乳がんの好発部位、あなたはご存知ですか?
この記事では、乳がんが最も発生しやすい場所をランキングで紹介し、特に乳房の外側上部に多い理由を解説します。
好発部位を意識した正しいセルフチェック方法から、早期発見の重要性、そしていざという時のための検診や治療法まで、乳がんに関する知識を深め、ご自身の健康管理に役立つ情報が得られます。
乳がんとは 基礎知識を解説
乳がんは、乳房を構成する組織の一部である乳腺(母乳を作り出す組織や母乳を乳頭まで運ぶ乳管)に発生する悪性腫瘍です。
日本人女性が生涯のうちに最もかかりやすいがんであり、その罹患数は年々増加傾向にあります。
しかし、早期に発見し適切な治療を行えば、良好な経過が期待できるがんの一つでもあります。
この章では、乳がんの基本的な知識について解説します。
乳がんの概要と現状
乳がんは、乳房内の乳腺組織から発生します。多くは乳管から発生する「乳管がん」ですが、母乳を作る小葉から発生する「小葉がん」などもあります。
乳がんの発生には、女性ホルモンであるエストロゲンが深く関わっていると考えられています。
日本国内では、年間約9万人以上の女性が新たに乳がんと診断されており、女性のがんの中では罹患数が最も多いです(国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」2019年データに基づく)。
生涯で乳がんにかかる日本人女性は、現在9人に1人と推計されており、誰にとっても他人事ではない病気と言えるでしょう(国立がん研究センターがん情報サービス「最新がん統計」)。
乳がんの罹患率は30代後半から増加しはじめ、40代後半から60代後半にかけてピークを迎えますが、それ以外の年代でも発症する可能性はあります。
また、男性にも乳がんが発生することがあり、全乳がんの約1%程度を占めます。
早期発見・早期治療により治癒率の向上が期待できるため、乳がんに関する正しい知識を持ち、定期的な検診やセルフチェックを心がけることが非常に重要です。
詳細な統計情報については、国立がん研究センターがん情報サービス「乳がん 統計」をご参照ください。
乳がんの種類について
乳がんは、がん細胞の広がり方(浸潤がんか非浸潤がんか)、組織型(がん細胞の顔つき)、そしてがん細胞の性質(ホルモン受容体やHER2タンパクの発現状況など)によって、いくつかの種類に分類されます。
これらの分類は、治療方針の決定や予後の予測に大きく関わってきます。
組織型による分類(がん細胞の広がり方と顔つき)
乳がんは、がん細胞が乳管や小葉の基底膜を越えて周囲の組織に広がっているかどうかで、「非浸潤がん」と「浸潤がん」に大別されます。
さらに、がん細胞の形態によって細かく分類されます。
| 分類 | 主な種類 | 特徴 |
|---|---|---|
| 非浸潤がん (がん細胞が乳管・小葉内にとどまる) | 非浸潤性乳管がん | がん細胞が乳管の中にとどまっている状態です。最も早期の乳がんの一つで、この段階で発見・治療されれば、転移の可能性は極めて低く、予後は非常に良好です。 |
| 非浸潤性小葉がん | がん細胞が小葉の中にとどまっている状態です。厳密には「がん」ではなく、乳がんの発症リスクが高い状態(前がん病変に近い)と考えられています。 | |
| 浸潤がん (がん細胞が周囲組織に広がる) | 浸潤性乳管がん | 乳がんの中で最も多いタイプで、全体の約70~80%を占めます。乳管の壁を破って、がん細胞が周囲の間質組織に広がっています。 |
| 浸潤性小葉がん | 乳がんの約5~15%を占めます。小葉から発生し、がん細胞が一列に並んで浸潤していく特徴があります。しこりとして触れにくいこともあります。 | |
| 特殊型 | 炎症性乳がん | まれなタイプですが、進行が速く、乳房全体が赤く腫れたり、熱感を持ったり、皮膚が厚くなったりするなどの特徴的な症状を示します。迅速な診断と治療が必要です。 |
| パジェット病 (乳房パジェット病) | 乳頭や乳輪に湿疹やただれのような症状が現れるまれなタイプの乳がんです。多くの場合、乳管がんを伴っています。 |
性質による分類(サブタイプ分類)
浸潤がんでは、がん細胞の持つ性質(ホルモン受容体の有無、HER2タンパクの発現状況、細胞増殖能の高さなど)を調べることで、主に以下のサブタイプに分類されます。
このサブタイプ分類は、薬物療法(ホルモン療法、化学療法、分子標的治療など)の選択に極めて重要です。
| サブタイプ | ホルモン受容体 (エストロゲン受容体: ER, プロゲステロン受容体: PgR) | HER2タンパク | Ki67 (増殖能マーカー) | 主な治療方針の傾向 |
|---|---|---|---|---|
| ルミナルA型 | 陽性 | 陰性 | 低い | 主にホルモン療法が効果的。比較的おとなしいタイプが多い。 |
| ルミナルB型 (HER2陰性) | 陽性 | 陰性 | 高い | ホルモン療法が基本だが、化学療法も検討される。 |
| ルミナルB型 (HER2陽性) | 陽性 | 陽性 | 問わない | ホルモン療法、化学療法、抗HER2療法を組み合わせることが多い。 |
| HER2陽性型 (非ルミナル) | 陰性 | 陽性 | 問わない | 抗HER2療法と化学療法の組み合わせが中心。 |
| トリプル ネガティブ型 | 陰性 | 陰性 | 問わない | ホルモン療法や抗HER2療法の効果が期待できず、主に化学療法が選択される。 近年、免疫チェックポイント阻害薬が適応となる場合もある。 |
これらの乳がんの種類やサブタイプを正確に診断することで、一人ひとりの患者さんに最適化された治療法が選択されます。
より詳しい情報や最新の治療法については、専門医やFPにご相談いただくか、日本乳癌学会の患者さんのための乳がん診療ガイドラインなども参考にしてください。

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乳がんの好発部位ランキング
乳がんは乳房のさまざまな場所に発生する可能性がありますが、実はできやすい部位には一定の傾向があります。
この章では、乳がんの好発部位をランキング形式でご紹介し、なぜ部位によって発生頻度に偏りがあるのか、そして左右差やその他の注意すべき点について詳しく解説します。
ご自身のセルフチェックや検診への意識を高めるためにも、ぜひ参考にしてください。
乳がんができやすい場所 第1位
乳がんの発生が最も多い部位は、「乳房の外側上部」です。
これは、乳房を4つのエリア(外側上部、内側上部、外側下部、内側下部)に分けた場合、脇の下に近い外側の上の部分を指します。
報告によって多少の差異はありますが、乳がん全体の約40%~50%がこのエリアに発生すると言われています。
この部位は乳腺組織が最も密に分布しているため、がんが発生しやすいと考えられています。
乳がんができやすい場所 第2位
次に乳がんが発生しやすいのは、「乳房の内側上部」です。
これは、乳房の胸骨に近い内側の上の部分です。
全体の約15%~25%程度がこの部位に発生するとされています。
外側上部ほどではありませんが、こちらも乳腺組織が比較的多く存在しています。
乳がんができやすい場所 第3位
第3位は、「乳房の外側下部」で、脇の下に近い外側の下の部分にあたります。
発生頻度は全体の約10%~15%程度とされています。
これらの上位3つの部位で、乳がん全体の多くを占めることになります。
以下に、乳がんの好発部位と一般的な発生頻度の目安をまとめます。
| 順位 | 部位 | 発生頻度(目安) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 第1位 | 乳房の外側上部 | 約40~50% | 脇の下に近く、乳腺組織が最も多い。 |
| 第2位 | 乳房の内側上部 | 約15~25% | 胸骨に近く、乳腺組織が比較的多い。 |
| 第3位 | 乳房の外側下部 | 約10~15% | 外側の下部分。 |
| その他 | 乳房の内側下部 | 約5~10% | 内側の下部分。 |
| その他 | 乳輪部・乳頭部周辺 | 約5~10% | 乳頭やその周りの色素の濃い部分。 パジェット病などもこの部位に発生。 |
※発生頻度はあくまで目安であり、報告によって数値が異なる場合があります。
これらの情報を知っておくことは、日々のセルフチェックで特に注意深く観察すべきエリアを意識するのに役立ちます。
例えば、国立がん研究センターがん情報サービスでも、乳がんの発生部位について触れられています(国立がん研究センターがん情報サービス 乳がん)。
なぜ乳がんの好発部位に偏りがあるのか
乳がんの発生部位に偏りが見られる主な理由は、乳腺組織の分布量と密度に関係していると考えられています。
乳腺は、母乳を作る小葉と、作られた母乳を乳頭まで運ぶ乳管から構成されています。
この乳腺組織が乳房全体に均等に分布しているわけではなく、特に「乳房の外側上部」に最も多く、密度も高く存在しているのです。
がん細胞は、正常な細胞の遺伝子に傷がつくことで発生しますが、細胞分裂が活発な組織や、細胞の数が多い組織ほど、がん化のリスクが高まる傾向があります。
そのため、乳腺組織が豊富な部位で乳がんが発生しやすいのは、ある意味で自然なことと言えるでしょう。
ホルモンの影響を受ける乳腺組織の特性も、発生部位の偏りに関与している可能性が指摘されていますが、最も直接的な要因は乳腺の量と考えられています。
左右差やその他の部位の可能性
乳がんの発生に関して、左右の乳房で発生率に大きな差はないとされていますが、いくつかの統計ではわずかに左側の乳房に多い傾向が示されることもあります。
しかし、この差は顕著なものではなく、医学的な理由も明確にはなっていません。
したがって、セルフチェックや検診においては、左右どちらの乳房も同じように注意深く観察することが非常に重要です。
また、ランキングで示した上位の部位以外にも、乳がんは発生します。
「乳房の内側下部」や、乳頭および乳輪部周辺も発生部位となり得ます。
特に乳頭部やその周辺にできるがんの中には、「パジェット病」と呼ばれる特殊なタイプのがんも含まれます。
これは乳頭や乳輪にかゆみやただれ、湿疹のような症状が現れるもので、初期には皮膚疾患と間違われやすいこともあります。
重要なのは、「好発部位がある」という知識はあくまで傾向であり、乳房のどの部分にも乳がんができる可能性があるということを理解しておくことです。
特定の部位だけに注意を払うのではなく、乳房全体と脇の下を含めて、くまなくチェックする習慣をつけましょう。
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乳がんの初期症状 好発部位とあわせてチェック
乳がんの早期発見には、好発部位を知ることと同時に、どのような初期症状が現れるのかを理解しておくことが非常に重要です。
しこりが最も代表的な症状ですが、それ以外にも注意すべきサインがあります。
ここでは、乳がんの初期症状について、好発部位と関連付けながら詳しく解説します。
しこり以外の乳がんのサイン
乳がんの症状として最もよく知られているのは「しこり」ですが、それ以外にも以下のような様々なサインが現れることがあります。
これらの症状は、乳がんの発生部位や進行度によって現れ方が異なるため、一つでも気になる変化があれば専門医に相談しましょう。
| 症状のカテゴリ | 具体的なサインの例 | 補足説明 |
|---|---|---|
| 乳頭からの分泌物 | 血液が混じったような分泌物、茶色や黒っぽい分泌物、透明 または乳汁様の分泌物(授乳期以外) | 特に片方の乳頭からのみ、持続的に見られる場合は注意が必要です。 |
| 皮膚の変化 | くぼみ、ひきつれ、ただれ、発赤、オレンジの皮のような ぶつぶつ(毛穴が目立つ状態)、湿疹のような状態 | がん細胞が皮膚の近くまで浸潤することで起こります。 「えくぼサイン」と呼ばれるくぼみは代表的なものです。 |
| 乳房の形や大きさの変化 | 左右の乳房の大きさが以前より明らかに異なる、 乳房の一部がへこむ・膨らむ、乳房全体の形がいびつになる | 急激な変化や、部分的な変形に気づいたら要注意です。 |
| 脇の下の腫れやしこり | 脇の下のリンパ節の腫れ、しこり感、痛み | 乳がんがリンパ節に転移することで起こることがあります。 乳房にしこりが触れなくても、脇の下に症状が出ることもあります。 |
| 乳頭の変化 | 乳頭の陥没(もともと陥没していない場合)、ただれ、かゆみ、向きの変化 | 乳頭や乳輪部にできる特殊なタイプの乳がん(パジェット病など)の可能性も考慮されます。 |
これらの症状は、必ずしも乳がんであるとは限りませんが、自己判断せずに医療機関を受診することが早期発見・早期治療への第一歩です。
乳頭からの分泌物
乳頭からの分泌物は、乳がんのサインの一つとして注意が必要です。
特に、血液が混じったような赤い分泌物や、黒っぽい、あるいは茶褐色の分泌物が見られる場合は、乳管内乳頭腫や乳がんの可能性があります。
また、授乳期でもないのに乳汁様や透明な分泌物が片方の乳頭から持続的に出る場合も注意が必要です。
両方の乳頭から、または複数の乳管から分泌物が出る場合は、ホルモンバランスの乱れなどが原因であることも多いですが、自己判断は禁物です。
分泌物の色、量、性状、そしてそれが片側性か両側性かなどを記録しておくと、診察時に役立ちます。
皮膚の変化(くぼみ ひきつれ ただれなど)
乳房の皮膚に現れる変化も、乳がんを見つけるための重要な手がかりです。代表的なものに「えくぼサイン」があります。
これは、がんが皮膚の近くにある場合に、皮膚が内側に引き込まれてくぼみができる現象です。
また、皮膚がオレンジの皮のように赤く硬くなったり、毛穴が目立ってぶつぶつしたりする「皮膚の浮腫様変化(peau d’orange)」も炎症性乳がんなどで見られることがあります。
その他、皮膚のひきつれ、ただれ、発赤、湿疹のような状態が治りにくい場合も注意が必要です。
これらの変化は、がん細胞が皮膚組織やリンパ管に影響を及ぼすことで生じます。
乳房の形や大きさの変化
乳房の形や大きさの変化も、注意深く観察すべきポイントです。
もともと左右の乳房の大きさが完全に同じであることは稀ですが、以前と比べて明らかに左右差が大きくなった、片方の乳房だけが不自然に大きくなった、または小さくなったと感じる場合は注意が必要です。
また、乳房の輪郭が以前と変わって部分的に膨らんでいたり、逆にへこんでいたりするのもサインの一つです。
鏡の前で両腕を上げ下げしたり、体をひねったりしながら、多角的に乳房の形や輪郭に変化がないかを確認しましょう。
脇の下の腫れやしこり
脇の下(腋窩部:えきかぶ)の腫れやしこりも、乳がんの重要なサインです。
これは、乳がん細胞が乳房近くのリンパ節(特に腋窩リンパ節)に転移した場合に起こることがあります。
乳房自体にはしこりなどの自覚症状がなくても、脇の下に先に症状が現れることもあります。
触ってみて、普段とは違う硬いしこりや、ゴリゴリとした感触、あるいは明らかな腫れを感じたら、速やかに医療機関を受診してください。
痛みがある場合もない場合もありますが、痛みの有無だけで自己判断するのは危険です。
セルフチェックの際には、乳房だけでなく、脇の下もしっかりと触って確認することが大切です。
これらの初期症状は、乳がんの好発部位に現れることもあれば、それ以外の場所に現れることもあります。
日頃からご自身の乳房の状態に関心を持ち、小さな変化も見逃さないようにしましょう。
国立がん研究センターがん情報サービスのウェブサイトでも、乳がんの症状について詳しい情報が提供されていますので、参考にしてください(国立がん研究センターがん情報サービス「乳がんについて」)。
また、FPに相談することでがん情報から自分にあったがん保険を確認できます。
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乳がんの好発部位を意識したセルフチェックの方法
乳がんの早期発見には、ご自身で行うセルフチェック(自己検診)が非常に重要です。
乳がんの好発部位を意識しながら、定期的に乳房の状態を確認する習慣をつけましょう。
この章では、具体的なセルフチェックの方法やポイントを詳しく解説します。
セルフチェックの重要性と目的
乳がんのセルフチェックは、医療機関での定期的な検診を補完し、次の検診までの間に発生する可能性のある変化を早期に捉えるために行います。
乳がんは、早期に発見すればするほど治療の選択肢が広がり、治癒率も高くなることが知られています。セルフチェックの主な目的は以下の通りです。
- 普段の自分の乳房の状態を知り、小さな変化にも気づきやすくする。
- しこりや皮膚の変化など、乳がんのサインを早期に発見する。
- 異常を感じた際に、速やかに医療機関を受診するきっかけとする。
セルフチェックは、特別な器具を必要とせず、誰でも手軽に始められる乳がん対策の第一歩です。
「ブレスト・アウェアネス(乳房を意識する生活習慣)」という考え方もあり、これは日頃から自分の乳房の状態に関心を持ち、変化を感じたら速やかに医師に相談するというものです。
セルフチェックはこのブレスト・アウェアネスを実践する具体的な方法の一つと言えます。
セルフチェックに適した時期と頻度
セルフチェックの効果を高めるためには、適切な時期に定期的に行うことが大切です。
乳房の状態は女性ホルモンの影響で変化するため、以下のタイミングを目安にしましょう。
| 対象者 | セルフチェックに適した時期 | 頻度 |
|---|---|---|
| 月経のある方 | 月経開始から7~10日後(月経終了後数日~排卵期前)。 この時期は乳房の張りや痛みが比較的少なく、しこりなどの変化を見つけやすいとされています。 | 毎月1回 |
| 閉経後の方、または月経不順の方 | 乳房の状態が安定しているため、毎月1回、ご自身で覚えやすい日 (例:毎月1日、給料日など)を決めて行いましょう。 | 毎月1回 |
妊娠中や授乳中の方も、乳腺の状態は変化しますが、可能な範囲でセルフチェックを続けることが推奨されます。
ただし、判断が難しい場合もあるため、気になる変化があれば医師に相談しましょう。
具体的なセルフチェックの手順 見て触って確認
セルフチェックは、「見て(視診)」と「触って(触診)」の2つのステップで行います。明るい場所で、鏡を使いながら丁寧に行いましょう。
特に乳がんの好発部位である乳房の外側上部(脇の下に近い部分)は意識して確認してください。
鏡の前で見るチェックポイント
まず、鏡の前に立ち、腕を自然に下ろした状態、両腕を上げた状態、両手を腰に当てて胸の筋肉に力を入れた状態で、以下の点を観察します。
- 乳房の形や大きさの変化
- 左右の乳房の形や大きさに以前と比べて変化がないか。片方だけが不自然に大きくなっていないか。(もともと多少の左右差は誰にでもあります)
- 皮膚の変化
- くぼみやひきつれ:皮膚の一部がへこんだり、つっぱった感じがないか。
- ただれや湿疹:乳頭や乳輪、乳房の皮膚に治りにくい湿疹やただれがないか。
- 色の変化や発赤:皮膚が赤くなったり、オレンジの皮のようにぶつぶつと毛穴が目立つような変化がないか。
- 血管の怒張:皮膚表面の血管が以前より目立って浮き出ていないか。
- 乳頭の変化
- 乳頭の陥没:乳頭が以前よりも内側に引き込まれていないか。(生まれつきの陥没乳頭とは区別します)
- 乳頭の位置の変化:乳頭の向きが以前と変わっていないか。
- ただれや分泌物:乳頭にただれや湿疹がないか。血液の混じった分泌物や、片方の乳頭から自然に出てくる透明・黄色の分泌物がないか。(軽くつまんでみるのではなく、自然に出てくるかを確認)
実際に触って調べるチェックポイント(仰向け 座った状態)
次に、実際に乳房を触ってしこりや硬い部分がないかを確認します。
指の腹(指先ではなく、指紋のある部分)を使い、乳房全体をまんべんなく、優しく、しかしある程度の圧をかけて触ります。
石鹸やボディローションなどを使うと、指の滑りが良くなり、変化を見つけやすくなります。入浴時に行うのも効果的です。
- 仰向けで調べる
- 調べる側の腕を頭の後ろに上げます。肩の下に枕やたたんだタオルを入れると、乳房が平らになり触りやすくなります。
- 反対側の手の指の腹(人差し指・中指・薬指の3本または4本をそろえて)で、乳房全体をくまなく触ります。「の」の字を描くように、または肋骨に沿って平行に、軽い圧から徐々に深い圧へと変えながら、しこりや硬い部分がないか調べます。
- 乳房の内側、外側、上部、下部、そして乳頭の真下まで、丁寧に触ります。特に乳がんの好発部位である乳房の外側上部は入念にチェックしましょう。
- 座った状態または立った状態で調べる
- 仰向けと同様に、調べる側の腕を上げ、反対側の手の指の腹で乳房全体を触ります。
- 特に乳房の下半分は、座った状態や立った状態の方が触りやすいことがあります。
- しこり
- コリコリとした硬い塊、豆のようなもの、動くもの、動かないものなど、普段と違う感触がないか。
- 乳房の硬さの変化
- 乳房の一部が他の部分と比べて硬くなっていないか。
- 痛み
- 乳がんは痛みを伴わないことが多いですが、まれに痛みを伴うこともあります。普段と違う痛みや圧痛がないか。
参考情報として、日本対がん協会ではブレスト・アウェアネス(乳房を意識する生活習慣)として、具体的な自己検診の方法も紹介しています。
詳しくは乳がん検診とブレスト・アウェアネスもご参照ください。
脇の下のリンパ節も忘れずに
乳がんは、脇の下(腋窩:えきか)のリンパ節に転移しやすい性質があります。
そのため、乳房のセルフチェックと同時に、脇の下にしこりや腫れがないかも確認しましょう。
- 調べる側の腕を少し上げた状態、または自然に下ろした状態で、反対側の手の指の腹で脇の下のくぼんだ部分を触ります。
- 奥の方まで、少し力を入れてグリグリと触ってみて、しこりや腫れがないかを確認します。
セルフチェックで異常を見つけたら
セルフチェックで「いつもと違う」「何かおかしい」と感じる変化を見つけた場合は、自己判断せずに、必ず乳腺外科や乳腺専門医のいる医療機関を受診してください。
しこりなどの変化がすべて乳がんというわけではなく、乳腺症や線維腺腫といった良性の病気である可能性もあります。
しかし、その判断は専門医による精密検査が必要です。
受診の際には、いつからどのような変化に気づいたのか、具体的に医師に伝えることが大切です。
不安な気持ちを抱え込まず、専門家のアドバイスを受けましょう。
早期発見・早期治療が、乳がん治療において最も重要です。
乳がんの早期発見のために 好発部位の知識を活かす
乳がんの好発部位を知ることは、セルフチェックの精度を高め、変化に気づきやすくするために非常に重要です。
しかし、それだけで乳がんの全てを見つけられるわけではありません。
好発部位の知識をセルフチェックに活かしつつ、定期的な乳がん検診を組み合わせることが、乳がんの早期発見・早期治療への最も確実な道となります。
早期発見のメリット 生存率と治療の選択肢
乳がんを早期に発見することには、計り知れないほど大きなメリットがあります。
最も大きなメリットは、生存率が格段に高まることです。
乳がんは、発見が早ければ早いほど、治癒する可能性が高くなります。
以下の表は、乳がんのステージ別5年相対生存率(2014-2015年診断症例)を示したものです。
早期であるステージ0やIで発見された場合の生存率が非常に高いことがわかります。
| ステージ | 5年相対生存率 | 解説 |
|---|---|---|
| 0期(非浸潤がん) | 100% | がん細胞が乳管や小葉の中にとどまっている状態 |
| I期 | 99.8% | しこりの大きさが2cm以下で、脇の下のリンパ節への転移がない状態 |
| II期 | 95.7% | しこりの大きさが2cmを超えるか、脇の下のリンパ節への転移が見られる状態 |
| III期 | 80.7% | がんが乳房の皮膚や胸壁に広がっているか、脇の下のリンパ節への転移が広範囲に見られる状態 |
| IV期 | 39.6% | 遠隔臓器(骨、肺、肝臓、脳など)への転移がある状態 |
出典:国立がん研究センター がん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)(最新のデータはリンク先でご確認ください)
また、早期発見は治療の選択肢が広がり、身体への負担が少ない治療を選べる可能性も高まります。
例えば、乳房を温存する手術(乳房部分切除術)が選択できたり、手術後の放射線治療や薬物療法(抗がん剤治療、ホルモン療法など)の規模を縮小できたりする場合があります。
これにより、治療期間の短縮や副作用の軽減、そして治療後のQOL(生活の質)の維持にも繋がります。
定期的な乳がん検診のすすめ
セルフチェックは早期発見の第一歩として非常に重要ですが、自分では気づきにくい小さなしこりや、しこりを作らないタイプの乳がん(石灰化として現れる非浸潤がんなど)を発見するためには、定期的な乳がん検診が不可欠です。
特に、乳がんの好発部位を意識していても、初期の微細な変化は専門的な検査でなければ捉えられないことがあります。
代表的な乳がん検診には、マンモグラフィ検査と超音波(エコー)検査があります。
マンモグラフィ検査とは
マンモグラフィ検査は、乳房専用のX線撮影装置を使って、乳房を板で挟んで圧迫し、薄く広げて撮影する検査です。
この圧迫により、少ないX線量で鮮明な画像を得ることができ、乳腺の重なりを少なくして病変を見つけやすくします。
特に、しこりとして触れる前の早期のがん(微細な石灰化像を伴う乳がんなど)の発見に優れています。
一方で、乳腺の密度が高い「高濃度乳腺(デンスブレスト)」の方の場合、乳腺組織全体が白っぽく写るため、がんによる白い影が見えにくいことがあります。
検査時には多少の痛みを伴うことがありますが、数秒程度で終わります。放射線被曝量はごく微量で、自然界で1年間に受ける放射線量よりも少ないレベルです。
日本では、厚生労働省の指針に基づき、40歳以上の女性に対して2年に1回のマンモグラフィ検査による乳がん検診が推奨されています。
超音波検査(エコー検査)とは
超音波検査(エコー検査)は、乳房に超音波を発信する装置(プローブ)を当て、その反射波(エコー)を画像化して乳房内部の状態を調べる検査です。
放射線被曝の心配がなく、痛みもほとんどありません。妊娠中や授乳中の方でも安全に受けることができます。
超音波検査は、マンモグラフィでは見つかりにくい小さなしこりや、乳腺濃度の高い若い世代や高濃度乳腺の方の乳がん発見に有用とされています。
また、しこりが良性か悪性かの鑑別や、しこりの内部構造、血流の状態などを詳しく観察することができます。
ただし、微細な石灰化の描出はマンモグラフィに劣る場合があり、検査を行う技師の技術によって診断精度が左右される可能性も指摘されています。
年齢やリスクに応じた検診の選び方
乳がん検診の適切な受け方は、年齢や個人のリスクによって異なります。
以下に一般的な目安を示しますが、最終的には医師と相談し、ご自身に合った検診方法と頻度を決めることが重要です。
| 年代 | 推奨される検診・対策 | ポイント |
|---|---|---|
| 20代・30代 | 月1回のセルフチェック (必要に応じて超音波検査) | 乳がんの罹患率は低いですが、若年性乳がんも存在します。セルフチェックを習慣化しましょう。 乳がんの家族歴が濃い方や、遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)のリスクが高い方は、 専門医に相談し、超音波検査の定期的な実施や遺伝カウンセリングを検討しましょう。 |
| 40代 | 月1回のセルフチェック 2年に1回のマンモグラフィ検査 (必要に応じて超音波検査の併用) | 自治体や職場の乳がん検診(マンモグラフィ)の対象年齢です。積極的に受診しましょう。 高濃度乳腺(デンスブレスト)と診断された場合は、マンモグラフィに加えて超音波検査を併用することで、 がんの発見率が向上する可能性があります。医師と相談してください。 |
| 50代以上 | 月1回のセルフチェック 2年に1回のマンモグラフィ検査 (必要に応じて超音波検査の併用) | 引き続き定期的なマンモグラフィ検査が推奨されます。 閉経後は乳腺濃度が低下する傾向にありますが、個人差があります。 ご自身の乳腺の状態やリスクに応じて、医師と検査方法を相談しましょう。 |
乳がんの家族歴(特に母親や姉妹)、乳がんの既往歴、良性乳腺疾患の既往、出産経験がない、初産年齢が高い、閉経後の肥満、長期のホルモン補充療法などは、乳がんのリスクを高める要因とされています。
これらのリスク因子に該当する方は、より積極的に検診を受け、医師と相談することが推奨されます。
医療機関での検査と診断の流れ
セルフチェックで異常を感じたり、乳がん検診で「要精密検査」と判定されたりした場合は、速やかに乳腺専門医のいる医療機関を受診しましょう。
精密検査では、以下のような流れで診断が進められます。
- 問診・視触診
医師が症状や既往歴、家族歴などを詳しく聞き取り、乳房や脇の下の状態を観察し、触ってしこりの有無や状態を確認します。 - 画像検査(再検査・精密検査)
マンモグラフィや超音波検査を再度行ったり、より詳しく調べるためにMRI検査やCT検査などが追加されたりすることがあります。これらの検査で、病変の位置、大きさ、広がり、性質などを評価します。 - 細胞診・組織診(生検)
画像検査でがんが疑われる病変が見つかった場合、確定診断のために細胞や組織を採取して顕微鏡で調べる検査(病理検査)が行われます。- 穿刺吸引細胞診:細い針を刺して細胞を吸引し、がん細胞の有無を調べます。
- 針生検(コアニードル生検):細胞診より太い針を使い、組織の一部を採取します。がんの種類や性質をより詳しく調べることができます。局所麻酔下で行われます。
- マンモトーム生検(吸引式組織生検):マンモグラフィや超音波で病変を確認しながら、専用の針を刺入し、組織を吸引・採取します。微小な石灰化や小さなしこりの診断に有用です。
- 診断確定と病期(ステージ)診断
生検の結果、がん細胞が確認されると乳がんと診断されます。さらに、がんの種類(組織型)、悪性度、ホルモン受容体の有無(エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体)、HER2タンパクの発現状況などを調べ、がんの性質を詳しく評価します。これらの情報と画像検査の結果を総合して、がんの進行度(ステージ)が決定されます。 - 治療方針の決定
診断結果とステージに基づき、乳腺外科医、腫瘍内科医、放射線治療医、病理医などの専門家が連携する「キャンサーボード(多職種カンファレンス)」で最適な治療方針が検討されます。その後、患者さんとご家族に詳しい説明があり、十分な話し合いの上で、個々の状況に合わせた治療法が決定されます。
乳がんの早期発見は、ご自身の未来を守るための大切な一歩です。
好発部位の知識を活かしたセルフチェックと、定期的な乳がん検診を両輪として、乳がんから身を守りましょう。
乳がんの治療法と好発部位の関係
乳がんの治療法は、がんの進行度(ステージ)や性質(サブタイプ)、そして患者さんの状態や希望を総合的に考慮して決定されます。
好発部位の知識は主に早期発見に役立ちますが、治療法の選択においても間接的に関わることがあります。
この章では、乳がんの主な治療法と、好発部位が治療選択にどのように影響しうるのかを解説します。
乳がんのステージ(病期)と治療方針の決定
乳がんの治療方針を決定する上で最も重要な要素の一つが、がんの進行度を示す「ステージ(病期)」です。
ステージは、がんの大きさ(T因子)、乳房の近くのリンパ節への転移の有無や範囲(N因子)、他の臓器への遠隔転移の有無(M因子)を組み合わせたTNM分類によって、主に0期からIV期に分類されます。
以下に各ステージの一般的な特徴と治療の考え方を示します。
| ステージ | がんの状態 | 主な治療方針の考え方 |
|---|---|---|
| 0期(非浸潤がん) | がん細胞が乳管や小葉の中にとどまっている状態。 | 手術が基本。状況により放射線治療やホルモン療法も検討。 |
| I期 | しこりの大きさが2cm以下で、脇の下の リンパ節への転移がないか、あってもごくわずか。 | 手術が基本。術後に薬物療法や放射線治療を追加することが多い。 |
| II期 | しこりの大きさが2cmを超え5cm以下、または脇の下のリンパ節への転移がある。 あるいは、しこりの大きさが5cmを超えるがリンパ節転移はない状態。 | 手術、薬物療法、放射線治療を組み合わせる集学的治療が中心。 |
| III期 | しこりが5cmを超えるか、脇の下のリンパ節への転移が広範囲、 または胸壁への固定や皮膚への広がりがある。遠隔転移はない。 | 薬物療法から開始し、手術や放射線治療を組み合わせることが多い。 |
| IV期 | 骨、肺、肝臓、脳など、乳房から離れた臓器に転移(遠隔転移)がある。 | 薬物療法が治療の中心。症状緩和のための放射線治療や手術も検討。 |
好発部位が直接的にステージを決定づけるわけではありませんが、例えば触診しにくい部位や自覚症状が出にくい部位にがんが発生した場合、発見が遅れて進行したステージで見つかる可能性は否定できません。
そのため、好発部位を意識したセルフチェックと定期的な検診が重要となります。
治療方針は、これらのステージ分類に加え、後述するがんの性質(サブタイプ)、患者さんの年齢、全身状態、併存疾患、そして何よりも患者さんご自身の希望を総合的に考慮して、担当医と十分に話し合って決定されます。
詳細については、国立がん研究センターがん情報サービス「乳がん 治療」もご参照ください。
主な乳がんの治療法と好発部位による影響
乳がんの主な治療法には、手術療法、放射線治療、薬物療法(ホルモン療法、化学療法、分子標的治療など)があります。
これらの治療法は、単独で行われることもあれば、複数を組み合わせて行われることもあります(集学的治療)。
好発部位の情報が、これらの治療法の選択にどのように関わるかを見ていきましょう。
手術療法と好発部位
手術は、乳がん治療の基本となる局所療法です。
がん細胞を取り除くことを目的とし、主に「乳房温存手術」と「乳房切除術(全摘術)」があります。
- 乳房温存手術
- がんのしこりとその周囲の乳腺組織を部分的に切除し、乳房のふくらみをできるだけ残す手術です。手術後に放射線治療を行うのが一般的です。
- 乳房切除術(全摘術)
- がんのある側の乳房全体を切除する手術です。同時に乳房再建を行うことも可能です。
がんの発生部位(好発部位)や大きさ、広がり、個数は、これらの術式選択に影響を与えます。
- 乳房の外側上部など、比較的切除しやすく、術後の整容性も保ちやすい部位にできた単発の小さながんであれば、乳房温存手術が選択されやすい傾向にあります。
- 一方、がんが乳頭や乳輪に近い場合、広範囲に広がっている場合(特に非浸潤がんが広範な場合)、複数のしこりがある場合、あるいは遺伝的背景(例:遺伝性乳がん卵巣がん症候群)がある場合などでは、乳房切除術が推奨されることがあります。
- また、脇の下のリンパ節への転移の状況を調べるために、センチネルリンパ節生検や腋窩リンパ節郭清が行われます。これらの手技自体は好発部位に直接左右されませんが、原発巣の位置によってはリンパ流が異なる可能性も考慮されることがあります。
手術方法の選択は、根治性(がんを治すこと)と整容性(術後の見た目)のバランスを考慮し、医師と患者さんが十分に話し合って決定します。
放射線治療と好発部位
放射線治療は、高エネルギーのX線などを照射してがん細胞を破壊する治療法です。
主に以下のような目的で行われます。
- 乳房温存手術後の再発予防(温存した乳房全体に照射)
- 乳房切除術後でも、再発リスクが高いと判断された場合の胸壁やリンパ節領域への照射
- 手術が困難な進行乳がんに対する治療
- 骨転移などによる痛みの緩和(緩和照射)
放射線の照射範囲は、元のがんがあった場所、手術で切除した範囲、リンパ節転移の有無や範囲などに基づいて精密に計画されます。
好発部位そのものが照射方法を直接的に大きく変えるわけではありませんが、腫瘍の局在や浸潤の仕方(例えば胸壁に近いか、皮膚に近いかなど)は、照射計画を立てる上で考慮される要素の一つです。
薬物療法と好発部位
薬物療法は、薬を使ってがん細胞の増殖を抑えたり、破壊したりする全身治療です。
乳がんの薬物療法には、主に以下の種類があります。
- ホルモン療法(内分泌療法)
- 女性ホルモン(エストロゲン)の影響を受けて増殖するタイプのがん(ホルモン受容体陽性乳がん)に対して行われます。
- 化学療法(抗がん剤治療)
- 細胞分裂が活発ながん細胞を攻撃する薬剤を用います。手術前後や転移・再発した場合など、様々な状況で使用されます。
- 分子標的治療
- がん細胞の特定の分子(タンパク質など)を標的として、その働きを阻害することでがんの増殖を抑える治療法です。HER2タンパクが過剰に発現しているHER2陽性乳がんに対する抗HER2療法などが代表的です。
これらの薬物療法の選択は、がんの「サブタイプ」と呼ばれる生物学的な特性(ホルモン受容体の有無、HER2タンパクの発現状況、増殖能など)によって大きく左右され、がんの発生部位(好発部位)によって直接的に治療薬の種類が変わることは基本的にありません。
しかし、好発部位の知識を活かして早期にがんを発見できれば、より効果的な薬物療法を受けられる可能性が高まったり、場合によっては薬物療法の強度を軽減できたり、あるいは不要となるケースも期待できます。
つまり、好発部位の知識は、早期発見を通じて間接的に薬物療法の選択や効果に良い影響を与える可能性があると言えるでしょう。
乳がんの治療は日々進歩しており、個々の患者さんに合わせた「個別化治療」が進んでいます。
どの治療法を選択するか、あるいはどのように組み合わせていくかは、がんのステージ、サブタイプ、好発部位から推測されるがんの広がり、そして患者さんの年齢、全身状態、ライフスタイル、価値観などを総合的に考慮し、専門医と十分に話し合って決定することが最も重要です。
疑問や不安な点があれば、遠慮なく医師や看護師、薬剤師などの医療スタッフに相談しましょう。
日本乳癌学会のウェブサイトでは、患者さん向けの乳癌診療ガイドラインも公開されており、治療法選択の参考情報として役立ちます。
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まとめ
乳がんには好発部位があり、特に乳房の外側上部に発生しやすい傾向があります。
この知識を持つことは、セルフチェックの際に重点的に確認するポイントとなり、早期発見の可能性を高めます。
日々のセルフチェックと定期的な乳がん検診を組み合わせることで、万が一乳がんを発症しても、より早い段階で発見し、適切な治療を開始できます。
早期発見は生存率の向上だけでなく、治療の選択肢を広げることにも繋がるため、好発部位を意識した行動が重要です。




