乳がん検診って本当に受けた方が良いの?受ける理由を徹底解説【現役理学療法士監修】

乳がん検診(大室恋未)
この記事はこんな人におすすめ!

・まだ若いけど乳がん検診って受けた方が良いのか?

・40歳になったけど、マンモグラフィが怖い

このようにお悩みではありませんか?

がん検診があなたにとって必要か?また受診するならどのような検診が良いのかはこの記事を最後まで読んでください。色々記事を読んでもよくわからない。そもそもどこから手をつけて良いかわからないという方は、「がん専門FP」に相談してみるのも1つの手です。

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目次

そもそも乳がんとは?

乳がんの基礎知識

乳がんは乳腺の組織に発生する悪性腫瘍(がん)であり、日本人女性のがんの中で最も多く、生涯のなかで乳がんになる人は11人に1人と言われています。乳がんは多くは乳管で発生しますが一部は小葉からも発生します。進行すると周囲の組織に浸潤し、さらにはリンパ節や他の臓器に転移することがあります。

乳がんの70%はホルモン感受性であり、初経、妊娠、出産、授乳、閉経などエストロゲンの増減を伴う女性特有のライフイベントが乳がんの発症リスクに影響を与えることは知られています。しかし乳がんの発生メカニズムは完全には解明されていません。

乳房の構造

乳房の構造
乳房の構造
がん情報サービス「乳がんについて」
大室恋未  | 理学療法士

進行がんでは、乳房近くのリンパ節や骨、肝臓、肺、脳などに転移することが多いのも特徴です。

乳がんの発生メカニズム

乳がんは、乳腺細胞の遺伝子に異常が生じ、その結果、細胞が異常増殖を始めることから発生します。この異常は、乳管内に留まる非浸潤がんと、周囲の組織に広がる浸潤がんに分けられます。浸潤がんは、他の臓器へ転移するリスクが高いため、早期発見と早期治療が重要です。

発生メカニズムの多くはまだ未解明ではありますが、徐々に解明されており今後の治療や検診への応用が期待されています。現在約20%のメカニズムは下記の研究により明らかになってきています。

要約:京都大学「乳がん発生の進化の歴史を解明―ゲノム解析による発がんメカニズムの探索―」
掲載誌:Nature DOI:10.1038/s41586-023-06333-9

乳がんの組織型分類とサブタイプ

乳がんは、サブタイプに基づいて分類されることで、より具体的な治療方針の策定が可能です。以下に、それぞれの分類について詳しく説明します。

組織型の分類

1. 浸潤性乳管がん(IDC)

  • 特徴: 最も一般的な乳がんのタイプで、乳管の壁を越えて周囲の組織に浸潤する。
  • 頻度: 乳がん全体の70-80%を占める。
  • 診断: 乳房X線撮影(マンモグラフィ)や超音波検査、細胞診などで発見されることが多い。

2. 非浸潤性乳管がん(DCIS)

  • 特徴: 乳管内に限局しているがんで、浸潤していないため早期発見で治療しやすい。
  • 頻度: 早期乳がんの一種で、全体の20-30%を占める。
  • 診断: マンモグラフィで発見されることが多く、微小石灰化として映る。

乳がんのサブタイプ

 乳腺に発生するがんを乳がんと言いますが、その性質はさまざまで現在は4つに分類(サブタイプ)され、サブタイプごとに治療方針が決められます。

乳がんのサブタイプ
ER(estrogen receptor:エストロゲン受容体) 、PgR(progesterone receptor:プロゲステロン受容体):エストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンが増殖に関与している乳がん。ルミナル型の乳がん(ホルモン受容体陽性乳がん)にはホルモン剤が使われる。
HER2(human epidermal receptor 2:上皮成長因子受容体2/ハーツー):細胞の増殖なのに関係しているタンパク質。ルミナルB型(HER2陽性)やHER2型の乳がんにはハーセプチンなどの分子標的薬が使われる。
トリプルネガティブ:ER、PgR、HER2の3つすべてが陰性の乳がん。
Ki67:腫瘍の増殖能。高いほど腫瘍が増えるスピードが速いとされる。
国立がん研究センター「乳がんについて」

これらの分類は、乳がんの診断と治療の重要な基礎となります。検査結果に基づいて適切な治療法を選択することが、予後の改善に繋がります​​​​。

大室恋未  | 理学療法士

乳がんと一言で言っても様々なタイプがあり、それにより発生頻度も治療も異なることを知ってほしいと思います。がんは本当に難しい病気なんです。

乳がんのリスク要因

乳がんのリスク要因には、初経年齢が早い、遺伝的要因、出産歴がない、初産年齢が遅い、授乳歴がない、閉経の遅さ、肥満、アルコール摂取などが含まれます。特に、性ホルモンであるエストロゲンが大きな働きをしていて、上記の要因も体内のエストロゲンレベルに影響を与えるものがほとんどです。

大室恋未  | 理学療法士

女性がもっともかかりやすいがんですが、死亡率は5位。早期で発見さえできれば治すことが可能です!

男性の乳がんについて

乳がんは女性に多いですが、男性にも発症します。男性乳がんは全体の乳がんの約1%を占めます。男性乳がんの主な症状は、乳房のしこりや乳頭からの出血や皮膚潰瘍などです。乳がんになったことがある近親者が1人以上いる男性では、乳がんの発症リスクは2倍になるとされています。

大室恋未  | 理学療法士

主に女性のがん検診についての記事なので深くは触れませんが、リスク因子を持つ男性も乳がんを頭に入れておくことも大切です。

乳がんのタイプ(サブタイプ)

ホルモン受容体乳がん(HR陽性)

特徴: ホルモン受容体乳がんは、エストロゲン受容体(ER)またはプロゲステロン受容体(PR)が陽性の乳がんです。全体の約70%を占め、ホルモンの影響を受けやすいのが特徴です。

治療: ホルモン療法が中心となります。

予後: 比較的良好で、治療によって多くの患者が長期生存を期待できます。

HER2陽性乳がん

特徴: HER2陽性乳がんは、HER2タンパク質の過剰発現が見られる乳がんです。全体の約15-20%を占め、増殖が速く、進行も早い傾向があります。

治療: HER2に対する分子標的薬が中心となります。

予後: 適切な治療によって予後が改善され、特に早期発見の場合は良好です。

トリプルネガティブ乳がん

特徴: トリプルネガティブ乳がんは、エストロゲン受容体(ER)、プロゲステロン受容体(PR)、HER2がすべて陰性の乳がんです。全体の約10-15%を占め、増殖が速く、予後が比較的悪いです。

治療: 化学療法(細胞障害性抗がん剤)が中心となります。最近では免疫療法も注目されています。

予後: 他のタイプに比べて再発率が高く、治療後の経過観察が重要です。ただし、個別の治療計画により改善が期待できる場合もあります。

大室恋未  | 理学療法士

これに加えて遺伝性の乳がんがあります。どの乳がんなのかによって大まかな治療方針や進行度が異なるので注意が必要です。

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乳がん検診の重要性

早期発見のメリット

乳がん検診の最大のメリットは、がんを早期に発見できることです。早期に発見されると、がんが小さく、他の組織に広がっていないため、完治が目指せます。また乳がんの10年生存率は早い段階では90%を越えるため治るという思いから、精神的にも身体的にも患者の生活の質が向上します。

乳がん5年、10年生存率

乳がん5年、10年生存率
≪参照≫国立研究開発法人国立がん研究センター『がん診療連携拠点病院等院内がん登録生存率集計報告書』(2021年 4 月 )

・2012-2013 年 5 年生存率集計 報告書
・2008年10年生存率集計 報告書

引用:保険テラス「乳がん」ってどんな病気?治療法や治療費実例、がん保険での備え方をご紹介!

検診を受けるべきタイミング

乳がん検診は、通常40歳以上の女性に対して推奨されていますが、家族に乳がんの既往歴がある場合や、遺伝子変異が確認されている場合は、より若い年齢から検診を開始することも検討するべきです。現在日本では、40歳から2年に1度のマンモグラフィ検査が一般的です。

日本女性における乳がんの年齢階級別罹患率・死亡率

図2 日本女性における乳がんの年齢階級別罹患率・死亡率
<出典>独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センター:地域がん登録全国推計によるがん罹患データ(2008年)、及び人口動態統計によるがん死亡データ(2012年)より作成
引用:乳房再建ナビ「日本人女性に増え続ける乳がん」

現在日本ではマンモグラフィ検査による乳がん検診を放射線被ばくの議論により40歳以上で推奨しているため、若年層ではセルフチェックを行いながら、自覚症状や心配が少しでもある方はすぐに超音波検査による検診等を受けるようにしていきましょう。

大室恋未  | 理学療法士

ついつい若いうちは大丈夫だと思いがちですが、それでも食生活の欧米化などから20代からの罹患率も上昇しています。

自覚症状の有無と検診の必要性

乳がんの初期段階では自覚症状がほとんどありません。そのため、自覚症状がないうちに定期的な検診を受けることが重要です。しこりや乳頭からの分泌物、乳房の形状変化などの症状が現れた場合は、すぐに専門医を受診することが必要です。

乳がん検診の普及とその影響

乳がん検診の普及により、乳がんの早期発見率は向上しています。検診の普及活動や啓発キャンペーンにより、多くの女性が検診の重要性を認識し、定期的に検診を受けるようになりました。これにより、乳がんの早期治療が可能となり、乳がんによる死亡率の低下に寄与しています。

ピンクフルデーで乳がん検診実施!事前予約受付開始

5月17日(金)・18日(土)・19日(日)埼玉西武戦で開催する「ピンクフルデー2024」において、乳がん検診の受診を啓発・推進する「ピンクリボン運動」の取り組みを実施します。

ソフトバンク乳がん検診
ピンクフルデー2024
引用:ソフトバンクホークス公式サイト
大室恋未  | 理学療法士

女性人気の高い野球チームもピンクリボン運動に参加!
こういう活動が進むのは嬉しいですね。

検診受診率の現状と課題

日本における乳がん検診の受診率は、他の先進国に比べて低いのが現状です。受診率を向上させるためには、検診の重要性を広く周知し、受診しやすい環境を整えることが求められます。具体的には、検診施設の増設や検診費用の助成、働く女性が受診しやすい時間帯の検診実施などが考えられます。

女性の乳がん検診受診割合(50-69歳)

平成28年に実施された「国民生活基礎調査」によると、日本のがん検診受診率は、男性においては、胃がん、肺がん、大腸がん検診の受診率は4〜5割程度であり、女性においては、乳がん、子宮頸がん検診を含めた5つのがん検診の受診率は3〜4割台となっています。
 特に子宮頸がん、乳がんについては、検診受診率が低い状況にあります。

女性の乳がん検診受診割合(50-69歳)
女性の乳がん検診受診割合(50-69歳)
引用:厚生労働省「令和4年度がん検診受診率50%達成に向けた集中キャンペーン

乳がんの予防と対策

生活習慣と乳がんリスク

乳がんのリスクは、生活習慣と密接に関連しています。まず、食生活の改善が重要です。高脂肪食や過剰なカロリー摂取は、乳がんリスクを高める可能性があります。一方、野菜や果物を多く含むバランスの取れた食事は、リスクを低減する助けとなります。また、適度な運動も重要です。定期的な運動は、体重管理に役立ち、ホルモンバランスを整えることで乳がんリスクを低下させます。

さらに、アルコールの摂取もリスク要因です。アルコールの摂取量が増えるほど、乳がんのリスクも高まるため、適度な飲酒を心掛けることが重要です。最後に、ストレス管理も重要です。慢性的なストレスは免疫力を低下させる可能性があり、乳がんリスクを高める要因となり得ます。これらの生活習慣の改善により、乳がんのリスクを低減することが期待されます。

大室恋未  | 理学療法士

喫煙との因果関係も近年少しづつ解明されてきていますが根拠が十分にはなっていません。いずれにしても、生活習慣を正すことは重要です。

乳がんの運動による予防法

アメリカスポーツ医学会と米国対がん協会ががん患者さんに勧めるものとして、「有酸素運動」「筋肉トレーニング」「ストレッチ」の3つが挙げられます。例えば週に150分程度のウォーキングなどを行うことを推奨しています。

このような運動を日常生活において、無理のない範囲で継続していくことで体重管理や身体機能の向上に繋がり、がんの予防につながる可能性があると言われています。

乳がん予防のアルコール制限の重要性

アルコールの摂取は乳がんリスクを高めることが知られています。アルコールはエストロゲンレベルを上昇させ、ホルモン依存性の乳がんリスクを増大させます。1日のアルコール摂取量が増えるほどリスクも上昇するため、適度な飲酒または禁酒が推奨されます。健康を守るためにはアルコール摂取の制限が重要です。

ホルモン療法とリスク管理

更年期障害の治療としてホルモン療法を受けている女性は、乳がんのリスクが高まることがあります。ホルモン療法を受ける際は、医師と相談し、リスクと利益をよく理解した上で行うことが重要です。ホルモン療法の期間や種類によってリスクが異なるため、定期的な検診も欠かせません。

遺伝的要因と予防対策

BRCA1やBRCA2などの遺伝子変異がある場合、乳がんのリスクが高くなります。このようなリスクを持つ人は、遺伝カウンセリングを受け、予防的手術や定期的な検診などの対策を検討することが重要です。遺伝子検査を受けることで、自分のリスクを正確に把握し、適切な対策を取ることができます。

乳がん全体の5~10%は、遺伝要因が強く関係して発症する遺伝性腫瘍と言われています。

乳がん全体の5~10%は、遺伝要因が強く関係して発症する遺伝性腫瘍と言われています。
乳がんのリスクと遺伝要因
引用:昭和大学病院ブレストセンター「遺伝カウンセリング」
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乳がん検診の流れと方法

乳がん検診の種類

乳がん検診には主に視診、触診、マンモグラフィ、超音波(エコー)検査があります。がんの広がり方や転移を調べるためにMRI検査、CT検査、骨シンチグラフィ、PET検査などの画像検査を行います。マンモグラフィは乳房のX線撮影であり、特に40歳以上の女性に推奨されます。超音波検査は乳腺の密度が高い40歳未満の若年層に適しています。

どんな乳がん検診を受ければいいの?

マンモグラフィは乳がん検診の中で唯一、死亡率減少効果が科学的に証明されています。そのため、厚生労働省では40歳以上の女性に対し、原則2年に1回のマンモグラフィによる乳がん検診を推奨しています。超音波検査の検診での有効性は研究中であるため現在、対策型検診では行われておりません。

対策型検診と任意型検診
対策型検診と任意型検診
引用:学校法人聖マリアンナ医科大学「乳がん検診の疑問を解決しませんか?Vol.2」

マンモグラフィの概要

マンモグラフィは乳房を圧迫して撮影するX線検査で、微細な石灰化や小さな腫瘍を発見するのに有効です。撮影は通常2方向から行われ、検査時間は数分程度です。圧迫による不快感や痛みが出ることもありますが、がんの早期発見には非常に効果的です。

検査は痛いですか?

乳房を圧迫して撮影を行うため、個人差はありますが痛みが生じることはあります。1回の撮影は数秒なので少しの間だけ我慢をしてください。月経前など胸が張る時期は特に痛みが強くなる可能性があるので避けるようにしましょう。

超音波検査の特徴

超音波検査は、超音波を使って乳房内部を画像化する方法で、乳腺が高密度の若年層や妊娠中の女性にも安全に使用できます。しこりの有無や性質を詳細に調べることができ、放射線被ばくがないため、妊娠中の女性でも安心です。また痛みを伴わないことから身体的苦痛がないのもメリットです。

マンモグラフィと超音波検査では、日本乳癌学会が発表する「乳癌診療ガイドライン」によって乳腺の発達の程度で有効性が変わると記載があります。どちらが良いかは自分で判断するのではなく必ず専門家に話を聞き選択してください。なお自治体等の集団検診では原則40歳以上の乳腺の減少した方を一斉に対象としているためマンモグラフィになります。

MRI検査の適用

MRI検査は、磁気共鳴を利用して詳細な乳房の画像を作成する検査です。主に高リスク患者や、他の検査で異常が見つかった場合に使用されます。MRI検査は放射線被ばくがなく、腫瘍の広がりや詳細な位置を確認するのに有効です。また任意の乳がん検診では、無痛MRI乳がん検診というものも近年は発達しています。

参考:株式会社ドゥイブス・サーチ「無痛MRI乳がん検診(痛くない乳がん検診)が実施できる全国の医療機関」

大室恋未  | 理学療法士

お金はかかるけど、痛みがなくてストレスがないならという方にはおすすめです。精度もかなり高いようです。

精度の高い検査

マンモグラフィ

無痛MRI乳がん検診

マンモグラフィ
マンモグラフィ
MRI
MRI
引用:株式会社ドゥイブス・サーチ「がん発見率の高い理由」

自己検診の方法とポイント

自己検診は、月に一度自分で乳房をチェックする方法です。鏡の前で視診を行い、乳房の形状や皮膚の変化を確認します。その後、触診を行い、しこりや硬い部分がないかを調べます。生理後1週間以内に行うのが理想的です。定期的な自己検診により、異常を早期に発見することができます。ただし、マンモグラフィ等の検診で発見する方が早期発見につながり死亡率が下がる可能性は高いので、検診には行くようにしましょう。

外来平均乳がんと自己検診で発見できる腫瘍

自己検診で発見できる腫瘍
自己検診で発見できる腫瘍
引用:ピンクリボン活動みやざきWEB「検診の内容って?」

乳がん検診の結果の見方と精密検査

検診結果の基本的な読み方

乳がん検診の結果は、通常、異常なし、要精密検査の必要ありの2つに分類されます。異常なしの場合は次回の定期検診を受けます。精密検査が必要な場合は、さらに詳しい検査を受けることになります。精密検査の結果、良性で問題ない場合は次回の定期検診に、良性所見だが経過観察が必要な場合は定期的な受診を行います。ここでがんと診断された場合に乳がんへの罹患ということになります。

乳がん検診の流れ

乳がん検診の流れ
乳がん検診の流れ
引用:戸塚共立第一病院附属サクラス乳腺クリニック「精密検査の流れ」

異常が見つかった場合の対応

検診で異常が見つかった場合、まずは落ち着いて対応することが重要です。多くの異常は良性の可能性が高いですが、早期に専門医の診察を受けることが重要です。医師と相談し、必要な精密検査や治療計画を立てましょう。

乳がん検診のカテゴリー種別

カテゴリー3で「要精査」といわれて精密検査を受けた人のうち8割以上に「乳がんではなかった」という結果が出ています。カテゴリー4と判定され精密検査を受けた人も5割弱は良性で、乳がんではありませんでした。検診を受けた9割弱は「要精査」であっても乳がんではないことがわかります。

マンモグラフィ検診の結果
  • カテゴリー1:異常なし
  • カテゴリー2:良性病変(のう胞、繊維腺腫など)のみ
  • カテゴリー3:がんの疑いを否定できず(可能性は5%)
  • カテゴリー4:がんの疑いあり(がんの可能性は50%程度)
  • カテゴリー5:マンモグラフィ上はがんの確率が高い(95%以上の確率でがん)
乳がん専門医監修乳がんのブログ「乳がん検診に引っかかりやすい体質って? ~「要精査」を怖がらないでください」

精密検査の種類と手順

精密検査には、マンモグラフィの追加撮影、超音波検査、針生検、MRI検査などがあります。針生検は、針を使って乳房の組織を採取し、顕微鏡で調べる方法です。これにより、がんの有無や種類を確定します。MRI検査は、さらに詳細な画像を提供し、がんの広がりを確認するのに役立ちます。

結果に基づく治療方針の決定

精密検査の結果に基づき、治療方針を決定します。良性の場合は経過観察で済むことが多いですが、悪性の場合は手術、放射線療法、化学療法などが検討されます。患者の年齢や全身状態、がんの進行度に応じて、最適な治療法を選択します。

精密検査のリスクと注意点

精密検査には、針生検による出血や感染のリスクがありますが、これらは非常に稀です。検査前に医師からリスクとメリットを十分に説明してもらい、不安や疑問がある場合は質問しましょう。検査後は安静にし、異常があればすぐに医師に報告することが大切です。

乳がん検査を受けるための手続き

検診予約の方法と注意事項

乳がん検診の予約は、住んでいる自治体や勤務先の健康診断の一環として行うことができます。また、病院やクリニックに直接問い合わせて予約することも可能です。インターネット予約や電話予約を活用すると便利です。

検診前には、乳房に香水やボディクリームを使用しないようにしましょう。また、生理前や生理中は乳房が張りやすいため、避けるのが望ましいです。検診当日は、上半身を脱ぎやすい服装で行くとスムーズに受診できます。

※各地自体や職域からクーポンを含む案内が来たら、指定の期間内に行くのが望ましいです。(マンモグラフィに限る)

検診の流れ

検診当日は、受付で必要書類を提出し、問診を受けます。その後、更衣室で上半身の衣服を脱ぎ、検査着に着替えます。マンモグラフィや超音波検査を行い、検査が終了したら再び更衣室で着替え、結果の説明を受けます。検査時間は全体で30分から1時間程度です。

検診後、異常がなければ次回の定期検診まで待ちますが、要経過観察や精密検査が必要な場合は、早めに専門医の診察を受けましょう。異常が見つかった場合も、早期対応が重要です。検診結果に基づいて、適切なフォローアップを行いましょう。

一般的な診断の手順

一般的な乳がん検診の流れ
一般的な乳がん検診の流れ
引用:乳がん.jp「診断の手順」
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乳がん検診の費用と支援制度

乳がん検診の費用概要

乳がん検診の費用は、検査方法や施設によって異なります。一般的なマンモグラフィ検査は約3,000円から7,000円程度、超音波検査は3,500円から7,000円程度が目安です。合わせて触診を行ったり診察料や初診料がかかり総額20,000円〜30,000円程度の費用がかかることもあります。

自覚症状が出てからの乳がん検査では保険適用となり3割負担となり超音波検査かマンモグラフィで検査を行い精密検査を行う場合は細胞検査や組織検査、MRI検査を行うことになります。保険適用なので高額になるMRI検査でも10,000円〜15,000円程度の費用が目安になります。

大室恋未  | 理学療法士

自覚症状が出てからでは遅いので、早め早めに予防的な検診を受けるように心がけていきましょう。

公的支援制度の活用

多くの自治体では、乳がん検診の費用を一部または全額助成する制度を設けています。年齢や所得に応じた助成が受けられるため、住んでいる地域の保健所や自治体のウェブサイトで確認しましょう。また、特定の年齢層を対象とした無料検診キャンペーンも行われることがあります。東京都港区の例では下記のような案内が届き、40歳以上の方であれば無料で検診を受けることができます。

令和6年度港区がん検診のご案内
例)令和6年度港区がん検診のご案内

民間保険による補助

民間のがん保険や医療保険に加入している場合、乳がん検診の費用を補助してもらえることがあります。加入している保険の内容を確認し、適用範囲や補助金額について把握しておくと良いでしょう。保険会社に直接問い合わせることもおすすめです。

最近では所定の条件で、検診代が給付されたり要精密検査とされた場合に給付金が出るタイプの保険商品も発売されており早期発見をサポートする体制が準備されています。

まとめ

乳がん検診の重要性の再確認

乳がんは早期発見と早期治療が鍵となる病気です。定期的な検診を受けることで、乳がんを早期に発見し、治療を早めることができます。これにより、治療の成功率が高まり、患者の生活の質が向上します。

乳がん検診の受診は、自分自身の健康を守るための重要な手段です。検診によって、無症状の段階で乳がんを発見することができ、早期治療による生存率の向上が期待できます。定期的な検診と健康的な生活習慣の維持が、乳がん予防の基本です。

乳がん検診の受診を促すメッセージ

乳がん検診は、健康管理の一環として非常に重要です。特に、40歳以上の女性は定期的な検診を受けることが推奨されます。また、家族歴がある方や遺伝的リスクが高い方は、早めに検診を受けることが重要です。検診を通じて、自分の健康状態を確認し、安心して生活を送ることができます。また必要に応じて遺伝カウンセリングを検討するのも良いと思います。

乳がん検診は一度受けるだけではなく、定期的に継続することが大切です。自分の体の変化に気を配り、異常を感じた場合はすぐに医師の診察を受けましょう。また、健康的な生活習慣を維持し、乳がん予防に努めることが大切です。

参考情報と問い合わせ先

乳がん検診に関する詳細な情報や支援制度については、以下のリンク先をご参照ください。地域の保健所や医療機関に問い合わせることで、検診の予約方法や支援制度の詳細を確認することができます。

大室恋未  | 理学療法士

各種サイトの情報を参考にしながら、最終的には医療機関にて医師や医療従事者に相談するようにしましょう。あなたの健康はあなたにしか守れません。

乳がん検診のQ&A(よくある質問)

20代でも乳がんになりますか?

20代はいわゆるAYA世代(思春期、若年期)であり、乳がんにおいてはいわゆる公費で補助が出る対策型検診ではないために見つかった際には進行がんであることが多いです。AYA世代のがんではいわゆる生活習慣等にも強く関係があるホルモン受容体陽性の乳がんが少なく、HER2陽性やトリプルネガティブの乳がん、遺伝性乳がんの可能性が高いとされています。

乳がんになりやすい人の特徴はありますか?

乳がんの発生メカニズムはまだ解明されてないところが多いです。しかし統計学的な推計では40歳以上の出産経験がない方や高齢出産、初経が早く閉経が遅い、肥満、飲酒など女性ホルモンであるエストロゲンのレベルを高める生活習慣を持つ方の発生が多いことが報告されています。乳がん全体の70%程度がホルモン受容体陽性乳がんであることからも理由がわかります。

乳房を残すための温存療法は可能ですか?

腫瘍のサイズなどの状態によっても異なるので主治医と相談して治療に臨むのが良いです。腫瘍のサイズが大きくやむを得ず温存療法ができない場合でも、乳房再建手術によりQOLを高めてもらう方法があります。現在では自家組織による乳房再建手術だけでなくインプラントによる乳房再建でも保険適用になる範囲が広がってきました。また医療保険やがん保険の特約にも乳房再建の費用を負担してもらうものもあるので心配があれば加入しておきましょう。

大室恋未  | 理学療法士

その他気になることがあれば、お気軽にお問い合わせください。

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