子どものがん保険、診断給付金はいくら必要?保障額の決め方をFP解説

子どものがん保険、診断給付金はいくら必要?保障額の決め方をFP解説

子どものがん保険で診断給付金(診断一時金)をいくらにするかは、「保険料からなんとなく決める」のではなく、公的制度でカバーしきれない実費から逆算するのが基本です。
小児がんの医療費そのものは公的助成で大きく下がる一方、差額ベッド代や付き添いの費用、親の収入減といった「制度の対象外」のお金が家計に効いてきます。
この記事では、金額の決め方の考え方を、がん保険専門のCancer FP®(がんファイナンシャル・プランナー)がやさしく整理します。

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「子どものがん保険について診断給付金っていくらにすればいいの?」と、金額の欄で手が止まってしまう方は多いのではないでしょうか。
100万円でいいのか、それとも200万円あったほうが安心なのか。数字だけを見比べても、なかなか答えは出ませんよね。

実は、保障額は「金額そのもの」から考えるとうまくいきません。大切なのは、もし子どもががんになったとき、公的な制度でどこまでお金がカバーされ、どこからが家庭の持ち出しになるのかを知ることです。そのうえで「足りない部分を保険で埋める」という順番で考えると必要な金額が自然と見えてきます。詳しい判断の入口はこどものがん保険は必要か(4つの判断基準)でも解説していますので、あわせてご覧ください。

この記事は「そもそも子どもにがん保険が必要かどうか」ではなく、「入るとしたら診断給付金や治療給付金の保障額をどう決めるか」という金額設計にしぼって解説します。読者の状況によって最適な金額は変わるため、最後は専門家への相談で個別に確認することをおすすめします。

この記事でわかること

  • 診断給付金(診断一時金)と治療給付金型の違い(子どもの場合の考え方)
  • 小児がんの治療費が公的制度でどこまで下がるか(実額の目安)
  • 制度の対象外になりやすい「実費」から保障額を逆算するFP式の決め方
  • 保障額を考えるときの注意点とよくある質問(Q&A)

読了時間:約9分

Cancer FP®
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目次

子どものがん保険、診断給付金はいくら必要?まず結論から

先に結論をお伝えします。子どものがん保険の診断給付金は、「みんなが選ぶ相場だから」ではなく、公的制度でカバーしきれない実費から逆算して決めるのが基本です。市場には診断給付金として一般に50万円〜100万円程度を設定できる商品が見られますが、金額の正解は家庭ごとに変わります。

なぜなら、小児がんの医療費そのものは、後で説明する公的助成によって大きく下がるからです。つまり「治療費が何百万円かかるから、その分の保障を」という発想は、実態とはややズレます。むしろ家計に効いてくるのは、差額ベッド代や付き添いのための費用、親が仕事を休むことによる収入減など、制度ではカバーされにくいお金です。保障額は、この「制度の外でかかるお金」を埋める発想で考えます。

保障額は「治療費の総額」ではなく「制度でカバーされずに家庭が負担する実費」から逆算する。これが金額決めの出発点です。

髙嶋哲 | Cancer FP

Cancer FP®のひとこと POINT
ご相談を受けていると、「とりあえず100万円にしておけば安心ですか?」と聞かれることがよくあります。もちろん間違いではないのですが、ご家庭の貯蓄額や共働きかどうかによって本当に必要な金額は変わります。数字を決める前に「わが家では何にお金がかかりそうか」を一緒に整理していくのがおすすめです。

そもそも診断給付金(診断一時金)とは?治療給付金型との違い

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保障額を考える前に、給付金のタイプの違いを押さえておきましょう。がん保険の給付金は、大きく「診断給付金(診断一時金)」と「治療給付金」に分けられます。

診断給付金(診断一時金)は「まとまったお金が一度に受け取れる」

診断給付金(診断一時金)とは、がんと診断確定されたときに、まとまったお金がまとめて受け取れる給付金のことです。使い道は自由で、治療費だけでなく、当面の生活費や付き添いの費用など、何に使っても構いません。「診断された時点でお金が入る」「使途が自由」という分かりやすさが特徴です。

一方で、原則として受け取れるのは一度きり(または一定期間ごとに1回など、商品によって条件が異なります)という側面もあります。診断の定義や上皮内新生物の扱いも商品ごとに異なるため、「診断されれば必ず満額」と断定はできません。

治療給付金型は「治療を受けるたびに給付される」

治療給付金型とは、抗がん剤治療や放射線治療、手術など、実際の治療を受けた月ごとに給付金が受け取れるタイプです。治療が続く限り、原則として通算の回数制限なく受け取れる商品が多く、外来(通院)での治療にも対応しやすいのが特徴です。

現在のがん治療は、入院を短くして外来で抗がん剤や放射線治療を続けるスタイルが増えています。子どもの白血病などでは入院が長引くこともありますが、退院後も長い通院フォローが続くのが一般的です。こうした「治療が長く続く」実態には、治療のたびに給付される治療給付金型のほうが合いやすい場面が多いと考えられます。診断給付金は分かりやすさという強みがある一方、長期戦をどこまでカバーできるかは金額と条件しだいです。

診断給付金と治療給付金は、どちらか一方だけを選ぶものとは限りません。診断時のまとまった資金は診断給付金で、長引く治療の持ち出しは治療給付金型で、と役割を分けて組み合わせる考え方もあります。向き不向きは家庭の状況によって変わります。

髙嶋哲 | Cancer FP

Cancer FP®のひとこと POINT
「一時金型と治療給付金型、どちらが正解ですか?」とよく聞かれますが、私は治療の長期化という現実を重視して、治療のたびに受け取れるタイプを軸に考えることが多いです。診断給付金を否定するわけではなく、それぞれの役割を理解したうえで、金額のバランスを決めていくことが大切だと感じています。

保障額を決める前に:小児がんの治療費は公的制度でどこまで下がる?

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保障額を決めるうえで、まず知っておきたいのが「公的制度でどこまでお金がカバーされるのか」です。ここを理解しないまま金額を決めると、保障を厚くしすぎたり、逆に的外れなところに保険をかけたりしてしまいます。

小児慢性特定疾病の医療費助成:自己負担は2割・月額上限0〜15,000円

小児がんの多くは、国の「小児慢性特定疾病医療費助成制度」の対象になります。この制度が使えると、医療費の自己負担は原則2割に下がり、さらに世帯の所得に応じて月額の自己負担上限額が0円〜15,000円程度に抑えられます。対象は原則18歳未満(引き続き治療が必要な場合は20歳まで延長)です。出典:国立がん研究センターがん情報サービス「小児の医療費の助成制度」(2026年7月時点)。

さらに、自治体ごとの「子ども医療費助成(乳幼児医療費助成)」が上乗せされる地域も多く、実際の医療費の窓口負担はかなり小さくなるケースが少なくありません。つまり「治療費そのもの」は、公的制度で大きく下がるのが実情です。

高額療養費制度:世帯の所得に応じて自己負担に上限がある

小児慢性の助成に加えて、公的医療保険には「高額療養費制度」もあります。ひと月の医療費の自己負担が一定額を超えると、超えた分が払い戻される仕組みです。子どもの場合、扶養する親(世帯)の所得区分で上限額が決まります。たとえば標準報酬月額28万〜50万円(区分ウ)の世帯なら、1か月に医療費が100万円かかっても自己負担は約9万2,940円が目安です(2026年8月診療分からの金額。85,800円+〈1,000,000円−286,000円〉×1%で計算)。出典:厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」(2026年8月15日確認)。

高額療養費制度の自己負担上限額は、2026年7月29日公布の健康保険法施行令等の一部を改正する政令〔令和8年政令第240号〕により、2026年8月1日から引き上げられました(第2段階=所得区分の細分化は2027年8月に予定)。実際に利用する際は、最新の上限額を厚生労働省の公式ページで必ず確認してください。

このように、小児がんは「医療費そのもの」で家計が破綻するケースはそれほど多くありません。だからこそ、保障額は治療費の総額ではなく、次に説明する「制度の外にかかるお金」から考える必要があるのです。

髙嶋哲 | Cancer FP

Cancer FP®のひとこと POINT
「治療費が何百万円もかかると聞いて不安です」というご相談は多いのですが、公的制度を使うと医療費の窓口負担はぐっと下がります。まずは制度で守られる範囲を知ることが、過不足のない保障額を決める第一歩です。制度は複雑なので、わからないところは遠慮なく専門家に聞いてくださいね。

公的制度でカバーされない「制度外コスト」こそ保障額の根拠

ここがこの記事の核心です。小児がんで家計に効いてくるのは、医療費そのものよりも、公的制度の対象外になりやすい「実費」です。保障額は、「この制度外コストをどこまで保険で埋めたいか」から決めていきます。

差額ベッド代:1日平均7,026円が長期入院でふくらむ

差額ベッド代(特別療養環境室料)は、公的医療保険や高額療養費の対象外です。個室を希望した場合はもちろん、子どもの付き添いや感染対策で個室になることもあります。差額ベッド代は1日あたり平均7,026円というデータがあり、入院が長引けば負担も大きくなります。出典:中央社会保険医療協議会(厚生労働省)「主な選定療養に係る報告状況」(令和7年8月1日現在)。仮に30日間で1日平均7,026円なら、単純計算で約21万円が上乗せされます。

付き添いの交通費・宿泊費・食費:専門病院が遠いほど重い

小児がんは専門的な治療ができる病院が限られるため、自宅から遠い病院に長期入院となることがあります。付き添う親の交通費、病院近くに泊まる宿泊費、外食が増えることによる食費など、これらは公的助成の対象外の実費です。金額は家庭や地域によって大きく変わりますが、長期化するほど積み上がっていきます。

親の収入減:付き添い・看護で仕事を休むと家計が細る

見落とされがちですが、家計に最も響きやすいのが親の収入減です。子どもの入院に付き添うために、親が仕事を休んだり、時短に切り替えたりすると、世帯収入が減ります。ここで注意したいのが、働く親自身が病気で休むときは「傷病手当金」という仕組みがある一方、子どもの看病で親が仕事を休む場合の収入の落ち込みは、また別の問題として考える必要があるという点です。介護休業などの制度はありますが、上限や期間があり、収入がまるごと補われるわけではありません。

制度外コストの例どんなときに発生するか金額の目安
差額ベッド代個室希望・感染対策・大部屋が空かない1日平均7,026円(中医協・令和7年8月1日現在)
交通費・宿泊費遠方の専門病院に長期入院実費(家庭や地域で差)
食費・日用品長期の入院・付き添い生活実費
親の収入減付き添い・看護で休職や時短世帯収入により差
きょうだいの預け先下の子の保育・預かり実費
差額ベッド代の出典:中央社会保険医療協議会「主な選定療養に係る報告状況」(令和7年8月1日現在)。その他は制度の対象外になりやすい実費のため、金額は家庭により異なります。

「治療費」ではなく「差額ベッド代・付き添い費用・親の収入減」といった制度外コストの合計が、子どものがん保険で本当に備えたい金額です。

髙嶋哲 | Cancer FP

Cancer FP®のひとこと POINT
ご相談の現場で最も多いのが「思ったより医療費はかからなかったけれど、付き添いと収入減で家計が苦しかった」という声です。だからこそ保障額は、医療費ではなく制度の外にかかる実費から考えてほしいのです。ご家庭の働き方や貯蓄によって答えは変わりますから、一度整理してみましょう。

FP式・保障額の決め方3ステップ(制度外コストから逆算)

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ここまでの内容をふまえ、保障額を決める具体的な手順を3ステップで整理します。数字は家庭ごとに変わるので、あくまで考え方の型として使ってください。

ステップ1:公的制度でカバーされる部分を引く

まず、医療費そのものは小児慢性特定疾病の医療費助成(自己負担2割・月額上限0〜15,000円程度)や高額療養費制度、自治体の子ども医療費助成で大きくカバーされる、と考えます。つまり「医療費のために大きな保障を積む」必要性は、大人のがん保険ほど高くありません。ここを差し引くのが出発点です。

ステップ2:制度の外に残る「月あたりの持ち出し」を見積もる

次に、差額ベッド代・付き添いの交通費や宿泊費・食費・親の収入減といった制度外コストを、「1か月あたりいくら家計から出ていきそうか」で見積もります。たとえば差額ベッド代だけでも1日平均7,026円なら1か月で約21万円。ここに交通費や収入減が加われば、月々の持ち出しはさらに大きくなります。これらは「治療が続く限り毎月発生しうるお金だ」という点が重要です。

ステップ3:「月あたりの持ち出し×想定される治療月数」で逆算する

最後に、ステップ2で見積もった「月あたりの持ち出し」に、治療が続きそうな期間(月数)をかけて、必要な金額のイメージを作ります。小児がんは入院と長期の通院フォローが続くことが多いため、一度きりの一時金だけでは長期戦をカバーしきれない場合があります。だからこそ、まとまった資金は診断給付金で、月々続く持ち出しは治療給付金型で、と役割を分けて考えると、金額の配分が見えやすくなります。診断給付金は一般に50万円〜100万円程度から選べる商品が見られますが、この金額はあくまで「制度外コストと貯蓄を照らし合わせた結果」として決めるものです。

保険料の具体的な金額は、商品・加入時の年齢・保障内容・特約の付け方によって大きく変わります。この記事では特定の保険料の目安は示しません。実際に検討する際は、複数社の試算を取り、専門家と一緒に無理のない範囲を確認してください。

髙嶋哲 | Cancer FP

Cancer FP®のひとこと POINT
3ステップのうち、いちばん差が出るのがステップ2の「月あたりの持ち出し」です。共働きか、貯蓄がどれくらいあるか、実家が近いかどうかで金額はまったく変わります。だからこそ、ネットの相場をそのまま真似るより、ご家庭の事情に合わせて逆算するほうが、ムダのない保障額に近づきます。

逆算に使う数字を、手元の書類から書き出す5項目

保障額は「制度の外に残るお金」から逆算します。その残る金額はご家庭ごとに違うため、記事では金額を出せません。次の5つが、逆算に必要な入力値です。

  1. 小児慢性特定疾病の医療費助成での自己負担上限(月額):認定を受けた場合、所得区分ごとに上限が決まります。これが医療費側の残りです
  2. 付き添い・面会にかかる1か月の実費:食事代・交通費・宿泊費。制度の対象外で、金額の個人差がいちばん大きい項目です
  3. 親が働けない期間の収入の下がり幅(月額):付き添いで勤務を減らした場合に世帯収入が月いくら減るか
  4. 想定する期間(何か月分を保険で用意するか):治療が年単位に及ぶ場合を含め、何か月分を現金で持ちたいか
  5. いま自由に使える貯蓄額:ここから引いた差額が、必要な保障額の目安になります

「②+③」に④を掛け、①を足して⑤を引く。これが逆算の形です。数字が埋まらないまま金額だけ決めると、多すぎるか少なすぎるかのどちらかになります。ここから先が難しいのは、①制度の適用区分は所得で変わる②同じ名前の給付金でも支払条件が違う③自分の契約の中身は検索では出てこない④契約後に保障額を増やすには入り直しが必要なことがあるためです。

診断給付金型か治療給付金型か?子どもの場合の考え方

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金額の目安が見えてきたら、次は「どのタイプにいくら配分するか」です。子どもの場合の考え方を整理します。

小児がんは、白血病のように入院が長引くケースもあれば、退院後に何年もの通院フォローが必要になるケースもあります。国立がん研究センターの集計では、小児(0〜15歳未満)の白血病の5年相対生存率は88.0%、脳腫瘍は74.6%と報告されており(2013〜2014年診断例)、多くのがん種で治る割合が高まっています。出典:国立がん研究センター「院内がん登録 小児・AYA世代がん5年生存率集計」(2021年12月公表)。しかし治る時代になった一方で、長期のフォローが続くという特徴があるわけです。

この「長く付き合う」という実態を考えると、治療のたびに給付される治療給付金型を軸に据え、診断時のまとまった出費に備えて診断給付金を組み合わせる、という設計が現実的な場面が多いといえます。診断給付金は使途が自由で分かりやすい半面、一度きりでは長期戦をカバーしきれないことがあるためです。どちらか一方に決めつけるのではなく、役割を分けて考えるのがポイントです。「必要かどうか」から迷っている方はこどものがん保険はいらない?5つの理由をデータ検証も参考になります。

また、晩期合併症(治療後の成長や時間の経過に伴って起こる合併症)への長期フォローアップが必要になることもあり、子どものがんは「終わってからも続く」側面があります。出典:国立がん研究センターがん情報サービス「晩期合併症・二次がん」(2026年7月時点)。だからこそ、一度きりの給付だけに頼らない設計が安心につながります。

髙嶋哲 | Cancer FP

Cancer FP®のひとこと POINT
診断給付金は「もらってうれしい」分かりやすさがありますが、治療が長引くお子さんの場合、月々続く持ち出しに効くのは治療給付金型です。私は、まず治療給付金型で長期戦に備え、そのうえで診断時のまとまった資金を診断給付金で補う、という順番でご提案することが多いです。

保障額を考えるときの3つの注意点

最後に、保障額を決めるときに見落としがちな注意点を3つお伝えします。

注意点1:貯蓄でまかなえる部分は保険で持たなくてよい

制度外コストのすべてを保険で埋める必要はありません。ある程度の貯蓄があれば、その分は保険の保障額を下げても大丈夫です。保険はあくまで「貯蓄では足りない部分」を補うもの。家庭の貯蓄額と照らし合わせて、過不足のない金額を考えましょう。

注意点2:親自身の保障が整っているかを先に確認する

子どもの保障を手厚くする前に、家計を支える親自身のがんや就業不能への備えが十分かを確認しておきたいところです。子育て世代では、稼ぎ手である親ががんになったときの収入減のほうが、家計への影響が大きいことも少なくありません。優先順位としては「親→子」の順で整えるのが基本です。

注意点3:加入のタイミングと告知・免責の条件も確認する

がん保険には、契約後一定の待機期間(免責期間。90日または3か月が一般的ですが、免責のない商品や条件の異なる商品もあります)が設けられていることが多く、健康なうちに加入しておくことが前提になります。0歳から加入できる商品もありますが、加入年齢や告知の条件は商品によって異なります。いつ入るのがよいかは子供のがん保険はいつから?0歳加入の損得も参考にしてください。

髙嶋哲 | Cancer FP

Cancer FP®のひとこと POINT
「子どもの保障をどうするか」で相談に来られた方でも、話を伺うと親御さん自身の備えが手薄なことがよくあります。お子さんを守るいちばんの土台は、実は親の家計を守ることです。順番を意識して、家族全体で無理のない設計をしていきましょう。

子どもの保障額に関するよくある質問(Q&A)

Q. 子どものがん保険、診断給付金っていくらにすればいいの?

A. 「相場だから」で決めるより、公的制度でカバーしきれない実費から逆算するのがおすすめです。小児がんの医療費は小児慢性特定疾病の助成や高額療養費で大きく下がるため、備えたいのは差額ベッド代・付き添い費用・親の収入減といった制度外コストです。市場では診断給付金を一般的には50万円〜100万円程度から選べる商品が見られますが、貯蓄額や共働きかどうかで必要額は変わります。家庭ごとに整理して決めましょう。

Q. 診断給付金と治療給付金、子どもにはどっちが向いてるの?

A. どちらか一方に決める必要はありませんが、治療が長引きやすい子どもの場合は、治療のたびに受け取れる治療給付金型を軸に考えると実態に合いやすいです。診断給付金は使途が自由でまとまったお金が一度に入る分かりやすさがある一方、原則一度きりのため、長期戦のカバーには限界があります。診断時のまとまった資金は診断給付金で、月々続く持ち出しは治療給付金型で、と役割を分けるのがおすすめです。

Q. 小児がんって医療費が助成されるなら、保険はいらないんじゃないの?

A. 医療費そのものは、小児慢性特定疾病の助成(自己負担2割・月額上限0〜15,000円程度)や自治体の子ども医療費助成で大きく下がります。ただし、差額ベッド代(1日平均7,026円)や付き添いの交通費・宿泊費、親が仕事を休むことによる収入減は制度の対象外です。保険で備えるのはこの「制度の外に残るお金」です。医療費だけを見て判断すると見落としが出やすいので注意しましょう。

Q. 付き添い入院になったら、お金ってどのくらいかかるの?

A. 金額は家庭や病院までの距離によって大きく変わりますが、差額ベッド代(1日平均7,026円)に加えて、親の交通費・宿泊費・食費、下のお子さんの預け先の費用などが積み重なります。さらに、付き添いのために親が仕事を休めば収入も減ります。これらは公的助成でカバーされにくい実費なので、「毎月いくら家計から出ていきそうか」を見積もっておくと、必要な保障額が考えやすくなります。

Q. 診断給付金は多いほど安心?いくらでも増やしていいの?

A. 多ければ安心という気持ちはよくわかりますが、保障を増やせばその分の保険料もかかります。貯蓄でまかなえる部分まで保険に加入すると、家計の負担が重くなってしまいます。おすすめは、制度外コストの見積もりから必要額を出し、そこから貯蓄でカバーできる分を差し引いて、残りを保険で備える考え方です。過不足のない金額に整えることが、長続きする備えにつながります。

Q. 親のがん保険と子どものがん保険、どっちを優先すべき?

A. 基本は「親→子」の順で整えるのがおすすめです。子育て世代では、家計を支える親ががんになったときの収入減のほうが、世帯への影響が大きくなりやすいためです。まず親自身のがんや就業不能への備えを確認し、そのうえで子どもの保障を検討すると、家族全体でバランスの取れた設計になります。優先順位に迷うときは専門家と一緒に整理すると安心です。

Q. 上皮内新生物(初期のがん)でも診断給付金はもらえるの?

A. 上皮内新生物の扱いは商品によって異なります。悪性新生物と同額を支払う商品もあれば、給付額が減額される商品、対象外とする商品もあります。「診断されれば必ず満額」とは限らないため、契約前に給付条件を確認することが大切です。診断の定義や待機期間の条件も商品ごとに違うので、複数社を比較しながら確認しましょう。

体験談(フィクション):金額の決め方で迷ったご家庭

ここでは、保障額の決め方をイメージしやすいように、ご相談の場面を想定した事例を紹介します。

ケース1:相場のまま100万円にしようとしていた30代夫婦

「ネットで見た相場が100万円だったので、そのまま申し込もうとしていました。でも、公的制度で医療費がここまで下がると知って驚きました。わが家は共働きで貯蓄もあるので、診断給付金は控えめにして、治療が長引いたときのために治療給付金型を厚めにしました」。制度と家計を整理したことで、金額の根拠に納得できたそうです。

ケース2:付き添いの収入減が心配だった専業主婦家庭

「夫の収入だけの家庭なので、もし子どもが入院したら私が付き添うことになります。差額ベッド代や交通費に加えて、下の子の預け先も必要になると気づき、月々の持ち出しを想定して保障額を決めました。まず夫のがん保障も見直しました」。制度外コストと家族全体の優先順位を一緒に考えた例です。

※上記はいずれも個人の状況に基づくイメージであり、フィクションです。実際の給付内容・費用・必要な保障額は、商品や家庭の状況によって異なります。

髙嶋哲 | Cancer FP

Cancer FP®のひとこと POINT
金額を決める場面では、ご家庭ごとに「気になるお金」がまったく違います。相場をそのまま採用するより、わが家では何が負担になりそうかを言葉にしてみることが、納得できる保障額への近道です。迷ったら、遠慮なく専門家を頼ってくださいね。

まとめ:保障額は「制度の外に残るお金」から逆算する

子どものがん保険の診断給付金をいくらにするかは、相場ではなく、公的制度でカバーしきれない実費から逆算するのが基本です。医療費そのものは制度で大きく下がる一方、差額ベッド代・付き添い費用・親の収入減が家計に効いてきます。

  • 保障額は「治療費の総額」ではなく「制度でカバーされない実費」から考える
  • 小児がんの医療費は小児慢性の助成(自己負担2割・月0〜15,000円程度の助成)や高額療養費で大きく下がる
  • 備えたいのは差額ベッド代(1日平均7,026円)・付き添い費用・親の収入減など制度外コスト
  • 治療が長引きやすい子どものがん保険は治療給付金型を軸に、診断給付金を組み合わせる考え方が現実的
  • 貯蓄でまかなえる分は保険で持たず、親自身の保障を先に整える

とはいえ、最適な保障額は貯蓄・働き方・家族構成によって一人ひとり異なります。金額の決め方に迷ったら、がん保険専門のCancer FP®(がんファイナンシャル・プランナー)に相談することで、あなたのご家庭に合った過不足のない設計が見えてきます。まずは無料相談から、お気軽にどうぞ。がん保険全体の比較はがん保険おすすめランキング|人気商品を徹底比較もご覧ください。

参考文献(一次情報)

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