「がんと向き合う社会」を目指して──私たち日本対がんファイナンシャル・プランナーズ協会(JCFP)は、がんに関する正しい情報の発信と啓発に努めています。今回のテーマは、がん啓発運動において重要な役割を果たす「リボンカラー」と「啓発バッジ」についてです。
色で伝える、がんへの理解と支援
がんの種類ごとに異なる“啓発カラー”があることをご存じでしょうか?
それぞれの色には、病気に対する理解、支援、希望などの意味が込められており、世界中で広く認知されています。
代表的ながんの啓発カラーは以下の通りです:
| 月 | がん種(部位) | リボンカラー | 備考・啓発月間等 |
|---|---|---|---|
| 1月 | 子宮頸がん | ティール&ホワイト | HPVワクチン啓発と予防意識の向上がテーマ。 |
| 2月 | 胆道がん | ケリーグリーン | 希少がんの一つであり、啓発活動が行われている。 |
| 3月 | 大腸がん | ダークブルー | 検診による早期発見の重要性が呼びかけられる。 |
| 3月 | 腎がん | オレンジ | 腎臓の健康とがん予防の啓発が行われる。 |
| 4月 | 食道がん | ペリウィンクル | 食道がんの早期発見と治療の重要性が強調される。 |
| 4月 | 頭頸部がん | バーガンディ&アイボリー | 頭頸部領域への多種のがんを含む。嚥下・発声機能の支援が求められる。 |
| 4月 | 脳腫瘍 | グレー | 見えにくいがんとして認知度向上が課題。 |
| 4月 | 精巣腫瘍 | オーキッド | 若年男性に多く、就業との両立支援が課題。 |
| 5月 | 皮膚がん(黒色腫) | ブラック | 紫外線予防の啓発も行われる。 |
| 6月 | 肝がん | エメラルドグリーン | 肝炎ウイルス対策とも連動。生活習慣啓発が鍵。 |
| 7月 | 膀胱がん | マリゴールド/ブルー/パープル | 高齢男性に多く、生活の質の向上がテーマ。 |
| 7月 | 骨・軟部腫瘍 | イエロー | 青少年に多いがん。早期発見が重要。 |
| 9月 | 小児がん | ゴールド | 子どもの命を「金」に例えたリボン。 |
| 9月 | 前立腺がん | ライトブルー | Movemberとも連携し、男性の健康意識向上が目的。 |
| 9月 | 卵巣がん | ティール | 自覚症状が少なく、早期受診啓発が中心。 |
| 9月 | 白血病 | オレンジ | 移植や就労継続支援など多角的な備えが必要。 |
| 9月 | 悪性リンパ腫 | ライムグリーン | 血液がんの一種。情報提供が課題。 |
| 9月 | 子宮体がん | ピーチ | 女性特有のがんとして、検診の重要性が強調される。 |
| 9月 | 甲状腺がん | ティール/ピンク/ブルー | 混色リボン。患者数は多く、予後も良好な場合が多い。 |
| 10月 | 乳がん | ピンク | 世界で最も知られるリボン。検診・治療啓発に活用。 |
| 11月 | 胃がん | ペリウィンクル | 食生活と関連が深く、予防と早期発見が重要。 |
| 11月 | 肺がん | パールホワイト | 「見えないがん」として知られ、認知向上が課題。 |
| 11月 | 膵臓がん | パープル | 予後が厳しく、早期診断と研究支援が急務。 |
| 通年 | がん全般 | ラベンダー | がん全般の啓発と支援を象徴するカラー。 |
こうしたカラーは、医療機関の掲示やイベント、SNSなど様々な場面で活用されており、関心を高めるきっかけとなっています。
バッジで支援を「見える化」
リボンカラーを模したピンバッジや缶バッジは、身につけることで支援の意思や共感の輪を広げるアイテムです。乳がんのピンクリボンをはじめ、近年では小児がんのゴールドリボンや、すい臓がんのパープルリボンなど、多くの団体がオリジナルバッジを制作・販売しています。
特にNPO法人キャンサーネットジャパン、J.POSH、日本肺癌学会などでは、がん啓発バッジの売上を通じて、啓発活動や研究支援に活用されています。
JCFPとしての啓発活動への活用
私たちJCFPでは、こうした啓発カラーやバッジを活用しながら、「告知前からの備え」を伝える取り組みを推進しています。セミナーや講演ではリボンカラーのピンバッジを配布し、来場者とともに「がんと生きる時代」の支援の輪を広げています。
今後は、啓発カラーやバッジの意味を丁寧に解説する資料や、がん経験者の声を紹介する取り組みも強化していく予定です。
まとめ
啓発カラーやバッジは、小さなアイテムでありながら、大きなメッセージを社会に届ける力を持っています。がんと向き合うためにできることの一つとして、ぜひ日常に取り入れてみてください。
JCFPは、これからも中立的で正確ながん情報の提供と、より良い備えのあり方を提案してまいります。




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