この記事は「どの保険から入るか=保険の種類の優先順位」に絞って解説します。子育て世代のがん保険の必要性そのものは総合ガイドで詳しく解説しています。
「子供のために何の保険に入ればいい?」と考えたとき、最優先で整えるべきは子ども本人の保険ではなく、家計を支える親自身の保障です。
がんは2人に1人がかかる時代。親が長く治療を続けながら働けなくなったり、万一のことがあったりしたとき、子どもの生活と教育を守るのは「親のがん保険・収入保障・就業不能の備え」だからです。
「子供のために、そろそろ保険を考えなきゃ」。
そう思って調べ始めると、学資保険や子どものがん保険・医療保険の情報ばかりが出てきて、結局どれから手をつければいいのか分からなくなっていませんか。
実は、お子さんを本当に守る備えには「順番」があります。
この記事では、がん保険専門のCancer FP®(がんファイナンシャル・プランナー)が、子どもを持つ親が整えるべき保険の優先順位を、公的データと家計の視点でわかりやすく整理します。
「子のがん保険」を検討する前に、まず読んでほしい内容です。
このテーマをもっと広く知りたい方は、がん保険は夫婦どちらに必要かを解説した記事もあわせて確認すると、家庭全体の備え方が見えてきます。
この記事でわかること
- 子供のために親がまず整えるべき保険の優先順位(親→子の理由)
- 親ががんになったとき、子どもの生活・教育に何が起きるか(公的データ)
- 親が備えるべき3つの保障(がん保険・収入保障・就業不能)の役割
- 公的制度(高額療養費・傷病手当金・遺族年金)でどこまで足りるか
- 子どものがん保険・学資保険はいつ・どう検討すればいいか
読了時間:約9分


子供のために親が入る保険はどの順番で?優先順位の結論

結論からお伝えします。
子供のために入るべき保険を1つだけ選ぶなら、それは「家計を支える親自身のがん保険・収入保障・就業不能の備え」です。
子ども本人の医療保険・がん保険・学資保険は、その次の優先順位になります。
理由はシンプルです。
子どもの生活費・教育費・住居費を稼いでいるのは親だからです。
もし親が長期間働けなくなったり、万一のことがあったりすれば、子どもの暮らしそのものが揺らぎます。逆に、子どもが病気になっても、親に収入と保障があれば家計は持ちこたえられます。
そして見過ごせないのが、がんが「親世代の病気」でもあるという事実です。
日本人が生涯でがんと診断されるリスクは男性61.1%・女性50.1%、およそ2人に1人にのぼります。出典:国立がん研究センター「最新がん統計」(2023年データ/2026年4月更新)。
さらに、がん罹患者のうち働き盛りの20〜64歳は259,304人=全体の32.4%を占めます(約3人に1人が働く世代)。出典:厚生労働省「がん患者の就労や就労支援に関する現状」(厚生労働省検討会資料)。
つまり、子育て世代の親ががんになることは、決して珍しいケースではないのです。
家庭全体での備えの考え方は、がん保険は入るべきかを必要な人・不要な人の条件で整理した記事でも詳しく解説しています。
大室恋美 | 理学療法士Cancer FP®のひとこと POINT
ご相談に来られる親御さんの多くが、最初は「子どもの保険」を探しています。けれど家計を一緒に見ていくと、本当に守るべきは親の保障だと気づかされます。順番を間違えないことが、結果的にお子さんを守る一番の近道です。
親ががんになると、子どもの生活と教育に何が起きる?
親ががんになったとき、家計に起きる変化は「治療費」だけではありません。
むしろ家計を大きく揺らすのは、治療によって働けなくなることで起きる「収入の減少」です。
がん治療で収入が減る現実(働き方への影響)
国の調査では、がんと診断されたとき就労していた人のうち、休職・休業した人が53.4%、退職・廃業した人が19.4%にのぼります。出典:国立がん研究センター「令和5年度患者体験調査(第3回)」(2025年7月公表)。
同じ調査では、がんによる金銭的な負担で生活に影響があった人が24.2%、特に若い世代では44.9%と高くなっています。
子育て世代は、住宅ローン・教育費・生活費という固定費を抱えている時期です。
その時期に収入が数か月〜年単位で減ると、貯蓄を取り崩すか、生活水準を下げるしかなくなります。子どもの習い事や進学の選択肢に影響が出ることもあります。
子どもの教育費はいくらかかる?守るべき金額の目安
守るべき金額を具体的にイメージするため、教育費の目安を見てみましょう。
下の表は、文部科学省の調査をもとにした幼稚園から高校までの学習費(授業料・塾・習い事などを含む年間総額の積み上げ)です。
| 進路パターン(幼稚園〜高校/15年間) | 学習費の総額の目安 |
|---|---|
| すべて公立 | 約614万円 |
| すべて私立 | 約1,969万円 |
幼稚園から高校までだけでも、公立中心で約614万円、私立中心では約1,969万円かかります。出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査結果のポイント」(令和8年1月時点)。
ここに大学費用が加わります。これだけの金額を、親が働けなくなっても払い続けられるか——それが「子供のための保険」を考える本質です。
大室恋美 | 理学療法士Cancer FP®のひとこと POINT
「治療費はいくら?」とよく聞かれますが、子育て世帯で本当に効いてくるのは収入の減少です。固定費が多い時期だからこそ、入ってくるお金が減るダメージが大きい。だから親の備えは治療費よりも「収入を守る」発想が大切なんです。
子供のために親が整えるべき3つの保障

では、親は具体的に何を備えればよいのでしょうか。
子育て世代の親が優先したいのは、次の3つの保障です。役割が異なるため、それぞれの位置づけを理解しておきましょう。
| 保障の種類 | 主に備えるリスク | 子どもにとっての意味 |
|---|---|---|
| がん保険(治療給付金型) | がん治療にかかるお金・長期化する治療 | 治療しながらでも家計を崩さない |
| 収入保障保険 | 親が亡くなった後の毎月の生活費 | 残された家族の暮らしと教育を継続 |
| 就業不能保険 | 長期間働けないときの収入の穴埋め | 収入が止まっても固定費を払える |
① がん保険(治療給付金型):治療を続けながら家計を守る
1つ目は、親自身のがん保険です。
近年のがん治療は、入院よりも通院での抗がん剤・放射線治療が中心になっています。そのため、入院日数に連動する保障よりも、治療を受けている期間に給付が受けられる「治療給付金型」が、いまの治療の実態に合いやすいタイプです。
給付内容や金額は商品ごとに異なります。
原則として治療給付金型は治療月ごとに給付されるタイプが中心ですが、給付回数や上限、上皮内新生物の扱いなどは商品によって差があります。実際に選ぶ際は複数社の内容を比較して確認しましょう。
選び方の基礎はがん保険はいくら必要かを解説した記事が参考になります。
② 収入保障保険:万一のとき毎月の生活費を残す
2つ目は、収入保障保険です。
これは親が亡くなったり高度障害になったりしたとき、毎月決まった金額を給与のように受け取れる死亡保障の一種です。子どもが小さいほど必要な総額が大きく、成長とともに必要額が減っていくため、子育て世代と相性が良い保障です。
がんは死亡リスクとも無関係ではありません。
親に万一のことがあったとき、遺族年金だけでは生活費・教育費をすべてはまかなえないケースが多いため、その不足分を毎月の給付で補うのが収入保障の役割です。詳しくはがんに収入保障保険は必要かをまとめた記事をご覧ください。
③ 就業不能保険:長く働けないときの収入の穴を埋める
3つ目は、就業不能保険です。
これは病気やケガで長期間働けなくなったとき、毎月の収入の代わりとなる給付を受けられる保険です。亡くなった場合に備える収入保障保険とは異なり、「生きているけれど働けない」状態の収入減に備えます。
給付の条件(支払対象になる就業不能の状態・待機期間・精神疾患の扱いなど)は商品によって大きく異なります。
原則として一定期間以上働けない状態が条件になりますが、その定義は各社で違うため、加入前に必ず確認しましょう。会社員と自営業・フリーランスでは公的保障の手厚さが違うため、必要度も変わってきます。
大室恋美 | 理学療法士Cancer FP®のひとこと POINT
3つすべてをフル装備する必要はありません。共働きか片働きか、貯蓄はどれくらいか、公的保障がどこまで効くかで優先順位は変わります。家計の状況を見て「どれを厚くし、どれは薄くてよいか」を決めるのが、無駄なく備えるコツです。
公的制度でどこまで足りる?高額療養費・傷病手当金・遺族年金
民間の保険を考える前に、まず公的制度でどこまでカバーできるかを知っておくことが大切です。
公的制度で足りる部分に保険をかけても、保険料の無駄になってしまうからです。子育て世代に関わる主な制度は次の3つです。
治療費は高額療養費制度で上限が決まる
がん治療の医療費は高額になりがちですが、公的医療保険には「高額療養費制度」があり、ひと月の自己負担に上限が設けられています。
たとえば年収約370〜770万円(区分ウ)の方は、ひと月の上限が「85,800円+(医療費-286,000円)×1%」で計算されます。直近12か月で3回以上該当した4回目以降は44,400円に下がります(多数回該当)。出典:厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」(厚労省案内資料)。
ただし、差額ベッド代・先進医療の技術料・通院の交通費・収入の減少などは高額療養費の対象外です。
つまり「治療費そのもの」はある程度公的制度で抑えられても、その周辺の出費と収入減は自分で備える必要があります。公的制度の詳しい計算例はがんの高額療養費で自己負担はいくらかを解説した記事で確認できます。
働けない期間は傷病手当金が支えになる(会社員の場合)
会社員・公務員などが加入する健康保険には「傷病手当金」があります。
病気で働けず給与が受けられないとき、標準報酬日額(標準報酬月額の平均額を30で割った額)のおおむね3分の2が、支給開始日から通算1年6か月まで受け取れます。出典:全国健康保険協会「傷病手当金」(協会けんぽ)。支給期間は2022年1月の改正で「通算」となりました。出典:厚生労働省「傷病手当金の支給期間の通算化」。
注意したいのは、自営業・フリーランスなど国民健康保険の方には、原則としてこの傷病手当金(法定給付)がない点です。
そのため、自営業・フリーランスの親ほど、働けないときの収入減に対する民間の備え(就業不能保険など)の必要度が高くなります。収入減への総合的な対策はがん治療中の収入減少にどう備えるかの記事が参考になります。
万一のときは遺族年金が子育てを支える
親が亡くなった場合、公的年金から遺族年金が支給されます。
子のある配偶者または子は遺族基礎年金を受け取れ、会社員・公務員であった場合は遺族厚生年金も上乗せされます。出典:日本年金機構「遺族基礎年金」・「遺族厚生年金」。
遺族年金は心強い制度ですが、これだけで生活費と教育費をすべてまかなえる家庭は多くありません。
「遺族年金で足りない分」を毎月の給付で埋めるのが収入保障保険の役割です。だからこそ、公的制度を踏まえたうえで不足額を計算し、過不足のない保障額を決めることが大切なのです。
大室恋美 | 理学療法士Cancer FP®のひとこと POINT
公的制度は意外と手厚いので、それを知らずに保険を厚くかけすぎている方も多いです。逆に自営業の方は公的保障が薄く、備えが足りないことも。まず公的制度で足りる部分を把握してから、不足分だけを保険で埋める——これが家計にやさしい順番です。
子どものがん保険・学資保険はいつ・どう検討する?

ここまで親の保障を優先する理由をお伝えしてきましたが、子ども自身の保険が不要というわけではありません。
大切なのは「親の保障を整えたうえで、次に子どもの備えを検討する」という順番です。
子どものがん保険・医療保険を考えるタイミング
子どものがんは大人に比べて発生数が少なく、また小児がんには公的な医療費助成の仕組みがあります。
そのため、まず親の保障と家計の安全網を整え、家計に余裕がある範囲で子どもの備えを検討するのが現実的です。子どもの保険を検討する際は、医療保険とがん保険のどちらを選ぶかという視点も役立ちます。こどもの保険は医療保険よりがん保険を解説した記事もあわせてご覧ください。
学資保険・教育費の準備との組み合わせ方
教育費の準備は「貯める仕組み」と「親に万一があっても払い続けられる仕組み」の両方で考えます。
学資保険やつみたては前者、親の収入保障や就業不能保険は後者の役割です。どちらか一方ではなく、組み合わせて初めて子どもの教育を守れます。
なお、学資保険そのものにはがんを直接保障する機能は基本的にありません。
「学資保険でがんにも備えたい」と考えている場合は、目的を分けて整理する必要があります。考え方の整理は夫婦でのがん保険の備え方の記事とあわせて確認すると、家庭全体の設計が見えてきます。
大室恋美 | 理学療法士Cancer FP®のひとこと POINT
「子どもに何かあったら…」という不安はとても自然なものです。ただ、確率と家計のバランスで見ると、まず親、次に子の順が合理的です。親の備えが整えば、子の保険は「余裕の範囲で」と落ち着いて選べるようになります。
家庭タイプ別・親が優先すべき保障の考え方
同じ「子育て世帯」でも、共働きか片働きか、会社員か自営業かで、優先すべき保障は変わります。
あくまで一般的な考え方ですが、家庭タイプ別の優先順位の目安を整理しました。実際の設計は個々の家計・貯蓄・公的保障で変わるため、参考としてご覧ください。
| 家庭タイプ | 優先したい備えの目安 |
|---|---|
| 共働き(会社員同士) | 互いにがん保険+就業不能を薄めに。収入保障は子の独立までを軸に |
| 片働き(主たる稼ぎ手が会社員) | 稼ぎ手の収入保障を厚めに+がん保険。就業不能で長期療養に備える |
| 自営業・フリーランス世帯 | 傷病手当金がない前提で就業不能・収入保障を優先。がん保険も併せて |
共働き世帯は、どちらか一方が働けなくなってももう一方の収入があるため、片働きより収入保障を抑えられる傾向があります。
一方、片働き・自営業世帯は、主たる稼ぎ手のリスクがそのまま家計直撃につながるため、収入を守る備えの優先度が高くなります。
夫婦での役割分担はがん保険は夫婦どちらに必要かの記事も参考になります。
大室恋美 | 理学療法士Cancer FP®のひとこと POINT
同じ年収・同じ子どもの人数でも、貯蓄額や持ち家かどうかで最適な保障は変わります。表の目安はスタート地点。ここから「我が家の数字」に落とし込むことで、はじめて過不足のない備えになります。
優先順位を自分の家計に当てはめる|保険証券で確かめる5項目
死亡・就業不能・がんという順番は考え方の原則です。「あなたのご家庭でどこが手薄か」は記事では答えられません。すでに埋まっている段があるかもしれず、順番より先に現状の確認が必要だからです。
- 死亡保障の金額と保障期間:末子が独立するまでをカバーできているか。証券の保険金額と満了年齢で確認します
- 就業不能・収入保障の有無と月額:働けない期間に毎月いくら入るか。ここが空白のご家庭が最も多い段です
- がん保障の給付の型:一時金だけか、治療が続く間も出る型か。収入減が長引く前提で見ます
- 勤務先の制度と公的給付の範囲:会社員なら傷病手当金の対象ですが、自営業の方は対象外です。ここで必要額が変わります
- 子ども向け契約に払っている保険料の合計:親の段が空白なのに子ども側が厚い場合、優先順位が逆転しています
この5つを並べると、どの段が抜けているかが一目で分かります。判断が難しくなるのは、①会社ごとに用語の定義が違う/②同じ名前の特約でも支払条件が違う/③自分の契約の中身は検索では出てこない/④解約は取り返しがつかないためです。
▶ ご家族の保険証券を送って、3つの段のどこが空いているか確認する(相談無料)
親が備えておいてよかった・後悔したケース(体験談イメージ)
実際にどのような場面で親の保障が役立つのか、イメージしやすいよう具体的な例を紹介します。
ケース1:通院治療で働き方を変えたが家計を維持できた
小学生の子を持つ40代の会社員。がんが見つかり、通院での治療を続けながら勤務時間を減らしました。
収入は一時的に下がりましたが、傷病手当金と治療給付金型のがん保険でカバーでき、子どもの習い事や進学準備を止めずに済みました。
ケース2:就業不能の備えがなく貯蓄を大きく取り崩した
未就学児を育てる30代の自営業。治療のため数か月間ほとんど働けなくなりました。
国民健康保険のため傷病手当金がなく、就業不能の備えもしていなかったため、教育資金として貯めていた預金を取り崩すことに。「収入が止まるリスクに備えておけば」と感じたそうです。
ケース3:収入保障で残された家族の生活を守れた
中学生と小学生の子を持つ家庭で、主たる稼ぎ手の親が病気で亡くなりました。
遺族年金に加えて収入保障保険から毎月の給付があり、生活水準を大きく落とさずに子どもの進学を支えられました。「毎月入ってくる安心が大きかった」とのことです。
大室恋美 | 理学療法士Cancer FP®のひとこと POINT
「備えていてよかった」と「あの時やっておけば」の差は、たいてい収入が止まったときに出ます。元気なうちは想像しにくいものですが、子どもがいる今こそ、収入を守る備えを点検しておきたいですね。
あわせて読みたい(子育て・こどもの保険)
よくある質問(Q&A)
Q. 子供のためって考えると、まず何の保険に入ればいいの?
A. 最優先は、家計を支える親自身の保障です。具体的には親のがん保険(治療給付金型)・収入保障保険・就業不能保険が中心になります。子どもの生活費や教育費を稼いでいるのは親なので、親が働けなくなったり万一のことがあったりしたときに備えることが、結果的に子どもを守ることにつながります。子ども本人の保険は、親の備えを整えたあと、家計に余裕がある範囲で検討するのがおすすめです。
Q. 子どものがん保険より親のがん保険を優先する理由は?
A. がんは働き盛りの世代もかかる病気で、罹患者の約3人に1人(20〜64歳で32.4%)が働く世代です。親ががんになると治療費だけでなく収入も減りやすく、家計が大きく揺らぎます。一方、子どものがんは発生数が少なく、小児がんには公的な医療費助成もあります。確率と家計への影響の大きさを考えると、まず親の備えを優先するのが合理的です。
Q. 親ががんになったら、子どもの教育費ってどうなるの?
A. 治療費そのものは高額療養費制度である程度抑えられますが、本当に家計を圧迫するのは収入の減少です。教育費は幼稚園から高校まででも公立中心で約614万円かかり、ここに大学費用も加わります。親の収入が減ったり止まったりしても教育費を払い続けられるよう、収入保障保険や就業不能保険、治療給付金型のがん保険で「収入を守る」備えをしておくことが重要です。
Q. 学資保険に入っていれば、がんの備えもできてるってこと?
A. いいえ、別物と考えてください。学資保険は基本的に教育資金を計画的に貯めるための保険で、がんそのものを保障する機能は通常ありません。親ががんで働けなくなったときの収入減に備えるには、親の収入保障保険・就業不能保険・がん保険が必要です。学資保険は「貯める準備」、親の保障は「収入を守る準備」と役割を分けて考えると整理しやすくなります。
Q. 共働きでも親のがん保険って必要なの?
A. 共働きでも備えはあったほうが安心です。どちらか一方が治療で働けなくなると世帯収入は減りますし、もう一方が看病や家事・育児の負担を抱えることもあります。ただし共働きはお互いに収入があるため、片働き世帯より収入保障を抑えられる傾向があります。世帯の収入バランスを見ながら、夫婦それぞれにどの程度の保障が必要かを決めるとよいでしょう。
Q. 自営業やフリーランスの親は、何に気をつければいい?
A. 自営業・フリーランスの方は、国民健康保険に原則として傷病手当金がない点に注意が必要です。会社員のように「働けない間の給付」が公的に用意されていないため、長期間働けなくなったときの収入減を自分で備える必要性が高くなります。就業不能保険や収入保障保険の優先度が会社員より高くなる傾向があるので、公的保障の差を踏まえて設計しましょう。
Q. がん保険は治療給付金型と一時金型、どっちがいいの?
A. 近年のがん治療は通院での治療が中心になっているため、治療を受けている期間に給付が受けられる治療給付金型が、いまの治療の実態に合いやすいといえます。一時金型は使い道が自由な一方、治療が長引いたときに給付が続かないこともあります。どちらが向くかは治療の経過や家計の状況によって変わるため、商品ごとの給付条件を比較して選ぶことが大切です。
Q. 保障を全部つけると高そう。優先順位ってつけられる?
A. はい、優先順位はつけられます。まず公的制度(高額療養費・傷病手当金・遺族年金)で足りる部分を把握し、その不足分だけを保険で埋めるのが基本です。共働きか片働きか、会社員か自営業か、貯蓄がどれくらいあるかで、厚くすべき保障と薄くてよい保障が変わります。すべてをフル装備する必要はなく、家計に合わせて配分するのがコツです。判断に迷うときは専門家に相談すると整理が早くなります。
大室恋美 | 理学療法士Cancer FP®のひとこと POINT
Q&Aで多いのが「結局うちは何を優先すべき?」という質問です。これは家計の数字を見ればはっきりします。一般論で迷い続けるより、一度プロと一緒に整理してしまうほうが、時間もお金も節約できますよ。
まとめ:子供を守るのは「親の備え」から
- 子供のために入るべき保険の最優先は、家計を支える親自身のがん保険・収入保障・就業不能
- がんは2人に1人、罹患者の約3人に1人(20〜64歳で32.4%)が働く世代
- 家計を揺らすのは治療費以上に「収入の減少」。教育費は公立中心でも約614万円
- 高額療養費・傷病手当金・遺族年金で足りない分だけを民間保険で補う
- 子どものがん保険・学資保険は、親の備えを整えたうえで余裕の範囲で検討する
子供のための保険選びは、商品を比べる前に「優先順位を決める」ことが何より大切です。
とはいえ、必要な保障額は家庭の収入・貯蓄・公的保障の状況で大きく変わります。「我が家は何を優先し、どれくらい備えればいいのか」を正確に知るには、家計の数字をもとに一緒に組み立てるのが近道です。
Cancer FP®(がんファイナンシャル・プランナー)は、がん保険と家計の両面から、あなたの家庭に合った備えの優先順位をご提案します。まずは無料相談からお気軽にどうぞ。
がん保険全体の選び方はがん保険おすすめランキング|人気商品を徹底比較もあわせてご覧ください。
参考文献(一次情報)
- 国立がん研究センター「最新がん統計」(生涯がん罹患リスク 男性61.1%・女性50.1%の根拠/2023年データ)
- 厚生労働省「がん患者の就労や就労支援に関する現状」(20〜64歳が罹患者の259,304人=全体の32.4%の根拠/厚生労働省検討会資料)
- 国立がん研究センター「令和5年度患者体験調査(第3回)」(休職53.4%・退職19.4%・金銭的影響24.2%の根拠/2025年7月公表)
- 厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」(区分ウの上限額・多数回該当44,400円の根拠)
- 厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ(制度案内)」(2026年8月からの段階的引き上げの根拠)
- 全国健康保険協会「傷病手当金」(支給額2/3・支給期間の根拠)
- 厚生労働省「傷病手当金の支給期間の通算化」(通算1年6か月・2022年1月改正の根拠)
- 文部科学省「令和5年度子供の学習費調査結果のポイント」(幼稚園〜高校の学習費 公立約614万円・私立約1,969万円の根拠/令和8年1月訂正版)
- 日本年金機構「遺族基礎年金」・「遺族厚生年金」(遺族年金の受給要件の根拠)





