胃がんの治療法を徹底解説|ステージ別の選択肢から費用・副作用まで

胃がん 治療法

胃がんの治療法について、ステージごとの選択肢や副作用、費用がわからず不安な方も多いでしょう。

この記事では、内視鏡治療や手術、薬物療法、免疫療法といった胃がんの主な治療法を網羅的に解説します。

最適な治療法は、がんの進行度(ステージ)や患者さんの全身状態などを基に総合的に決定されます。

ご自身の状況に合った治療の知識を深め、医師と相談しながら納得のいく選択をするためにお役立てください。

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目次

胃がんの治療方針を決める重要な要素

胃がんの治療は、ただ一つの「正解」があるわけではありません。

がんの状態や患者さんお一人おひとりの状況に合わせて、最適な治療法を組み合わせていく「集学的治療」が基本となります。

治療方針を決定する上で特に重要となるのが、「がんの進行度(ステージ)」と「患者さんの全身状態と希望」という2つの大きな要素です。

これらを総合的に評価し、医師と患者さんが十分に話し合った上で、納得のいく治療法を選択していくことが何よりも大切です。

ここでは、その重要な判断基準について詳しく解説します。

がんの進行度を示すステージ(病期)

胃がんの治療方針を決定する上で、最も重要な指標となるのが「ステージ(病期)」です。

ステージとは、がんがどのくらい進行しているかを示す客観的な分類で、がんの大きさや広がり、他の臓器への転移の有無などによって決まります。

このステージ分類には、「TNM分類」という国際的な基準が用いられています。

TNM分類は、以下の3つの要素を組み合わせて、がんの進行度を評価します。

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因子評価する内容詳細
T因子(Tumor)がんの深さ(深達度)がんが胃の壁のどの深さまで浸潤しているかを示します。T1(粘膜内にとどまる)からT4(胃の壁を越えて周囲の臓器に広がっている)まで分類されます。
N因子(Nodes)リンパ節転移の有無と個数がん細胞が胃の周辺にあるリンパ節に転移しているかどうか、転移している場合はその個数を示します。N0(転移なし)からN3(多数のリンパ節に転移あり)まで分類されます。
M因子(Metastasis)遠隔転移の有無がんが肝臓、肺、腹膜など、胃から離れた臓器や組織に転移(遠隔転移)しているかどうかを示します。M0(転移なし)とM1(転移あり)に分類されます。

このTNM分類の組み合わせによって、胃がんはステージⅠ(1期)からステージⅣ(4期)に大きく分けられます。

数字が大きくなるほど、がんが進行していることを意味します。

各ステージの大まかな状態は以下の通りです。

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ステージがんの状態(目安)
ステージⅠ (1期)がんは胃の壁の浅い層(粘膜または粘膜下層)にとどまっており、リンパ節への転移がごくわずかか、全くない状態。早期胃がんとも呼ばれます。
ステージⅡ (2期)がんが胃の壁のやや深い層まで達している、または浅い層でもリンパ節への転移が複数見られる状態。
ステージⅢ (3期)がんが胃の壁の深い層まで達し、多くのリンパ節に転移している、または胃の壁を越えて周囲の組織に広がっている状態。
ステージⅣ (4期)がんが肝臓や肺、腹膜など、胃から離れた臓器に遠隔転移している状態

正確なステージ診断は、内視鏡検査、CT検査、PET検査などの画像診断や、手術で切除した組織を調べる病理検査の結果を総合して行われます。

より詳しい情報については、国立がん研究センターがん情報サービスのウェブサイトもご参照ください。

患者さんの全身状態と希望

がんのステージと並行して、治療方針を決める上で極めて重要なのが、患者さんご自身の体の状態と、治療に対するお考えです。

たとえ同じステージの胃がんであっても、すべての患者さんに同じ治療が行われるわけではありません。

治療選択における重要な要素として、年齢、体力、心臓や肺、腎臓などの機能、他に治療中の病気(併存疾患)の有無などが考慮されます。

これらの全身状態を客観的に評価する指標として、「パフォーマンスステータス(PS)」が広く用いられています。

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PSスコア体の状態
0全く問題なく、これまで通りの活動ができる。
1肉体的に激しい活動は制限されるが、歩行可能で、軽作業や座って行う作業はできる。
2歩行可能で、自分の身の回りのことはすべて可能だが、作業はできない。日中の50%以上はベッド外で過ごす。
3限られた自分の身の回りのことしかできない。日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす。
4全く動けない。自分の身の回りのことは全くできない。完全にベッドか椅子で過ごす。

一般的に、PSのスコアが低い(=全身状態が良い)ほど、体への負担が大きい手術や強力な薬物療法など、積極的な治療を選択しやすくなります。

逆に、スコアが高い場合は、副作用の少ない治療法を選択したり、症状を和らげる緩和ケアを優先したりすることがあります。

さらに、医学的な正しさだけでなく、患者さんご自身の希望や価値観も同じくらい重要です。

治療によって生活がどう変わるのか、副作用はどの程度なのか、仕事や家庭との両立は可能かなど、様々な点を考慮する必要があります。

医師から病状や治療法の選択肢、それぞれのメリット・デメリットについて十分な説明(インフォームド・コンセント)を受け、ご自身の希望をしっかりと伝えた上で、共に治療方針を決定していく「共同意思決定(Shared Decision Making)」のプロセスが不可欠です。

必要であれば、セカンドオピニオンを聞くことも有効な選択肢となります。

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胃がんの主な治療法を一覧で解説

胃がんの治療は、がんの進行度や患者さんの状態に応じて、さまざまな選択肢の中から最適なものが選ばれます。

ここでは、現在日本国内で標準的に行われている主な治療法について、それぞれの特徴や対象となるがんの状態を詳しく解説します。

どの治療法が自分に適しているのかを理解するための第一歩として、ぜひ参考にしてください。

内視鏡治療(ESD)

内視鏡治療は、正式には「内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD:Endoscopic Submucosal Dissection)」と呼ばれ、ごく早期の胃がんに対して行われる、体への負担が非常に少ない治療法です。

口から内視鏡(胃カメラ)を挿入し、胃の内側からがん細胞が含まれる粘膜だけを電気メスで薄く剥ぎ取ります。

この治療の最大のメリットは、お腹を切る必要がなく、胃をそのまま温存できる点です。

そのため、手術に比べて入院期間が短く、治療後の回復も早い傾向にあります。

ただし、この治療が適用されるのは、がんが胃の粘膜層にとどまっており、リンパ節への転移の可能性が極めて低いと判断された場合に限られます。

治療後に切除した組織を詳しく調べ、がんが想定より深く広がっていた場合や、血管・リンパ管にがん細胞が入り込んでいた場合には、追加で外科手術が必要になることもあります。

手術(外科治療)

手術(外科治療)は、胃がん治療の基本であり、がんを完全に取り除く「根治」を目指すための最も中心的な治療法です。

がん細胞が広がっている可能性のある胃の一部またはすべてと、その周辺のリンパ節を一緒に切除(郭清)します。

切除する範囲は、がんの位置や大きさ、進行度によって決まり、主に以下の3つの術式があります。

  • 幽門側胃切除術
    胃の出口(幽門)側、約3分の2を切除する方法。胃の出口側にがんがある場合に選択されます。
  • 胃全摘術
    胃をすべて切除する方法。がんが胃の上部にある場合や、広範囲に広がっている場合に選択されます。
  • 噴門側胃切除術
    胃の入口(噴門)側を切除する方法。がんが胃の入口付近にある場合に選択されます。

手術の方法には、お腹を大きく切開する「開腹手術」と、小さな穴から器具を挿入する「腹腔鏡下手術」「ロボット支援下手術」があり、それぞれにメリット・デメリットが存在します。

開腹手術

開腹手術は、みぞおちからおへそのあたりまでを縦に大きく切開し、医師が直接お腹の中を見ながら手術を行う、従来から行われている標準的な方法です。

医師が直接手で臓器に触れてがんの広がりを確認できるため、進行した胃がんや、過去の手術でお腹の中が癒着している場合でも安全かつ確実な手術が可能です。

一方で、傷が大きくなるため、術後の痛みが強く、回復に時間がかかるというデメリットもあります。

腹腔鏡下手術

腹腔鏡下手術は、お腹に5~12mm程度の小さな穴を数か所開け、そこから腹腔鏡と呼ばれるカメラや特殊な手術器具を挿入して行う手術です。

モニターに映し出されたお腹の中の映像を見ながら、繊細な操作で胃の切除やリンパ節郭清を行います。

開腹手術に比べて傷が小さく、術後の痛みが少ないため、患者さんの体への負担が少なく、早期の社会復帰が期待できるのが大きなメリットです。

近年では技術の進歩により、早期胃がんだけでなく進行胃がんの一部にも適用が広がっています。

ロボット支援下手術

ロボット支援下手術は、腹腔鏡下手術と同様に小さな傷で行いますが、医師は手術台から少し離れたコックピットに座り、手術支援ロボット「ダヴィンチ」などのアームを遠隔操作して手術を進めます。

人の手よりも滑らかに動く多関節機能や手ぶれ補正機能により、より精密で安全な操作が可能になります。

また、3Dの高画質映像を見ながら手術ができるため、より正確なリンパ節郭清などが期待されます。

2018年から胃がん手術で保険適用となり、導入する施設が増えています。

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手術方法メリットデメリット
開腹手術・進行がんにも対応しやすい
・医師が直接触れて確認できる
・手術時間が比較的短い
・傷が大きく痛みが強い
・回復に時間がかかる
・出血量が多くなりやすい
腹腔鏡下手術・傷が小さく痛みが少ない
・回復が早く社会復帰しやすい
・出血量が少ない
・高度な技術が必要
・直接触れることができない
・開腹手術より時間がかかることがある
ロボット支援下手術・精密で繊細な操作が可能
・手ぶれが補正される
・3D画像で視野が良好
・実施できる施設が限られる
・手術時間が長くなる傾向がある
・触覚がない

どの手術方法が最適かは、がんの進行度や施設の設備、執刀医の技術などを総合的に判断して決定されます。

ご自身の状況に最適な治療法について、より詳しく知りたい方は専門家への相談もご検討ください。

薬物療法(化学療法)

薬物療法は、抗がん剤などの薬剤を用いて、がん細胞の増殖を抑えたり、破壊したりする治療法です。

胃がんの薬物療法は、治療の目的によって大きく3つに分けられます。

  1. 術後補助化学療法
    手術で目に見えるがんをすべて取り除いた後、再発を防ぐ目的で行われます。手術後の病理検査でステージⅡまたはⅢと診断された場合に推奨されます。
  2. 術前補助化学療法
    手術の前に薬物療法を行い、がんを小さくしてから手術をすることで、切除しやすくしたり、再発のリスクを下げたりすることを目的とします。
  3. 切除不能・再発胃がんに対する化学療法
    手術でがんを取り除くことが難しい進行胃がんや、手術後に再発してしまった胃がんに対して、がんの進行を抑え、症状を和らげることを目的に行われます。

使用される薬剤には、細胞の増殖を直接攻撃する「殺細胞性抗がん剤」のほか、がん細胞の特定の分子だけを狙い撃ちする「分子標的薬」、免疫の力を利用する「免疫チェックポイント阻害薬」などがあり、これらを単独または組み合わせて使用します。詳しくは国立がん研究センターがん情報サービスの解説もご参照ください。

放射線治療

放射線治療は、高エネルギーのX線などを体の外から照射して、がん細胞を破壊する治療法です。

胃がんは放射線が効きにくい性質があるため、胃がんそのものを治す目的で放射線治療が単独で行われることはまれです。

しかし、他の臓器への転移、特に骨への転移による痛みを和らげる目的(緩和的照射)や、がんからの出血を止める目的(止血的照射)で非常に有効な場合があります。

薬物療法など、他の治療法と組み合わせて行われることもあります。

免疫療法

免疫療法は、人間が本来持っている免疫の力を利用してがんを攻撃する、比較的新しい治療法です。

胃がん治療では、主に「免疫チェックポイント阻害薬」と呼ばれる薬が使われます。

この薬は、がん細胞が免疫細胞の攻撃にブレーキをかける仕組み(免疫チェックポイント)を解除することで、免疫細胞が再びがん細胞を攻撃できるようにする働きがあります。

現在のところ、切除ができない進行・再発胃がんの一部で、化学療法が効かなくなった後の治療選択肢として、あるいは特定の遺伝子変異(MSI-Highなど)を持つ場合に初回からの治療として用いられます。

副作用の現れ方が従来の抗がん剤とは異なるため、専門的な知識を持つ医療機関での治療が必要です。

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【ステージ別】胃がんの標準的な治療の選択肢

胃がんの治療法は、がんの進行度を示す「ステージ(病期)」によって大きく異なります。

ステージは、がんが胃の壁のどの深さまで達しているか(深達度)、リンパ節への転移があるか、肝臓や肺など他の臓器への転移(遠隔転移)があるか、という3つの要素を組み合わせて総合的に判断されます。

ここでは、日本胃癌学会が定める「胃癌治療ガイドライン」に基づいた、各ステージの標準的な治療法について解説します。

ご自身の状況と照らし合わせながら、治療の全体像を理解する一助としてください。

ステージ1の胃がん治療

ステージ1は、がんが胃の壁の浅い層(粘膜、または粘膜下層)にとどまっている早期の胃がんです。

リンパ節への転移がないか、あってもごくわずかな状態を指します。

この段階では、がんを完全に取り除き、根治を目指す治療が中心となります。

患者さんの体の状態やがんの性質に応じて、主に内視鏡治療か外科手術が選択されます。

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ステージがんの状態主な治療法
ステージ IAがんが粘膜内にとどまり、リンパ節転移がない。または、がんが粘膜下層までで、リンパ節転移がない。内視鏡治療(ESD) 手術(腹腔鏡下手術、ロボット支援下手術など)
ステージ IBがんが粘膜下層までで、ごくわずかなリンパ節転移がある。または、がんが固有筋層まで達しているが、リンパ節転移はない。手術(腹腔鏡下手術、ロボット支援下手術、開腹手術)

リンパ節転移の可能性が極めて低いと判断される小さながんの場合は、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が第一選択となります。

これは、口から内視鏡を挿入し、胃の内側からがんを剥ぎ取る治療法です。

お腹に傷がつかず、胃を温存できるため、体への負担が最も少なく、術後の回復も早いという大きなメリットがあります。

一方で、内視鏡治療の適応とならない場合や、リンパ節転移の可能性がある場合は、手術による胃の切除とリンパ節の郭清(かくせい:転移の可能性のあるリンパ節を取り除くこと)が行われます。

ステージ2の胃がん治療

ステージ2は、がんが胃の壁の深い層(固有筋層や漿膜下層)まで達している、またはリンパ節への転移が進んでいる状態です。

このステージでも、治療の基本は根治を目指すことです。

手術でがんを完全に取り除くことが治療の中心となり、再発を予防するために術後に薬物療法(補助化学療法)を行うことが推奨されます。

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ステージ主な治療法
ステージ IIA手術(開腹手術、腹腔鏡下手術)+ 術後補助化学療法
ステージ IIB

手術では、胃の3分の2以上を切除する「幽門側胃切除術」や胃をすべて切除する「胃全摘術」などが、がんの位置や広がりに応じて選択されます。

同時に、再発のリスクを減らすために広範囲のリンパ節郭清も行います。

さらに、手術で取りきれなかった可能性のある目に見えない小さながん細胞を根絶するため、術後に抗がん剤(TS-1など)を約1年間内服する「術後補助化学療法」が標準的に行われます。

ステージ3の胃がん治療

ステージ3は、がんが胃の壁を越えて周囲の組織に広がっている、またはリンパ節転移が広範囲に及んでいる、より進行した状態です。

治療は複雑になり、複数の治療法を組み合わせた集学的治療が必要となります。

このステージでも根治を目指しますが、再発のリスクが高まるため、手術と薬物療法を組み合わせた治療戦略が極めて重要になります。

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ステージ主な治療法
ステージ IIIA手術 + 術後補助化学療法 術前補助化学療法 + 手術 + 術後補助化学療法
ステージ IIIB
ステージ IIIC

ステージ2と同様に、手術と術後補助化学療法が基本となります。

しかし、近年では、まず手術前に薬物療法(術前補助化学療法)を行い、がんを小さくして手術の成功率を高め、術後の再発を抑えるというアプローチが積極的に行われるようになっています。

手術可能と判断されたステージ3の胃がんに対して、術前化学療法を行うことが新たな標準治療として推奨されています。

使用される薬剤は、複数の抗がん剤を組み合わせる多剤併用療法が一般的です。

治療方針は、がんの性質や患者さんの全身状態を考慮して慎重に決定されます。

ステージ4の胃がん治療

ステージ4は、がんが肝臓、肺、腹膜など、胃から離れた臓器に転移(遠隔転移)している状態です。

この段階では、がんを完全に取り除くことは困難な場合が多く、治療の目標が変わります。

治療の主な目的は、薬物療法によってがんの進行をできるだけ抑え、症状を和らげ、QOL(生活の質)を維持しながらがんと長く付き合っていくことになります。

薬物療法が治療の中心

ステージ4の治療の主役は、化学療法(抗がん剤)、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬といった薬物療法です。

がん細胞の遺伝子変異(HER2陽性など)を調べる検査を行い、その結果に応じて最も効果が期待できる薬剤を選択します。

  • 化学療法
    複数の抗がん剤を組み合わせて使用します。
  • 分子標的薬
    がん細胞の特定の分子に作用し、増殖を抑えます。HER2陽性の胃がんに効果を示します。
  • 免疫療法(免疫チェックポイント阻害薬)
    人間が本来持つ免疫の力を使ってがん細胞を攻撃します。特定の条件を満たす場合に適応となります。

これらの薬物療法を、患者さんの体力や副作用の状態を見ながら、種類を変えたり休薬期間を設けたりしながら継続していきます。

胃がんの薬物療法は近年著しく進歩しており、新しい治療薬の登場によって治療選択肢は増え続けています。

最新の情報については、国立がん研究センターがん情報サービスのウェブサイトなどもご参照ください。

症状を和らげるための治療(緩和治療)

がんの進行によって出血や痛み、食事が摂れないといった症状が現れた場合には、それらを和らげるための治療も並行して行われます。

具体的には、出血を止めるための放射線治療や、食べ物の通り道を確保するためのバイパス手術、ステント留置術などがあります。

ステージごとの治療選択は、あくまで標準的な目安です。

実際の治療法は、がんの詳しい性質、患者さんご自身の年齢、体力、持病、そして何よりもご本人の希望を総合的に考慮して、担当医と十分に話し合って決定されます。

治療法について不安な点や疑問点があれば、納得できるまで医師に質問することが大切です。

また、治療法の選択や今後の生活設計、治療費についてなど、専門的なアドバイスが必要な場合は、がんとお金の専門家であるファイナンシャルプランナーに相談するのも一つの方法です。

客観的な視点から、あなたに合った情報を提供してくれます。

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胃がん治療で起こりうる副作用と対処法

胃がんの治療は、がん細胞を攻撃する一方で、正常な細胞にも影響を与えるため、副作用や後遺症が起こることがあります。

しかし、近年は副作用を軽減するための「支持療法」も進歩しており、多くの症状はコントロール可能です。

ここでは、主な治療法ごとに起こりうる副作用・後遺症と、ご自身でできる対処法(セルフケア)について詳しく解説します。

つらい症状は我慢せず、必ず医師や看護師、薬剤師などの医療スタッフに相談することが最も重要です。

手術後の後遺症と食事の工夫

胃を切除する手術では、胃の機能が変化・低下することによって、様々な後遺症(合併症)が起こり得ます。

特に食事に関連するものが多く、退院後も長く付き合っていく必要があります。

正しい知識を身につけ、食事の工夫で上手に乗り越えていきましょう。

代表的な後遺症

  • ダンピング症候群
    胃を切除したことで、食べ物が急速に小腸へ流れ込むために起こる症状です。食後30分以内に起こる「早期ダンピング症候群」(動悸、めまい、冷や汗、腹痛、下痢など)と、食後2〜3時間で起こる「後期ダンピング症候群」(脱力感、めまい、冷や汗など)があります。
  • 逆流性食道炎
    胃の入り口(噴門)側を切除した場合に、胃酸や十二指腸液が食道へ逆流しやすくなることで起こります。胸やけや、酸っぱいものがこみ上げてくる「呑酸(どんさん)」といった症状が現れます。
  • 貧血
    胃を切除すると、鉄分の吸収が悪くなったり、ビタミンB12の吸収に必要な物質が不足したりするため、貧血(鉄欠乏性貧血、巨赤芽球性貧血)が起こりやすくなります。
  • 体重減少
    食事量が減ることや、消化吸収能力が低下することから、多くの方に体重減少が見られます。

退院後の食事で心がけたいポイント

手術後の食事は、消化管への負担を減らし、必要な栄養を効率よく摂取することが基本です。

以下のポイントを意識して、少しずつ慣らしていきましょう。

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食事のポイント具体的な工夫
食べ方1回の食事量を減らし、回数を増やす「少量頻回食」を基本とします(1日5〜6回が目安)。
一口30回以上を目安に、よく噛んでゆっくり食べましょう。
食事内容消化の良い、やわらかく調理した食品(おかゆ、うどん、白身魚、豆腐、鶏ささみ、卵など)から始め、徐々に品数を増やします。
避けたほうが良いもの脂肪の多い食事、食物繊維の多い食品(ごぼう、きのこ類など)、香辛料などの刺激物、極端に熱い・冷たいものは、はじめは避けましょう。
水分の摂り方食事中に水分を多く摂ると、食べ物が早く流れてしまうため、食事と時間をずらして(食後30分〜1時間後など)摂るようにしましょう。
食後の過ごし方逆流を防ぐため、食後30分〜1時間は座って過ごし、すぐに横にならないようにしましょう。就寝時も、上半身を少し高くすると楽になります。

薬物療法の主な副作用とケア

薬物療法(化学療法、分子標的薬、免疫療法)で使われる薬剤は、がん細胞だけでなく、分裂が活発な正常細胞(髪の毛の細胞、口の粘膜、消化管、血液をつくる骨髄細胞など)にも影響を与えるため、様々な副作用が現れます。

副作用の種類や程度は、使用する薬剤や患者さん個人の体質によって大きく異なりますが、代表的なものとセルフケアについて解説します。

主な副作用とセルフケア一覧

副作用の多くは、薬剤の投与から数日〜数週間で現れます。

ご自身の体調変化に注意し、つらいときはすぐに医療スタッフに伝えましょう。

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主な副作用症状とセルフケアのポイント
吐き気・嘔吐近年は効果の高い吐き気止め(制吐剤)が開発され、症状をかなりコントロールできるようになりました。処方された吐き気止めは、指示通りにきちんと服用しましょう。
食事は、消化の良いものを少量ずつ、無理のない範囲で摂ります。においが気になるときは、冷たいものの方が食べやすい場合があります。
口内炎口の中の痛み、ただれ、乾燥などが起こります。治療開始前から、こまめなうがいと歯磨きで口腔内を清潔に保つことが予防につながります。
刺激の少ない歯ブラシやうがい薬を使いましょう。食事がしみたり痛んだりする場合は、刺激の少ない、やわらかく調理したものを摂るように工夫します。
下痢・便秘消化管の粘膜がダメージを受けることで起こります。下痢の際は、脱水を防ぐために水分補給を心がけ、消化の良い食事を摂ります。
便秘の際は、水分を多めに摂り、お腹のマッサージや軽い運動も効果的です。症状が続く場合は、下痢止めや便秘薬が処方されます。
骨髄抑制血液をつくる骨髄の働きが抑えられ、白血球・好中球(感染防御)、血小板(止血)、赤血球(酸素運搬)が減少します。
白血球・好中球が減ると感染しやすくなるため、手洗い・うがいを徹底し、人混みを避けるなどの感染予防策が重要です。血小板が減ると出血しやすくなるため、歯磨きは柔らかいブラシを使い、けがに注意します。
貧血が進むと、だるさや息切れが起こります。
脱毛使用する薬剤によりますが、治療開始後2〜3週間で髪の毛が抜け始めます。精神的なショックが大きい副作用ですが、治療が終了すれば再び生えてきます。
事前にウィッグや帽子、バンダナなどを用意しておくと安心です。
末梢神経障害手足の指先に、ピリピリとしたしびれや痛み、感覚の鈍化などが起こります。ボタンがかけにくい、物がつかみにくいといった症状が出ます。
けがややけどに気づきにくくなるため、手足の保護と保湿を心がけましょう。

この他にも、薬剤によっては皮膚障害(発疹、乾燥)、倦怠感、味覚障害など、様々な副作用が起こる可能性があります。

どんな些細な変化でも、次の受診を待たずに医療機関に連絡・相談することが、重症化を防ぐ鍵となります。

治療中の副作用や生活上の不安について、誰に相談して良いか分からない場合は、がん治療と生活設計の専門家がサポートする相談窓口を活用するのも一つの方法です。

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胃がん治療にかかる費用と利用できる公的制度

胃がんの治療を受けるにあたり、多くの方が不安に感じるのが治療にかかる費用です。

最善の治療を選択するためにも、費用の目安や利用できる公的制度について正しく理解しておくことが重要です。

ここでは、胃がん治療の費用と、経済的負担を軽減するための制度について詳しく解説します。

日本の医療制度では、公的医療保険が適用される「標準治療」が中心となるため、高額な医療費の全額を自己負担することはありません。

しかし、治療が長期にわたる場合や、保険適用外の治療を選択する場合には、負担が大きくなる可能性もあります。

まずは、ご自身の状況と照らし合わせながら、どのような費用がかかるのかを把握しましょう。

治療法別の費用目安

胃がんの治療費は、がんの進行度(ステージ)や選択する治療法、入院期間、病院の設備などによって大きく異なります。

以下に示すのは、公的医療保険(3割負担)を適用した場合のおおよその目安です。

実際の費用とは異なる場合があるため、参考としてご覧ください。

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治療法入院期間の目安費用目安備考
内視鏡治療(ESD)5日~1週間程度約15万円~25万円早期がんでリンパ節転移の可能性が極めて低い場合が対象です。
腹腔鏡下手術10日~2週間程度約40万円~60万円開腹手術に比べて身体への負担が少なく、入院期間が短くなる傾向があります。
開腹手術2週間~3週間程度約50万円~70万円進行がんで、より広範囲の切除やリンパ節郭清が必要な場合などに行われます。
薬物療法(化学療法)通院または入院約3万円~15万円/月使用する抗がん剤の種類や投与スケジュールによって費用は大きく変動します。
放射線治療通院(約1~2ヶ月)約20万円~40万円(総額)治療回数や照射方法によって異なります。

これらの費用に加えて、差額ベッド代、入院中の食事代の一部、先進医療にかかる費用などは全額自己負担となります。

また、通院にかかる交通費や、ご家族のサポート費用なども考慮しておく必要があります。

高額療養費制度の活用

高額な医療費がかかった場合でも、自己負担額を一定の金額に抑えることができる「高額療養費制度」があります。

これは、日本の公的医療保険制度における非常に重要な仕組みであり、がん治療を受けるすべての患者さんが知っておくべき制度です。

この制度をうまく活用することで、予期せぬ高額な出費に備え、安心して治療に専念することができます。

高額療養費制度とは?

高額療養費制度とは、同一月(1日から末日まで)にかかった医療費の自己負担額が、年齢や所得に応じて定められた上限額を超えた場合に、その超えた分の金額が後から払い戻される制度です。

この制度は、国民健康保険や会社の健康保険など、公的医療保険に加入している方であれば誰でも利用できます。

ただし、保険適用外の費用(差額ベッド代、先進医療の技術料など)や、入院時の食事代は対象外となるため注意が必要です。

自己負担限度額の計算方法

自己負担の限度額は、年齢(70歳未満か、70歳以上か)と、被保険者の所得によって区分が分かれています。

ここでは、多くの方が該当するであろう70歳未満の場合の所得区分と計算式をご紹介します。

所得区分年収の目安自己負担限度額
区分ア約1,160万円~252,600円+(総医療費-842,000円)×1%
区分イ約770万~約1,160万円167,400円+(総医療費-558,000円)×1%
区分ウ約370万~約770万円80,100円+(総医療費-267,000円)×1%
区分エ~約370万円57,600円
区分オ(住民税非課税者)35,400円

(出典:厚生労働省保険局「高額療養費制度を利用される皆さまへ」

例えば、年収約500万円(区分ウ)の方が、1ヶ月の総医療費100万円(自己負担30万円)の手術を受けた場合、自己負担限度額は「80,100円+(1,000,000円-267,000円)×1%=87,430円」となります。

この場合、窓口で支払った30万円のうち、212,570円(300,000円 – 87,430円)が後から払い戻されます。

また、過去12ヶ月以内に3回以上上限額に達した場合は、4回目から「多数回該当」となり、上限額がさらに引き下げられます。

申請方法と注意点

高額療養費制度を利用するには、ご自身が加入している公的医療保険(全国健康保険協会けんぽ、組合健保、市区町村の国民健康保険など)の窓口に申請する必要があります。

通常、診療月から3ヶ月ほど経つと保険者から申請書が送られてくることが多いですが、ご自身で申請手続きを行うことも可能です。

ここでぜひ知っておいていただきたいのが「限度額適用認定証」です。

事前にこの認定証を保険者に申請して交付を受け、医療機関の窓口で提示すれば、1ヶ月の支払いを自己負担限度額までに抑えることができます。

一時的に高額な医療費を立て替える必要がなくなるため、入院や手術が決まった際には、必ず事前に申請しておくことを強くおすすめします。

高額療養費の申請には、診療を受けた月の翌月初日から2年という時効がありますので、忘れずに手続きを行いましょう。

ご自身の加入している保険のウェブサイトを確認するか、窓口に問い合わせてみてください。

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治療や保険についておすすめの相談サイト

胃がんの治療を進めるにあたり、治療法そのものだけでなく、治療にかかる費用や、その間の生活費など、お金に関する不安は非常に大きな問題です。

公的制度や民間の医療保険をうまく活用することで、経済的な負担を大きく軽減できる可能性があります。

しかし、制度は複雑で、どの保険が自分に合っているのかを一人で判断するのは難しいものです。

ここでは、がんにまつわるお金の悩みを専門家に相談できる、信頼性の高いサービスを2つご紹介します。

CancerFP

CancerFPは、「がんと暮らしとお金」の問題に特化したファイナンシャルプランナー(FP)に相談できる専門家マッチングサイトです。

がん患者さんやそのご家族が直面する、治療費、住宅ローン、教育費、保険の見直しといった経済的な課題に対して、専門的な視点から具体的な解決策を提案してくれます。

がん治療中の患者さん特有の状況を深く理解しているため、一般的なFP相談では得られない、より実践的なアドバイスが期待できます。

例えば、高額療養費制度や傷病手当金といった公的制度の活用方法から、ご自身の状況に合わせた家計の見直し、保険金の請求サポートまで、幅広く相談に乗ってもらえます。

項目内容
相談できる内容治療費や生活費のシミュレーション、公的制度の活用方法、保険の見直し・請求サポート、住宅ローン・教育費の相談、就労に関するアドバイスなど
特徴がん患者支援に特化したFPが多数在籍。個々の状況に合わせたパーソナルな相談が可能。
相談方法オンライン、対面など(FPによる)
相談料無料
公式サイトCancerFP公式サイト

治療と経済的な問題の両立に悩んだとき、心強い味方となってくれるでしょう。

ほけんの窓口

「ほけんの窓口」は、複数の保険会社の商品を比較検討し、自分に最適な保険を選べる来店型の保険ショップです。

胃がんの治療を経験された方が、今後の備えとして保険を見直したい場合や、ご家族の保険を検討する際に非常に役立ちます。

がん治療後は、新たに保険に加入する際の条件が厳しくなることもありますが、「引受基準緩和型」の医療保険など、持病があっても加入しやすい商品も存在します。

ほけんの窓口では、そうした様々な商品の中から、専門家が現在の健康状態や将来の希望に合わせて最適なプランを提案してくれます。

相談は何度でも無料なので、まずは情報収集の場として活用するのも良いでしょう。

項目内容
相談できる内容生命保険、医療保険、がん保険などの新規加入・見直し相談。複数の保険商品の比較検討。
特徴約40社の保険商品から比較検討が可能。全国に店舗があり、オンライン相談にも対応。相談は何度でも無料。
相談方法店舗、オンライン、電話
相談料無料
公式サイトほけんの窓口公式サイト

専門家への相談は、経済的な不安を解消し、安心して治療に専念するための第一歩です。

ご自身の状況に合わせて、これらのサービスをうまく活用してみてください。

がん専門FP Cancer FPについて
がんは知ってるか知らないかだけで運命が変わる病気

「がん専門FPのCancer FP」では、医療系FPを中心に最新の医療情報とお金の情報を分析してお客様にお届けしています。

相談は完全無料なので、まずはお気軽にご相談ください。
ご家族が、がんに罹患してしまって今後が不安、がん罹患後のお金はどう考えたら良いの?
そもそもがん保険っているのか?どんな悩みでもお気軽にご相談ください。

現役医療従事者や元医療従事者が多数

◆日本FP協会認定FPに相談が可能

◆知らずに保険を放置しておくと、生涯で最大1000万円ほど損することも!

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まとめ

胃がんの治療法は、内視鏡治療、手術、薬物療法など多岐にわたります。

最適な治療法は、がんの進行度を示すステージや患者さんご自身の全身状態、希望などを総合的に考慮して決定されます。

早期の段階では身体への負担が少ない治療も可能ですが、進行度に応じて複数の治療を組み合わせることもあります。

それぞれの治療の副作用や費用について正しく理解し、主治医と十分に相談した上で、納得できる治療を選択することが最も重要です。

  • 本コンテンツは情報の提供を目的としており、保険加入その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。
  • 本コンテンツは商品の概要を説明しています。
  • 詳細は「契約概要」「注意喚起情報」「ご契約のしおり/約款」を、通信販売の場合は、「パンフレット」「特に重要な事項のお知らせ/商品概要のご説明/ご契約のしおり抜粋」「ご契約のしおり/約款」を必ずご確認ください。
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