定した病院です。基本的に隣接する地域のがん診療連携拠点病院のグループとして指定され、拠点病院と連携しつつ、専門的ながん医療の提供、相談支援や情報提供などの役割を担っています。

地域がん診療連携拠点病院(ちいきがんしんりょうれんけいきょてんびょういん)

地域内で中心的役割を果たすよう、厚生労働大臣が指定した病院で、原則として各地域(2次医療圏)に1カ所置かれています。専門的ながん医療を提供するとともに、各地域のがん診療の連携協力体制の整備やがんに関する相談支援情報の提供を担っています。

地域がん診療連携拠点病院(特例型)(ちいきがんしんりょうれんけいびょういん(とくれいがた))

地域内で中心的役割を果たすよう、厚生労働大臣が指定した地域がん診療連携拠点病院のうち、指定要件の一部が不十分であった病院です。指定要件の充足が確認されれば、再び地域がん診療連携病院(一般形ともいう)に指定されます。

地域包括支援センター(ちいきほうかつしえんせんたー)

地域にあるさまざまな介護サービス提供者の連携のもとに、地域の介護サービスの中核として、介護サービスを円滑に提供できるよう支援する施設です。保健師、主任ケアマネジャー、ソーシャルワーカーが職員として勤務しており、患者さんの相談に応じて必要とされるサービスを受けられるよう調整を行います。また、介護が必要になる状態を予防するための事業なども実施しています。介護保険を利用できます。

治験(ちけん)

「新薬の開発を目的」として、これまで患者さんに使われたことのない新しい薬、あるいはその病気では使われたことのない薬の安全性や有効性を調べるために行われる臨床試験のことです。新しい薬として厚生労働省から承認を得ることを目的として、主に製薬企業により行われます。

通所介護(つうしょかいご)

在宅で療養する人が福祉施設に通って受けられるサービスで、介護保険が適用されます。心身の機能を維持し、能力に応じて自立した生活が送れることを目的として、日常生活の支援や心身機能の訓練(入浴や食事の提供、排泄の介助やレクリエーションなど)が受けられます。(↔︎デイサービス)

適応外薬(てきおうがいやく)

日本でも薬事法上の承認を得て流通しているが、疾患によっては承認がなく治療に使えないもの。(↔︎未承認薬)

テストステロン

主に精巣でつくられる男性ホルモン。前立腺がんに対して、がん細胞を増殖させる性質があります。

転移(てんい)

がん細胞が最初に発生した場所(原発巣)から、血管やリンパ管に入り込み、血液やリンパ液の流れに乗って別の臓器や器官に移動し、そこで増えることをいいます。転移したがん病変は、原発巣のがんと同じ性質を持つため、検査や治療は原発巣のがんに準じて進められます。
原発巣から転移したがん病変を、転移した部位によって、「肺転移」、「肝転移」、「脳転移」、「骨転移」、「腹膜転移(腹膜播種)」などと呼びます。

デイサービス

在宅で療養する人が福祉施設に通って受けられるサービスで、介護保険が適用されます。心身の機能を維持し、能力に応じて自立した生活が送れることを目的として、日常生活の支援や心身機能の訓練(入浴や食事の提供、排泄の介助やレクリエーションなど)が受けられます。(↔︎通所介護)

凍結療法(とうけつりょうほう)

腫瘍に特殊な針を刺してがん細胞を凍らせ、細胞膜を破壊し、壊死させる治療を凍結療法といいます。高齢や持病などの理由により手術が難しい場合には、がんの種類や浸潤の度合いにより、実施することがあります。

特定領域がん診療連携拠点病院(とくていりょういきがんしんりょうれんけいきょてんびょういん)

特定のがん種について、都道府県内で最も多くの診療実績があり、都道府県内で拠点的役割を果たす病院として、都道府県の推薦を基に厚生労働大臣が指定した病院です。

都道府県がん診療連携拠点病院(とどうふけんがんしんりょうれんけいきょてんびょういん)

都道府県内で中心的役割を果たすよう厚生労働大臣が指定した病院で、原則として各都道府県に1カ所置かれています。専門的ながん医療を提供するとともに、都道府県内のがん診療の連携協力体制の整備やがんに関する相談支援情報の提供を担っています。

ドナー

臓器や造血幹細胞(血液のもととなる細胞)を患者に提供する人のことをいいます。血液がんで造血幹細胞移植を行う場合、血縁者、あるいは非血縁者がドナーとなります。肝臓などの臓器移植では、家族がドナーとなる場合と、亡くなった人がドナーとなる場合があります。臓器提供者ともいいます。

ドラッグ・ラグ

ドラッグ・ラグとは、海外で既に承認されている薬が日本国内で承認されるまでに、長い年月を要するという問題のこと。
日本で薬が承認されるまでの期間中、患者は「海外には薬があるのに、治療が受けられない」状態になる。そのため、ドラッグ・ラグは、日本で受けられる医療レベルがその他の先進国と比べて低下することにも繋がる重大な問題である。製薬業界では、このドラッグ・ラグの解決が課題のひとつに挙げられている。

ドラッグ・ロス

海外ではすでに一般的に使われている治療薬にもかかわらず、日本では開発が行われていないために国内で使うことができない状況をドラッグ・ロスといいます。

日本製薬工業協会の2023年11月時点における発表によると、2016年以降、国内未承認薬数および未承認比率が増加しているとのこと。2020年末の国内未承認薬は176品目あり、国内で開発がされていないのは95品目にのぼり、国内で開発中・欧米に遅れて承認される見込みである「ドラッグ・ラグ」81品目を上回っています。

内視鏡検査(ないしきょうけんさ)

レンズと光源(ライト)が付いた細い管を、鼻や口、肛門、尿道などから体に挿入し、のど、消化管(食道や胃、十二指腸、大腸)、気管、膀胱などを体の中から観察する検査です。これにより、病変を直接観察することや、病変の一部をつまみとり(生検)、病理検査を行うことができます。

難治がん(なんちがん)

治りにくいがんのことです。早期発見が難しい、治療の効果が得られにくい、転移・再発しやすいなどの性質があるために、診断や治療が特に難しいがんのことをいいます。(難治性がんとも)

肉腫(にくしゅ)

筋肉、骨、神経などの非上皮性細胞から発生する悪性の腫瘍です。

二次がん(にじがん)

化学療法や放射線による正常細胞の傷害のために、治療を終えた数年から数十年後にもとの病気とは別の種類のがんを生じることです。

脳転移(のうてんい)

がん細胞が最初に発生した場所(原発巣)から、血管やリンパ管に入り込み、血液やリンパ液の流れに乗って別の臓器や器官に移動し、そこで増えることをいいます。転移したがん病変は、原発巣のがんと同じ性質を持つため、検査や治療は原発巣のがんに準じて進められます。
原発巣から転移したがん病変を、転移した部位によって、「肺転移」、「肝転移」、「脳転移」、「骨転移」、「腹膜転移(腹膜播種)」などと呼びます。

肺転移(はいてんい)

がん細胞が最初に発生した場所(原発巣)から、血管やリンパ管に入り込み、血液やリンパ液の流れに乗って別の臓器や器官に移動し、そこで増えることをいいます。転移したがん病変は、原発巣のがんと同じ性質を持つため、検査や治療は原発巣のがんに準じて進められます。
原発巣から転移したがん病変を、転移した部位によって、「肺転移」、「肝転移」、「脳転移」、「骨転移」、「腹膜転移(腹膜播種)」などと呼びます。

播種(はしゅ)

体の中(体腔腹腔〔腹部の空間〕や胸腔〔肋骨で囲まれた胸部の空間〕など)にがん(腫瘍)細胞がこぼれ、種をまいたようにバラバラと広がることです。

白血球(はっけっきゅう)

血液中の血液細胞の一種であり、細菌、ウイルス、真菌(カビ)といった外敵やがんから身体を守る働きをしています。顆粒球、単球、リンパ球などの種類があります。

バイオマーカー検査(ばいおまーかーけんさ)

バイオマーカーとは、ある疾患の有無、病状の変化や治療の効果の目安となる生理学的な指標(血圧や心拍数、心電図など)や生体内の物質(タンパク質や遺伝子など)のことをいいます。がんの診療では、バイオマーカーでがんの性質を事前に調べ、効果を予測して治療の方針を立てることもあります。

晩期合併症(ばんきがっぺいしょう)

治療が終了して数カ月から数年後に、がん(腫瘍)そのものからの影響や、薬物療法、放射線治療など治療の影響によって生じる合併症のことです。晩期合併症は、がんの種類、発症の年齢や部位、治療法の種類や程度によってさまざまで、身体的な症状や二次がんの発症のみならず、精神的・社会的な問題なども含まれます。そのため、がんの治療終了後も、個別の状況に合わせて長期の経過観察(フォローアップ)がなされることがあります。

パーフォーマンスステータス

全身状態の指標の1つで、患者さんの日常生活の制限の程度を示します。ECOG(米国の腫瘍学の団体の1つ)が定めた指標を日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)が日本語訳したものです。

0まったく問題なく活動できる。発症前と同じ日常生活が制限なく行える。
1肉体的に激しい活動は制限されるが、歩行可能で、軽作業や座っての作業は行うことができる。例:軽い家事、事務作業
2歩行可能で、自分の身のまわりのことはすべて可能だが、作業はできない。日中の50%以上はベッド外で過ごす。
3限られた自分の身のまわりのことしかできない。日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす。
4まったく動けない。自分の身のまわりのことはまったくできない。完全にベッドか椅子で過ごす。

BRCA遺伝子(びーあーるしーえーいでんし)

BRCAタンパク質は、DNAに生じた変化を修復するタンパク質です。
BRCA1タンパク質またはBRCA2タンパク質を作り出す遺伝子のどちらか一方に変化が起こると、DNAに生じた変化をうまく修復できなくなり、がんが発生しやすくなると考えられています

ヒトパピローウイルス

ヒトパピローマウイルスは、皮膚や粘膜の上皮細胞を介してヒトからヒトへ感染するウイルスで、接触により感染することが知られています。100以上の種類があり、各型によって手指・顔面・性器などに特有の乳頭腫(パピローマ:イボ)をつくります。

ほとんどのイボは良性の腫瘍ですが、一部の高リスク型と呼ばれるHPVは、子宮頸がん、腟がん、外陰がん、肛門がん、陰茎がん、中咽頭がんなどの発生に関わっていると考えられています。特に子宮頸がんの患者の90%以上からHPVが検出されることが知られています。HPVの感染そのものはまれではなく、大抵は感染しても症状のないうちにHPVが排除されるようですが、HPVに感染した状態が続くと、がん抑制遺伝子の働きが失われ、前がん病変やがんが発生すると考えられています。(↔︎[HPV]英語名Human papillomavirusの略。)

標準治療(ひょうじゅんちりょう9

標準治療とは、科学的根拠に基づいた観点で、現在利用できる最良の治療であることが示され、ある状態の一般的な患者さんに行われることが推奨される治療をいいます。

一方、推奨される治療という意味ではなく、一般的に広く行われている治療という意味で「標準治療」という言葉が使われることもあるので、どちらの意味で使われているか注意する必要があります。なお、医療において、「最先端の治療」が最も優れているとは限りません。最先端の治療は、開発中の試験的な治療として、その効果や副作用などを調べる臨床試験で評価され、それまでの標準治療より優れていることが証明され推奨されれば、その治療が新たな「標準治療」となります。

病期(びょうき)

がんの大きさや周囲への広がり方で、がんの進行の程度を判定するための基準のことです。がんの治療方針を検討するときに使います。(↔︎ステージ)

病理検査(びょうりけんさ)

画像診断や内視鏡などでがんまたはその可能性のある病変が見つかったときなどに、その病変から細胞や組織を採取して行う検査です。採取した細胞や組織は顕微鏡で観察し、がんかどうか、がんであればどのような性質をもつがんかなどについて専門の病理医が調べて診断します。細胞によって診断する場合は細胞診(細胞診断)、組織の場合は組織診(組織診断、病理組織診断)といいます。

PT(ぴーてぃー)

がんの発症や治療に伴う「体力低下」などによって日常生活に必要な動作がしづらい、もしくはその可能性がある患者に、運動療法などのリハビリテーションを行う専門家のことです。(↔︎理学療法士[PT]英語名Physical Therapistの略。)

ピロリ菌(ぴろりきん)

胃や小腸に炎症および潰瘍を起こす細菌のことです。胃がんや一部の悪性リンパ腫の発生に関連していると考えられています。(↔︎ヘリコバクター・ピロリ)

腹腔鏡下手術(ふくくうきょうかしゅじゅつ)

「腹腔鏡」は、内視鏡の一種で、先端で撮影した画像をモニターに映し出して観察することができる太さ1cmほどの細長い管のような器械です。腹腔鏡下手術では、炭酸ガスでおなかをふくらませてから腹壁(腹部の壁)に小さな穴をいくつか開け、そこから腹腔鏡や手術器具を挿入して、モニター画面上で腹腔(腹壁で囲まれた空間)の状態を見ながら手術を行います。

腹水(ふくすい)

腹腔内(腹壁で囲まれ、内部に胃や腸などの臓器がある空間)に認める液体のことです。がんなどの疾患で多量にたまると、おなかが張った感じがしたり、腹部が膨れてくることなどがあります。

腹膜播種(ふくまくはしゅ)

播種とは、種がまかれるように体の中にバラバラと腫瘍(がん)が広がることです。がん細胞が臓器の壁を突き破って、腹膜に広がることを腹膜播種といいます。

不利益(ふりえき)

がん検診でがんが100%見つかるわけではないこと(偽陰性)

結果的に不必要な治療や検査を招く可能性があること(偽陽性)

生命予後に影響しない、微小で進行の遅いがんを見つけてしまうこと(過剰診断)

検査に伴う偶発症が起こりうること
・胃内視鏡検査による出血や穿孔
・胃エックス線検査における誤嚥や腸閉塞
・マンモグラフィ・胸部エックス線検査・胃エックス線検査に伴う、放射線被曝等

分化度(ぶんかど)

がん細胞が、本来の正常な細胞の形態をどれくらい維持しているかを「分化度」といい、「未分化」「低分化」「高分化」などと表現します。分化度の低いがん細胞は、悪性度が高く活発に増殖する傾向があります。病理検査でがん細胞の分化度を調べることで、悪性度の評価や治療効果の予測などを行います。

プロゲステロン

主に卵巣でつくられる女性ホルモンで、黄体ホルモンともいいます。子宮体がんの治療などに使われます。

ヘリコバクター・ピロリ

胃や小腸に炎症および潰瘍を起こす細菌のことです。胃がんや一部の悪性リンパ腫の発生に関連していると考えられています。(↔︎ピロリ菌)

扁平上皮がん

体を構成する組織のうち、扁平上皮とよばれ、体の表面や食道などの内部が空洞になっている臓器の内側の粘膜組織から発生するがんです。口の中、舌、のど、食道、気管、肺、肛門、外陰部、腟、子宮頸部などに発生します。

訪問介護(ほうもんかいご)

訪問介護員(ヘルパー)が在宅で療養している患者さんの自宅を訪問して生活支援を行うサービスのことで、介護保険が適用されます。外出や通院の付き添い、着替えの手伝い、体をふいて清潔に保つなどの身体介護と、患者さん本人の部屋の掃除、洗濯、調理などの生活援助からなります。ヘルパーは、ケアマネジャーが作成する訪問介護計画に基づいて身体介護や生活援助を行います。

訪問看護(ほうもんかんご)

看護師や保健師が、在宅で療養している患者さんの自宅を訪問して医療面から療養生活の支援を行うサービスのことです。主治医の指示に基づいた生活支援、リハビリテーション、床擦れ予防処置、カテーテル管理、介護や看護に関する相談などがあります。医療保険または介護保険を利用してこのサービスを受けることができます。

訪問教育(ほうもんきょういく)

病気療養児に対する教育として、特別支援学校が、教師を病院や児童生徒の家庭に派遣する制度。訪問教育を希望する場合は、病院にある学校や地域の特別支援学校の相談窓口に問い合わせる。

ホスピス

がん患者さんを主な対象とし、体と心の苦痛緩和のための治療とケアを行う病棟です。「緩和ケア病棟」も同じような意味で用いられている言葉ですが、「ホスピス」のほうが終末期のケアをより強く意識した言葉として捉えられる場合があります。医療費は健康保険が適用され、厚生労働省から「緩和ケア病棟」として承認を受けた施設の場合、医療費は定額制となります。

ホルモン受容体陽性(ほるもんじゅようたいようせい)

ホルモンと作用する構造をホルモン受容体といい、その受容体をもっていることをホルモン受容体陽性といいます。がん細胞の中にホルモン受容体陽性のものがあると、ホルモンと作用してがん細胞が増殖します。そのため、ホルモン受容体陽性のがんは、ホルモンの作用を抑えるホルモン療法による治療効果が期待できます。例えば乳がんでは、ホルモン受容体の有無で治療に用いる薬剤が異なります。

未承認薬(みしょうにんやく)

日本人や日本の医療環境において効果があるか、安全であるかまだ科学的に確認がされていないために厚生労働省から承認されていない薬剤のことです。3種類存在する。
  1. 世界中のどの国でも承認されていない開発途上にある医薬品の候補で、人を対象とした臨床試験や基礎研究が十分に行われていないもの
  2. 外国(米国や欧州)で承認されているが日本では薬事法上の承認がないもの
  3. 日本でも薬事法上の承認を得て流通しているが、疾患によっては承認がなく治療に使えないもの(↔︎適用外薬)

罹患数(りかんすう)

対象とする人口集団から、一定の期間に、新たにがんと診断された数。対象とする人口集団:人口の大きさを計測することができる集団であることが必須条件。そのため、都道府県・市区町村などを単位とすることがほとんどです。一定の期間:通常は、年単位(年度ではありません)。

罹患数が少ない場合(発生がまれな部位、人口規模が小さい場合、など)では、偶然変動による影響を抑えるために、複数年のデータをあわせて集計する場合もよくあります。がんの数:がんと診断された患者の数ではなく、同じ人に複数のがん(多重がん)が診断された場合には、それぞれの診断年で、集計に含まれます。

罹患率(りかんりつ)

ある集団で新たに診断されたがんの数を、その集団のその期間の人口で割った値。通常1年単位で算出され、「人口10万人のうち何例罹患したか」で表現されます。200X年の罹患率(粗罹患率)=200X年に新たに診断されたがんの数/200X年の人口×100000。罹患率と混同されやすい用語に「有病率」があります。これはある時点のある病気の患者数を人口で割った値です。

理学療法士(りがくりょうほうし)

がんの発症や治療に伴う「体力低下」などによって日常生活に必要な動作がしづらい、もしくはその可能性がある患者に、運動療法などのリハビリテーションを行う専門家のことです。(↔︎[PT]英語名Physical Therapistの略。)

領域再発(りょういきさいはつ)

最初にがんが発生した場所(原発巣)の近くのリンパ節または組織にがんが再びあらわれることをいいます。

リンパ性転移(りんぱせいてんい)

がん細胞が最初に発生した場所(原発巣)から、リンパ管に入り込み、リンパ液の流れに乗って、途中のリンパ節に流れ着いて増殖することです。リンパ節転移の仕方には、一定の規則性があり、リンパ液の流れに沿って、近くから遠くのリンパ節に広がっていきます。

リンパ浮腫(りんぱふしゅ)

乳がん、子宮がん、卵巣がん、前立腺がん、皮膚がんなどの治療による後遺症の一つで、手術時のリンパ節の切除や放射線治療などによって、リンパ液の流れが停滞し腕や脚がむくむこと。

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