「もし自分や家族ががんになったら…」と不安に思う方は少なくないでしょう。
しかし、がんは早期に発見できれば、決して怖い病気ではありません。
がんの早期発見は5年生存率を劇的に高め、治療における心身への負担を大きく軽減します。
この記事では、がんのステージによる生存率の具体的な違いをデータで示し、なぜ早期発見が重要なのかを徹底解説します。
この記事を読めば、あなたやあなたの大切な人の年齢・性別・生活習慣に合ったがん検査の選び方が明確になり、早期発見に向けた最適な一歩を踏み出すための知識がすべて手に入ります。
がんの早期発見がなぜ重要なのか 生存率への影響
がんは日本人の死因第一位を占める疾患ですが、決して不治の病ではありません。
がんの進行度(ステージ)が初期であるほど、治癒する可能性は飛躍的に高まります。
ステージ1とステージ4での5年生存率の比較
ステージが進むほど治療は困難になり、生存率も低下する傾向にあります。
ステージ1(早期がん)とステージ4(進行がん)では、5年後に生存している人の割合に劇的な差が生まれます。
以下の表は、代表的ながんにおけるステージ別の5年相対生存率(2014-2015年診断例)を示したものです。
これは、がん以外の原因で亡くなる方の影響を取り除いた数値で、がんそのものによる生命への影響をより正確に表しています。
| がんの種類 | ステージI | ステージIV |
|---|---|---|
| 胃がん | 96.1% | 7.2% |
| 大腸がん | 98.8% | 20.3% |
| 肺がん | 86.5% | 5.8% |
| 乳がん(女性) | 100.0% | 40.3% |
| 肝細胞がん | 72.9% | 4.0% |
出典: 国立がん研究センターがん情報サービス「院内がん登録生存率集計」
このように、多くのがんにおいて、ステージ1の段階で発見できれば極めて高い生存率が期待できることが分かります。
一方で、遠隔転移を伴うステージ4まで進行すると、5年生存率は著しく低下してしまいます。
早期発見による治療の選択肢と心身への負担軽減
がんの早期発見がもたらすメリットは、生存率の向上だけではありません。
治療法の選択肢が広がり、心身や経済的な負担を大幅に軽減できることも大きな利点です。
これらの治療は傷跡が小さく、術後の回復も早いため、入院期間の短縮や早期の社会復帰につながります。
一方、がんが進行すると、より広範囲を切除する開腹・開胸手術や、抗がん剤治療(化学療法)、放射線治療などを組み合わせた大掛かりな治療が必要になることが多くなります。
これらは体への負担が大きく、副作用や後遺症のリスクも高まるため、治療期間も長期化しがちです。治療が長引けば、それだけ医療費もかさみ、経済的な負担も重くなります。
心身ともに健やかな生活を取り戻すためにも、症状のないうちから定期的に検診を受け、がんを早期に発見することが極めて重要なのです。
がんの早期発見につながる検査方法の全体像
がんの早期発見を目指すための検査には、目的やライフスタイルに応じて選べるよう、さまざまな選択肢があります。
それぞれの特徴を理解し、ご自身に合った方法を見つけることが重要です。
しっかり調べる「病院での検査」
病院や検診センターで行う検査は、医師や専門スタッフのもと、高精度な医療機器を用いて行われるのが特徴です。
がんの確定診断や、進行度を正確に把握することを目的としています。
代表的なものに、自治体や企業が主体となって行う「がん検診」や、より広範囲を調べる「人間ドック」があります。
これらの検査は、科学的根拠に基づいた方法でがんによる死亡率を減少させることが証明されており、がんの早期発見において中心的な役割を担っています。
手軽に始める「自宅での検査」
自宅での検査は、主に郵送型の検査キットを用いて、尿や唾液、血液、便などを自分で採取して検査機関に送ることで、がんの罹患リスクを調べるスクリーニング検査です。
ただし、これらのキットはがんを確定診断するものではなく、あくまでリスクの可能性を評価するためのものです。
もし陽性や高リスクという結果が出た場合は、必ず医療機関で精密検査を受ける必要があります。
それぞれの検査方法のメリット・デメリットを理解しやすいように、以下の表にまとめました。
| 検査方法 | 目的 | 主な検査 | 費用相場 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 病院での検査 | がんの早期発見・確定診断 | がん検診、人間ドック(内視鏡、CT、マンモグラフィ等) | 無料~数万円(検診) 数万円~数十万円(人間ドック) | 精度が高く、がんの確定診断が可能。 医師による診察や相談ができる。 |
| 自宅での検査 | がんのリスク評価・スクリーニング | 郵送検査キット(尿、唾液、血液、便など) | 数千円~数万円 | 時間や場所を選ばず手軽に実施できる。 確定診断はできず、リスク評価が目的。 |
どちらの検査が良い・悪いということではなく、それぞれの特性を理解した上で、ご自身の年齢や健康状態、ライフスタイルに合わせて適切に使い分けることが、がんの早期発見への近道となります。
【病院編】がんの早期発見に役立つ検査の種類と費用
がんの早期発見において、病院での専門的な検査は非常に重要です。自覚症状がない段階でがんを発見するためには、定期的な検診が欠かせません。
この章では、公的な補助が利用できる「がん検診」と、より詳細に全身を調べる「人間ドック」を中心に、それぞれの検査内容や費用、そして信頼できる医療機関の選び方について詳しく解説します。
自治体の補助が使える「がん検診」
科学的根拠に基づき効果が認められている検査を、少ない自己負担で受けることができます。
国が推奨しているのは「5大がん検診」と呼ばれるもので、対象となる年齢や性別、受診間隔が定められています。
5大がん検診の対象と検査内容
厚生労働省が指針で定めている5大がん検診の概要は以下の通りです。
| がんの種類 | 対象者 | 検査内容 | 受診間隔 |
|---|---|---|---|
| 胃がん | 50歳以上 | 問診、胃部X線検査(バリウム)または胃内視鏡検査(胃カメラ)のいずれか | 2年に1回 |
| 子宮頸がん | 20歳以上の女性 | 問診、視診、内診、子宮頸部の細胞診 | 2年に1回 |
| 肺がん | 40歳以上 | 問診、胸部X線検査、喀痰細胞診(喫煙指数が高いなど一定の条件を満たす方) | 年に1回 |
| 乳がん | 40歳以上の女性 | 問診、乳房X線検査(マンモグラフィ) | 2年に1回 |
| 大腸がん | 40歳以上 | 問診、便潜血検査(2日法) | 年に1回 |
※上記は国の指針であり、自治体によって対象年齢や検査内容が一部異なる場合があります。詳しくはお住まいの市区町村のがん検診担当窓口にご確認ください。
がん検診の費用相場と注意点
対象年齢の方には無料クーポンが配布されることもあります。
ただし、がん検診はあくまで「がんの疑いがある人を見つけるためのスクリーニング検査」です。
検査で「要精密検査」と判定された場合は、必ず保険診療でより詳しい検査を受ける必要があります。
自己判断で放置せず、必ず専門の医療機関を受診しましょう。
全身を詳しく調べる「人間ドック」
人間ドックは、法律で定められた健康診断とは異なり、任意で受ける詳細な健康診断です。
費用は全額自己負担となるため高額になりますが、健康保険組合によっては補助が受けられる場合もあります。
人間ドックで受けられる専門的ながん検査
例えば、胃がんリスクを調べるABC検査(ピロリ菌抗体検査・ペプシノゲン検査)、腹部超音波(エコー)検査による肝臓がん・膵臓がんのチェック、胸部CT検査による詳細な肺がん検査などがあります。
女性向けには乳腺エコー検査や子宮体がん検査などが用意されていることも多いです。
PET-CT検査や腫瘍マーカー検査の費用
人間ドックのオプションとして注目度の高い検査に「PET-CT検査」と「腫瘍マーカー検査」があります。
- PET-CT検査
微量の放射性薬剤を投与し、がん細胞がブドウ糖を多く取り込む性質を利用して全身のがんを一度に調べる検査です。
費用は10万円前後からと高額ですが、予期せぬ部位のがん発見につながる可能性があります。
ただし、放射線による被ばくがあることや、がんの種類によっては発見しにくい場合があるなどのデメリットも理解しておく必要があります。 - 腫瘍マーカー検査
血液中に含まれる、がんに特有の物質の量を測定する検査です。
採血のみで手軽に行え、費用も数千円からと比較的安価です。
しかし、早期がんでは数値が上昇しにくく、またがん以外の要因で数値が変動することもあるため、この検査だけでがんの有無を確定することはできません。
あくまで補助的な検査と位置づけられています。
病院やクリニック選びで失敗しないためのポイント
質の高い検査を受けるためには、信頼できる医療機関を選ぶことが不可欠です。
- 専門医・認定医の在籍
各学会が認定する専門医や指導医がいるかを確認しましょう。特に内視鏡や画像診断(CT、マンモグラフィなど)は、医師の技術や読影経験が精度に大きく影響します。 - 検査機器の充実度
新しく高精度な検査機器を導入しているかどうかも重要なポイントです。 機器の性能によって、より小さながんを発見できる可能性が高まります。 - 豊富な実績と評判
年間の検査実績や手術件数などを公表している病院は、経験が豊富である一つの目安になります。 また、実際に受診した人の口コミや評判も参考にしましょう。 - 丁寧な説明と相談体制
検査のメリット・デメリットや、結果について分かりやすく説明してくれるか、不安な点について気軽に相談できる雰囲気があるかも大切です。
どの検査を受け、どの医療機関を選べば良いか迷った際には、かかりつけ医に相談するか、がん診療連携拠点病院などに設置されている「がん相談支援センター」で専門の相談員にアドバイスを求めることもできます。
また、信頼できる病院探しや人間ドックの予約をサポートするサービスもあります。
専門のコンシェルジュがご希望に沿った医療機関をご提案しますので、お気軽にご相談ください。
【自宅編】郵送で完結するがんの早期発見検査キット
医療機関での検査に抵抗がある方でも、がんの早期発見に向けた第一歩として活用できます。

自宅でできるがん検査キットの種類
自宅用の検査キットは、採取する検体の種類によって調べられるがんの種類や特徴が異なります。
尿や唾液で調べるがんリスク検査
尿や唾液に含まれる特定の物質を解析し、全身のがんリスクを一度に調べることができる検査です。
痛みなく手軽にできる点が大きなメリットです。
- 線虫を使った検査
嗅覚に優れた線虫という生物が、がん患者の尿に含まれる特有の匂いに反応することを利用した検査です。
「N-NOSE」などが知られており、ステージ0や1といった早期のがんにも反応するとされています。
複数の種類のがんリスクを一度に調べられますが、がんの部位までは特定できません。 - マイクロRNAを解析する検査
尿や唾液に含まれるマイクロRNAという遺伝子物質をAIで解析し、特定のがん(すい臓がん、肺がん、胃がん、大腸がん、食道がん、卵巣がん、乳がん)のリスクを判定する検査もあります。
採血や便で調べる特定のがん検査
- 採血による検査
ごく微量の血液を自分で採取し、がん細胞が存在すると増える特定の物質(腫瘍マーカー)やアミノ酸濃度などを測定します。
男性向け(前立腺がんなど)や女性向け(乳がん、子宮がんなど)に特化したキットもあります。 - 便による検査(便潜血検査)
主に大腸がんのリスクを調べる検査です。
便に混じった目に見えない血液を検出するもので、自治体の大腸がん検診でも広く採用されています。
2日分の便を採取する「2日法」が一般的で、毎年受けることで検査の精度が高まります。

自宅検査キットの費用とメリット・デメリット
例えば、便潜血検査は比較的安価ですが、複数のリスクを一度に調べる検査は高価になる傾向があります。
手軽に利用できる一方で、その特性を正しく理解しておくことが重要です。
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| 自宅検査キット | 病院に行かずに好きな時間・場所で検査できる 痛みや身体的負担が少ない検査が多い プライバシーが守られる | あくまでリスクを調べるもので、がんの確定診断はできない 偽陽性(がんでないのに陽性)や偽陰性(がんがあるのに陰性)の可能性がある 結果が陽性の場合、改めて医療機関での精密検査が必要になる 費用は全額自己負担(保険適用外) |
自宅検査キットは、がん検診を受けるきっかけとして非常に有効なツールです。
しかし、これらの検査はスクリーニング(ふるい分け)が目的であり、確定診断を行うものではありません。
「リスク高」と判定された場合はもちろん、「リスク低」と判定された場合でも、気になる症状があれば必ず専門の医療機関を受診しましょう。
どの検査を選べば良いか迷う方や、検査結果について不安な方は、かかりつけ医や専門家にご相談ください。
ご自身の年齢やリスクに合わせた最適な検査プランをご提案します。
費用や状況から自分にあった検査方法は?
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あなたに合ったがん検査の選び方
がん検査には、自治体のがん検診から人間ドックの専門的な検査、自宅で手軽にできる検査キットまで様々な選択肢があります。
しかし、すべての人に同じ検査が最適というわけではありません。
年齢や性別で考えるおすすめの検査
がんにかかるリスクは、年齢や性別によって異なります。
まずは、公的な検診を基本に、ご自身の年齢と性別に合った検査を定期的に受けることを考えましょう。
| 年代 | 男性におすすめの検査 | 女性におすすめの検査 |
|---|---|---|
| 20代・30代 | 特に対策型検診の対象はありませんが、健康的な生活習慣を心がけることが重要です。 | 【20歳〜】子宮頸がん検診(2年に1回) 20代から30代で発症数が増えるため、定期的な検診が特に重要です。 |
| 40代 | 【40歳〜】肺がん検診(年1回)、大腸がん検診(年1回) 喫煙習慣のある方は、喀痰細胞診も併せて受けることが推奨されます。 | 【40歳〜】乳がん検診(2年に1回)、肺がん検診(年1回)、大腸がん検診(年1回) 40歳からは5大がん検診のうち4つの検診が対象となります。 |
| 50代以上 | 【50歳〜】胃がん検診(2年に1回) 40代からの検査に加え、胃がん検診が推奨されます。 前立腺がんのリスクも高まるため、人間ドックなどでPSA検査の追加も検討しましょう。 | 【50歳〜】胃がん検診(2年に1回) 40代からのがん検診を継続して受診することが大切です。 |
※上記は国が推奨する対策型検診の一般的なスケジュールです。
お住まいの自治体によって内容が異なる場合があります。
家族歴や生活習慣からがんのリスクを考える
血縁者にがんになった方がいる場合、特定のがんのリスクが通常より高い可能性があります。
例えば、母親や姉妹が乳がんにかかった方は、30代から乳がん検診を受けることが推奨される場合があります。
また、喫煙、過度な飲酒、偏った食生活、運動不足といった生活習慣も、がんの罹患リスクを高めることが科学的に示されています。
国立がん研究センターのウェブサイトでは、ご自身の生活習慣からがんのリスクをチェックすることも可能です。
ご自身の生活習慣を振り返り、リスクが高いと思われるがんについて、より詳しい検査(人間ドックのオプション検査など)を検討することも有効な選択肢です。
どの検査を選べば良いか迷ったら専門家へ相談を
「自分にはどんな検査が必要なのか分からない」「どのくらいの頻度で受ければ良いのか判断できない」など、検査選びに迷うこともあるでしょう。
そのような場合は、一人で悩まずに専門家へ相談することが大切です。
まずは、かかりつけの医師に相談してみましょう。
また、人間ドックを実施している医療機関では、専門の相談窓口を設けている場合もあります。
専門の医師やコーディネーターが、あなたの疑問や不安に丁寧に答え、一人ひとりに合った検査プランの提案をしてくれます。
検査を受けることは、あなたとあなたの大切な人の未来を守るための第一歩です。少しでも気になることがあれば、ぜひ専門家への相談をご検討ください。
まとめ
本記事では、がんの早期発見がなぜ重要なのか、そしてそのための具体的な検査方法について解説しました。
がんの早期発見は、ステージ1とステージ4では5年生存率に大きな差があることからもわかるように、生存率を劇的に向上させる最も有効な手段です。
また、早期であればあるほど治療の選択肢が広がり、心身や経済的な負担も軽減できます。
検査方法には、自治体の補助が利用できる「がん検診」や全身を詳しく調べる「人間ドック」といった病院での精密な検査と、自宅で手軽にがんのリスクを調べられる「郵送検査キット」の2つの選択肢があります。
それぞれに費用や精度、手軽さといったメリット・デメリットがあるため、ご自身の状況に合わせて選ぶことが大切です。
どの検査を受けるべきかを選ぶ際は、年齢や性別、家族のがん既往歴、生活習慣などを考慮し、ご自身のリスクを把握することが第一歩となります。
この記事をきっかけに、まずはご自身に合った検査は何かを考えてみましょう。
「まだ大丈夫」と先延ばしにせず、まずは自治体のがん検診の対象年齢かを確認したり、手軽な自宅検査キットを試したりするなど、具体的な行動を起こすことがご自身と大切な家族の未来を守ることにつながります。
もし検査選びに迷ったら、一人で悩まずにかかりつけ医や専門の医療機関へ相談してください。




