その腰痛、がんのサイン?腰の痛みが治らないときは要注意

腰痛 がん

長引く腰痛に悩まされ、「もしかして、がんのサインなのでは?」と不安を感じていませんか。

腰痛のほとんどは筋肉や骨格に原因がありますが、ごく稀に重大な病気が隠れている危険な腰痛も存在します。

この記事では、がんの可能性を示す腰痛のサイン「レッドフラッグ」とは何かを詳しく解説します。

さらに、がんによる腰痛に見られる特徴的な症状、原因となりうるがんの種類、女性特有のがんとの関連性、そして実際に何科を受診し、医師に何を伝えればよいかまで、あなたの不安を解消し、適切な行動をとるために必要な情報を網羅的にご紹介します。

目次

あなたの腰痛は大丈夫?危険な腰痛のサイン「レッドフラッグ」

多くの人が経験する腰痛ですが、そのほとんどは筋肉の疲労や姿勢の悪さなどが原因であり、数週間で自然に改善します。

しかし、中には重篤な病気が隠れている危険な腰痛も存在します。

その危険なサインを見分けるために、医療機関では「レッドフラッグ(危険信号)」と呼ばれるチェックリストが用いられています。

見逃してはいけない腰痛の危険信号

レッドフラッグは、単なる腰痛ではなく、脊椎の感染症や骨折、悪性腫瘍といった重い病気の可能性を示唆する兆候です。

これらのサインに一つでも当てはまる場合は、自己判断で様子を見るのではなく、速やかに医療機関を受診することが重要です。

以下に代表的なレッドフラッグの項目をまとめました。

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分類具体的な症状・状態
発症の仕方や年齢・20歳未満、または55歳以上で初めて発症した
・転倒や事故など、明らかなきっかけがある
痛みの特徴・何をしても痛い、楽な姿勢がない
・夜間や安静時に痛みが強くなる
・時間とともに痛みが悪化していく
・胸のあたりにも痛みがある
腰痛以外の症状・原因不明の体重減少、食欲不振
・37.5度以上の発熱が続く
・足のしびれや麻痺、排尿・排便の異常(尿が出にくい、便失禁など)
過去の病歴など・がん、ステロイド治療、HIV感染の経験がある
・薬物乱用の経歴がある

がんの可能性もレッドフラッグの一つ

上記のレッドフラッグの中でも、特に「がんの既往歴がある」「原因不明の体重減少」「安静にしていても痛みが軽くならない」といった項目は、がんが腰痛の原因となっている可能性を考えるべき重要なサインです。

腰痛は、がんそのものが脊椎(背骨)にできる場合や、他の臓器にできたがんが骨に転移することで引き起こされることがあります。

もちろん、これらの症状があるからといって必ずしもがんであるとは限りませんが、見逃すべきではない危険な兆候であることに変わりはありません。

気になる症状があれば、まずはかかりつけ医や整形外科に相談しましょう。

がんによる腰痛にみられる特徴的な症状

がんが原因で起こる腰痛には、一般的な腰痛とは異なるいくつかの特徴的な症状が見られます。

これらのサインに気づくことが、早期発見・早期治療につながる可能性があります。

ここでは、「痛みの特徴」と「腰痛以外の症状」の2つの側面に分けて解説します。

痛みの特徴

がんによる腰痛は、その痛みの性質や現れ方に特徴があります。

通常の筋肉疲労や姿勢の悪さからくる腰痛との違いを理解しておくことが重要です。

じっとしていても痛い安静時痛

一般的な腰痛の多くは、身体を動かした時に痛みが強くなり、楽な姿勢で安静にしていると和らぐ傾向があります。

しかし、がんによる腰痛の大きな特徴は、じっとしていても痛みが軽くならない「安静時痛」です。

特に、夜間、就寝中に痛みが強くなる「夜間痛」が見られることもあります。

これは、腫瘍が骨や神経を圧迫・刺激し続けることで、姿勢にかかわらず持続的な痛みが生じるためです。

どんどん痛みが強くなる

がんによる腰痛は、時間の経過とともに痛みが徐々に強くなっていく「進行性」の痛みが特徴です。

最初は軽い鈍痛だったものが、数週間から数ヶ月かけて耐えがたいほどの激しい痛みに変わっていくことがあります。

市販の湿布や鎮痛薬を使っても効果が一時的であったり、全く効かなくなったりする場合も注意が必要です。

腰痛以外の症状

がんが原因の場合、腰痛だけでなく全身にさまざまな症状(随伴症状)が現れることがあります。

これらの症状が腰痛と同時に見られる場合は、特に注意が必要です。

原因不明の体重減少や食欲不振

ダイエットをしているわけでもないのに、食欲がなくなり、数ヶ月で体重が大幅に減少するのは危険なサインの一つです。

がん細胞が体の栄養を消費してしまうことなどが原因で起こると考えられています。

明確な理由なく体重が減り続けている場合は、医療機関への相談を検討してください。

発熱や体のしびれ

がんによる炎症や免疫力の低下から、原因不明の微熱が続くことがあります。

また、がんが脊椎に転移して脊髄や神経を圧迫すると、腰痛に加えて足のしびれや麻痺、排尿・排便に問題が生じる「膀胱直腸障害」といった症状が現れることがあります。

これらの神経症状は、緊急の対応が必要となる場合があるため、速やかに医療機関を受診することが重要です。

腰痛の原因となるがん 具体的な種類とメカニズム

ひとくちに「がんによる腰痛」といっても、その原因は一つではありません。

がんが腰痛を引き起こすメカニズムは、大きく分けて3つのパターンに分類されます。

ここでは、それぞれの種類と特徴について詳しく解説します。

膵臓がんや腎臓がんなど内臓のがん

腰の周辺にある内臓にがんができると、腰痛として症状が現れることがあります。

これは、がんの腫瘍が大きくなることで、周囲の神経を圧迫したり、組織にがん細胞が広がったり(浸潤)するために起こる痛みです。

特に、体の背中側に近い膵臓(すいぞう)や腎臓のがんでは、初期症状として腰や背中の痛みが現れやすい傾向にあります。

このような痛みは、体の動きとは関係なく「じっとしていても痛い」「夜中に痛みで目が覚める」といった安静時痛が特徴です。

他のがんが骨に転移して起こる腰痛

他の臓器で発生したがん細胞が、血液やリンパの流れに乗って骨に移動し、そこで増殖することを「骨転移」と呼びます。

腰痛の原因となるがんとしては、この脊椎(背骨)への骨転移が最も多いケースです。 特に肺がん、乳がん、前立腺がんなどは骨に転移しやすいことが知られています。

転移によって骨がもろくなると、わずかな衝撃で骨折(病的骨折)を起こし、激しい痛みを引き起こすこともあります。

また、脊椎の中を通る神経(脊髄)が圧迫されると、足のしびれや麻痺といった症状が現れることもあり、注意が必要です。

脊椎に発生する原発性の腫瘍

他の場所からのがんの転移ではなく、最初から脊椎の骨やその周辺組織に腫瘍ができるケースもあります。

これを「原発性脊椎腫瘍」と呼びますが、発生頻度はまれです。

代表的なものには、骨の細胞ががん化する骨肉腫や、血液のがんの一種で骨に病変をつくる多発性骨髄腫などがあります。

症状としては、安静にしていても強い痛みを感じることが特徴的です。

腰痛を引き起こす主な原因がんの比較

これまで解説した3つのパターンを、以下の表にまとめました。

ご自身の症状と照らし合わせる際の参考にしてください。

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原因のパターン主な疾患・がんの種類腰痛のメカニズム
内臓のがん膵臓がん、腎臓がん、大腸がんなど腫瘍が大きくなり、周囲の神経を圧迫・浸潤する
他のがんからの骨転移(転移性骨腫瘍)肺がん、乳がん、前立腺がんなどがん細胞が脊椎に転移し、骨を破壊したり神経を圧迫したりする
脊椎に発生する原発性の腫瘍骨肉腫、多発性骨髄腫など脊椎自体に腫瘍ができ、骨を破壊したり神経を圧迫したりする

これらの症状に心当たりがあり不安を感じている方は、自己判断せずに専門医に相談することが重要です。

どの診療科を受診すればよいか迷う場合は、次の章で詳しく解説しています。

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女性特有のがんと腰痛の症状

女性の場合、婦人科系のがんや乳がんなどが原因で腰痛が引き起こされることがあります。

これらの多くは、がんが進行して周囲の組織に広がったり、骨盤内の神経を圧迫したりすることで痛みが生じます。

いつもと違う腰痛を感じたら、原因となる病気を知っておくことが大切です。

子宮頸がん、子宮体がん

子宮に発生するがんには、子宮の入り口にできる「子宮頸がん」と、子宮の奥にある体部にできる「子宮体がん」があります。

初期段階では症状がほとんどありませんが、がんが進行し骨盤内へ広がると、神経が圧迫されて腰に痛みを感じることがあります。

特に、安静にしていても改善しない持続的な痛みが特徴です。

腰痛以外にも、次のような症状が見られる場合は注意が必要です。

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がんの種類腰痛以外の主な症状
子宮頸がん不正出血(特に性交時の出血)、おりものの異常(色、匂い、量)、下腹部痛
子宮体がん不正出血(特に閉経後の出血)、膿のようなおりもの、排尿痛、下腹部痛

これらの症状はがんが進行しているサインの可能性があるため、早めに婦人科を受診することが重要です。

卵巣がん

卵巣は骨盤の深い部分にあるため、腫瘍ができても初期症状が現れにくく「サイレントキラー」とも呼ばれています。

がんが大きくなるにつれて、周囲の臓器や神経を圧迫し、下腹部痛や腰痛を引き起こすことがあります。

お腹の張り(腹部膨満感)、食欲不振、頻尿、便秘といった症状を伴うことも多く、ただの腰痛だと思っていても、これらの症状が続く場合は注意が必要です。

症状がなくても定期的な婦人科検診で卵巣の状態をチェックしてもらうと安心です。

乳がん

乳がんそのものが直接腰痛を引き起こすことはありません。

しかし、乳がんは骨に転移しやすい特徴があり、腰椎(腰の骨)に転移した場合に強い腰痛の原因となります。

これは、がん細胞が骨を破壊したり、神経を圧迫したりするために起こる痛みです。

骨転移による腰痛は、体を動かしたときだけでなく、じっとしていても痛むのが特徴で、骨折を引き起こすこともあります。

腰痛のほかに、手足のしびれや麻痺などが現れた場合は、脊髄が圧迫されている可能性があり、緊急の対応が必要です。

気になる症状があれば、まずは乳腺外科や整形外科に相談しましょう。

がんかもしれない腰痛を感じたら取るべき行動

安静にしていても痛みが治まらなかったり、体重減少や発熱といった他の症状を伴ったりする場合、その腰痛はがんのサインかもしれません。

自己判断で様子を見るのではなく、できるだけ早く医療機関を受診し、専門家による診断を受けることが重要です。

早期発見・早期治療は、がん治療において最も大切なことの一つです。

何科を受診するべきか

腰痛でどの診療科を受診すればよいか迷う方は少なくありません。

まずは腰痛の専門である整形外科を受診するのが一般的です。

整形外科で骨や神経に異常が見られない場合や、内臓系の症状がある場合は、内科やかかりつけ医に相談しましょう。

症状によっては、初めから内科や婦人科などを受診することも考えられます。

以下の表を参考に、ご自身の症状に合った診療科を選びましょう。

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主な症状推奨される診療科
腰の痛み全般、足のしびれ整形外科
腰背部痛、腹痛、食欲不振、体重減少内科、消化器内科
腰痛、血尿、排尿時の痛み泌尿器科
下腹部痛を伴う腰痛、不正出血婦人科

どこを受診すればよいか分からない場合は、まずはお近くの整形外科か、かかりつけの内科医に相談し、適切な診療科を紹介してもらうのが良いでしょう。

医師に伝えるべき症状のポイント

正確な診断のためには、ご自身の症状をできるだけ詳しく医師に伝えることが大切です。

診察前に以下のポイントをメモにまとめておくと、スムーズに伝えられます。

  • いつから、どんなきっかけで痛むか:具体的な時期や、何か思い当たる原因があれば伝えます。
  • どこが痛むか:腰のどのあたりか、ピンポイントか広範囲か、お尻や足など他の場所にも痛みやしびれがあるかを伝えます。
  • どんな痛みか:「ズキズキ」「ジンジン」「重く鈍い」など、具体的な言葉で表現しましょう。
  • どんな時に痛むか:安静時、夜間、身体を動かした時など、痛みが強まる状況を伝えます。
  • 痛みの変化:時間とともに痛みが強くなっているか、変わらないかなどを伝えます。
  • 腰痛以外の症状:原因不明の体重減少、発熱、食欲不振、吐き気、血尿、体のしびれなど、気になる症状はすべて伝えましょう。
  • 過去の病歴:がんの既往歴や治療中の病気、服用している薬について伝えます。

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まとめ

多くの人が経験する腰痛ですが、そのほとんどは筋肉や骨格に由来するもので、過度に心配する必要はありません。

しかし、ごくまれに「がん」のような重篤な病気が原因となっているケースが存在します。

この記事で解説したように、がんによる腰痛にはいくつかの特徴的なサインがあります。

「じっとしていても痛む(安静時痛)」「痛みが日ごとに強くなる」「原因不明の体重減少や発熱、しびれを伴う」といった症状は、危険な腰痛を見分けるための重要なサイン「レッドフラッグ」です。

これらの症状は、膵臓がんや腎臓がんなどの内臓のがんや、他のがんからの骨転移、あるいは子宮がんや卵巣がんといった女性特有のがんが原因で現れることがあります。

もし、ご自身の腰痛がこれらの特徴に当てはまる場合は、決して自己判断で様子を見たりせず、速やかに医療機関を受診してください。

何科を受診すればよいか迷う場合は、まずは整形外科に相談するのが一般的です。

その際には、いつからどのような痛みが続いているのか、腰痛以外の症状はあるかなどを具体的に伝えることが、正確な診断と早期治療につながります。

不安な腰痛は放置せず、専門医に相談することが何よりも大切です。

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